九如盛宴を目前に控え、蘇若非(そじゃくひ)は姉・若珊の策略により演奏家として絶体絶命の危機に陥る。時を同じくして、雲沐(うんもく) が聴力を失っているという噂が広まり、領主(りょうしゅ)としての資質を問われる事態に。敵である雲尚(うんしょう)(うんしょう)や若珊が仕掛ける巧妙な罠に対し、雲沐と蘇若非は手を取り合って立ち向かう。果たして二人は、最大の舞台である九如盛宴で、自らの力を証明し、迫りくる陰謀を打ち破ることができるのか。二人の絆と機転が試される、緊迫の回。
「幻楽森林」あらすじネタバレ22話
いやはや、今回の『幻楽森林』第22話は、まさに手に汗握る展開でしたね!姉・蘇若珊(そじゃくさん)の執拗な嫌がらせと、それを見事に覆す蘇若非(そじゃくひ)の鮮やかな逆転劇には、思わず「お見事!」と声を上げてしまいました。
物語は、蘇若珊が妹の蘇若非が九如盛宴への招待状を手に入れたと聞き、嫉妬に燃えるところから始まります。彼女は徐昊(シュー・ハオ)と結託し、蘇若非の腕を治療している張御医を脅迫。鍼治療の際にわざとツボを誤らせ、蘇若非の腕の怪我を悪化させるという卑劣な手段に出ます。
しかし、蘇若非の症状が悪化する一方なのを不審に思った雲沐(うんもく) が、全御医を集めての診察を要求。この迅速な対応が功を奏し、悪事が露見します。捕らえられた張御医は、徐昊の背後にいる人物(もちろん若珊です)に脅されていたことを白状。蘇若非の腕は治療可能であるものの、完治には時間がかかり、このままでは盛宴に間に合わないという絶体絶命の状況に…。
さらに若珊の策略は続きます。彼女は雲沐が聴力を失っているという噂を流し、領主(りょうしゅ)の座から引きずり下ろそうと画策。領主たちが集まる宴席で、雲沐は聴力のテストをされることになります。しかし、ここでも雲沐と蘇若非の絆が光ります。蘇若非が手鈴で密かに情報を伝え、雲沐はまるで聞こえているかのように完璧に応答。顔をベールで覆った城主の質問にも、わざと間違えて演奏された琵琶の曲の批評にも、淀みなく答えてみせ、その場を切り抜けるのです。
そして迎えた運命の九如盛宴。若珊率いる緑光楽坊と、蘇若非率いる幻楽坊が、名曲『凱旋歌』で競演します。蘇若非が腕をかばうような仕草を見せるのを見て、若珊は勝利を確信し、ほくそ笑みます。
しかし、ここからが蘇若非の真骨頂!彼女は履物を脱ぎ、なんと足首につけた「足鈴」を使って、踊りながら『凱旋歌』の後半パートを奏で始めたのです!その音色は力強く、情熱的で、黄鶯(こうおう)の琵琶、そして靳商羽(きんしょうう)と雲沐の演奏も加わり、まるで万馬が戦場を駆け巡るかのような壮大な気迫を会場に響かせました。
予想だにしなかったパフォーマンスに、領主たちも観客も心を奪われ、手拍子で演奏に参加し始めます。会場が一体となる熱狂の中、若珊はただテーブルを爪で引っ掻き、悔しさに震えるしかありませんでした。蘇若非の演奏は、この曲が持つ「国泰民安」への願いを完璧に表現し、満場の大喝采を浴びるのでした。
『幻楽森林』第22話の感想
今回の見どころは、なんといっても蘇若非の鮮やかな逆転劇でしょう。姉の若珊による執拗な妨害工作で、誰もが彼女の演奏家生命は終わったと思ったはず。しかし、逆境を逆手に取り、足鈴で見事に『凱旋歌』を表現した場面は圧巻でした。雲沐との連携プレーも息ぴったりで、二人の絆の深さを改めて感じさせます。悪役がやり込められる展開は見ていて爽快ですが、単なる勧善懲悪に終わらないのがこのドラマの魅力。若珊の焦燥や嫉妬といった人間臭い感情も丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。音楽の力を通じて、困難を乗り越え、人心を掴んでいく主人公たちの姿に、強く心を打たれた回でした。
つづく