雲沐(うんもく) の「耳」となることを決意した蘇若非(そじゃくひ)は、昼夜を問わず手鈴密語の習得に励む。二人の距離は急速に縮まるが、その親密な関係は、蘇若非を案じる靳商羽(きんしょうう)との間に深い溝を生んでしまう。雲沐は蘇若非への独占欲を隠さなくなり、三人の関係は緊迫していく。 一方、蘇若非の姉・若珊は、来る琴会で雲沐の心を得ようと画策していた。それぞれの思惑が渦巻く中、琴会当日を迎える。音楽が人と人との心を通わせるその場所で、蘇若非と雲沐、そして彼らを取り巻く人々の運命が大きく動き出す。
「幻楽森林」あらすじネタバレ8話
ついに雲沐(うんもく) の「耳」になることを決意した蘇若非(そじゃくひ)。雲沐(うんもく) 様も彼女の覚悟を認め、忠誠を信じることにしたみたい。前回、蘇若非(そじゃくひ)の首に刀を当てた小七(しょうしち)を「やりすぎだ!」と叱って、最高級の傷薬を持ってこさせるなんて、もうすっかり蘇若非(そじゃくひ)にメロメロじゃないですか(笑)。
それからの蘇若非は、まるで別人のよう。食事中も寝ている時も、手鈴密語の練習に没頭する毎日。その健気な姿に、あの雲沐(うんもく) 様も「俺の魅力にやられたか?」なんて、ちょっと自意識過剰な勘違いをしちゃうのが可愛いところ。
ある朝、蘇若非の首の傷に薬を塗りながら、傷跡を隠すために蝶の絵を描いてあげる雲沐様。そこに現れたのが、我らが靳商羽(きんしょうう)!二人が一つ屋根の下、しかも朝からそんな親密な様子を見せられたら、そりゃ怒りますよね。「蘇若非の評判が傷つくだろう!」と剣幕の靳商羽(きんしょうう)に、雲沐様は「俺の女に手を出すな」とばかりに彼を追い返し、今後蘇若非に会うことを禁じる命令まで出しちゃう始末。雲沐様の独占欲、ダダ漏れです!
一方、蘇若非の姉・蘇若珊(そじゃくさん)は、雲尚(うんしょう)(うんしょう)(うんしょう)から豪華な衣装や馬車を贈られ、着々と準備を進めています。彼女の狙いは、来る琴会で雲沐様と曲を合わせること。自分が「碧玉少女」であることをアピールする絶好の機会ですもんね。野心メラメラです。
靳商羽(きんしょうう)はそれでも蘇若非を心配して「ここから連れ出したい」と説得しますが、蘇若非の答えは「ノー」。彼女はただ守られるだけじゃなく、「大楽正になって、才能ある楽師たちが正当に評価される世の中にしたい」という大きな目標を見つけていたんです。これには靳商羽も、彼女の意志を尊重し、応援することを決めます。切ないけど、いい男だ…!
さて、雲沐様は蘇若非との手鈴の練習で、目隠しをしながら彼女の合図で的を射るという高度な技を披露。百発百中だったのに、最後の最後、わざと蘇若非のいる方向へ矢を放つんです!もちろん、また靳商羽が蘇若非に会いに来ていたことへの、子どもじみた嫉妬から。こ、怖すぎますよ雲沐様!
そして運命の琴会当日。雲沐様は「碧玉少女への恩返し」と称して、蘇若非を連れて会場へ。それを見た若珊の心中は、嫉妬の嵐が吹き荒れていたことでしょう。
会場で蘇若非は、この会が音楽を通して心を通わせる「以曲会友」の場だと知ります。姉が雲沐を招いたのも、雲沐がここへ来たのも、互いに「知音(魂の友)」を探すためだったのかと気づくんですね。
会が進み、若珊が奏で始めたのは、かつて蘇若非が大好きだった「瑤山夫人(ヨウザンふじん)の曲」。そのメロディーを聴いた蘇若非は、雲沐の好奇心を満たすため、そして自分自身の想いを乗せるように、その曲を手鈴で奏でます。その音色を聴いた雲沐は、ハッと気づくのです。若珊が「碧玉少女の曲」を自分に聴かせようとしている、ということに…!
物語が大きく動き出した第8話。それぞれの想いが複雑に絡み合い、ますます目が離せません!
『幻楽森林』第8話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちの内面が深く掘り下げられ、物語に一層の厚みが増した回でした。特に印象的だったのは、雲沐のキャラクターの多面性です。これまで冷静沈着で、どこか人間離れした印象さえあった彼が、蘇若非のこととなると嫉妬心をむき出しにし、子供っぽい意地を張る姿は非常に人間味にあふれていました。蘇若非にわざと矢を向けるシーンは、彼の独占欲の強さと危うさを示しており、今後の二人の関係に一抹の不安を覚えさせます。
また、これまで守られる存在だった蘇若非が、「大楽正になる」という明確な目標を掲げ、自らの意志で困難な道を選び取る姿には胸を打たれました。彼女の成長が、物語の新たな推進力となっていることを感じます。一方で、蘇若非を想いながらも彼女の決断を支持する靳商羽の切なさや、策略を巡らす若珊の執念も巧みに描かれており、四角関係の行方がますます気になるところです。音楽が心をつなぐ一方で、嫉妬や誤解を生むきっかけにもなるという皮肉な展開が、物語をより一層面白くしています。
つづく