路上ライブでその才能を知らしめ、評判を高めていく蘇若非(そじゃくひ)。その成功は、姉・蘇若珊(そじゃくさん)の嫉妬心を激しく煽ります。一方、蘇若珊自身には、その地位を揺るがす大きな危機が迫っていました。彼女がひた隠しにしてきた出自の秘密が幻楽坊に知れ渡り、一気に窮地に立たされてしまうのです。そんな中、蘇若非には彼女の音楽を高く評価する大物との出会いが訪れます。姉妹の対立が決定的なものとなり、それぞれの運命が大きく動き出す、波乱に満ちたエピソードです。

「幻楽森林」あらすじネタバレ21話

路上ライブの大成功と渦巻く嫉妬

物語は、蘇若非(そじゃくひ)と靳商羽(きんしょうう)が率いるバンドの路上ライブから始まります。彼らが奏でるユニークで斬新な音楽は道行く人々を魅了し、大きな称賛を浴びるんです。その噂は幻楽坊にも届き、同僚たちは蘇若非(そじゃくひ)の才能を絶賛。すっかり彼女を見直し、「あの蘇若珊(そじゃくさん)の妹とは思えない」なんて話していると、十一(じゅういち)がうっかり蘇若非(そじゃくひ)の本当の正体を明かしそうになり、蘇若非が慌てて止める一幕も。

同僚たちが「雲沐(うんもく) 様が本当に好きなのは蘇若非の方だったんだ」「だからまだ賜婚の勅旨も下りないし、わざわざ迎えに行ったんだ」と噂しているのを、姉の蘇若珊(そじゃくさん)が聞いてしまいます。プライドを傷つけられた蘇若珊(そじゃくさん)は、皆の前で「あんなのは大道芸よ。下品で取るに足らないわ」と彼らの音楽をこき下ろすのでした。

その夜、蘇若非は手首に痛みを感じていましたが、雲沐(うんもく) に心配をかけまいと平気なふりをします。そんな中、雲沐(うんもく) は優しく蘇若非をダンスに誘い、二人は見つめ合いながら甘いキスを交わすのでした。この二人のシーンは本当に美しいですよね。

暴かれた蘇若珊の出自と、雲尚(うんしょう)(うんしょう)の衝撃的な告白

一方、苛立ちが収まらない蘇若珊は雲尚(うんしょう)(うんしょう)(うんしょう)の元へ。「蘇若非をきちんと始末しないから、こんなことになったじゃない!」と彼を責め立てます。雲尚は「阿金(アージン)が確かに彼女の手首を傷つけたはずだが、まだ足りなかったようだ」と、再び蘇若非を害そうとしますが、蘇若珊はそれを制止。「今は彼女より、雲沐をどうにかする方が先よ」と、ターゲットの変更を指示します。

そんな中、ある事件が起こります。蘇若非を陥れたいと思っていた楽人たちが、猴儿(ホウアー)をそそのかし、蘇若珊の秘密を聞き出すことに成功。なんと、彼女が高貴な家柄ではなく、「車夫の娘」であることが暴露されてしまったのです!

この事実は瞬く間に幻楽坊中に広まり、蘇若珊は「偽物のお嬢様」と皆から嘲笑され、完全に孤立してしまいます。しかし、その時、彼女の前に立ちはだかり、庇ったのが雲尚でした。

二人きりになった後、雲尚は衝撃の事実を告白します。彼は、蘇若珊が琴房に火を放ったことも、彼女の出自のことも、すべて最初から知っていたのです。「君が僕を利用していることも知っている。それでも構わない。君のそばにいられるなら」と、盲目的で純粋な愛を伝える雲尚。彼のまっすぐな言葉に、さすがの蘇若珊も心を動かされ、涙を流して彼にキスをするのでした。そして、「雲沐様を好きになったことなんて一度もないわ」と告げるのです。

姉妹の決別、そして新たな希望の光

蘇若珊の出自を漏らしてしまった猴儿は、袋叩きに遭ってしまいます。しかし、そこへ一本の飛び道具が飛んできて彼を救います。靳商羽(きんしょうう)は、それが元相棒である黄鶯(こうおう)のものだと気づくのでした。

その夜、蘇若非は蘇若珊の部屋を訪れます。そして、亡くなった阿標(あひょう)のための「送葬曲」を吹き、「次に私の仲間に手を出したら、この曲はあなたのために吹くことになる」と、冷たく言い放ちます。ここに、姉妹の絆は完全に断ち切られました。

しかし、蘇若非に新たな光が差します。再び路上ライブを行っていると、なんとあの高名な瑤山(ヤオシャン)夫人が彼女の演奏に目を留めたのです!夫人は蘇若非の才能を絶賛し、自ら「九如盛宴」への招待状を手渡します。ただ、夫人は蘇若非の演奏にわずかな乱れがあることにも気づいていました。それは手首の怪我が原因でしたが、蘇若非はなんとかごまかします。

雲沐も彼女の不調に気づき、すぐに御医に診せることに。幸い、治療とマッサージで「九如盛宴」には間に合うとのこと。雲沐が優しく蘇若非の手首をマッサージする姿を、靳商羽(きんしょうう)が穏やかな笑みで見守るのでした。

『幻楽森林』第21話の感想

今回のエピソードは、登場人物たちの隠された一面が次々と明らかになり、物語の深みが一気に増した回でした。特に印象的だったのは、雲尚の告白シーンです。蘇若珊の悪事や素性をすべて知りながらも、利用されることさえ受け入れて彼女を愛し続ける姿は、愚かしくも純粋で、胸を打つものがありました。彼の存在が、単なる悪女に見えた蘇若珊というキャラクターに、複雑な陰影を与えています。また、蘇若非と蘇若珊の姉妹関係が「送葬曲」と共に決定的な決裂を迎えたシーンは、非常に緊張感がありました。これまで虐げられてきた蘇若非が力強く宣戦布告する姿に、今後の反撃への期待が高まります。瑤山夫人(ヨウザンふじん)という強力な後ろ盾を得たことで、物語のパワーバランスがどう変化していくのか、目が離せません。

つづく