優雅な宴の席で、蘇若非(そじゃくひ)が披露した箜篌(くご)の演奏が、予期せぬ事故を引き起こす。人々の注目を集める中、彼女は水に転落。この出来事をきっかけに、彼女を想う雲沐(うんもく) と靳商羽(きんしょうう)の関係、そして蘇若非(そじゃくひ)自身の心にも大きな変化が訪れる。一方で、この事故の裏にはある人物の思惑が隠されていた。さらに、雨の夜、ある登場人物の悲しい過去とその深い絆が明らかになる。それぞれの恋心と秘密が交錯し、物語は新たな局面へと動き出す。

「幻楽森林」あらすじネタバレ9話

物語は、優雅な宴の席から始まります。蘇若珊(そじゃくさん)が奏でる箜篌(くご)の美しい音色が響き渡りますが、彼女の本当の狙いは雲沐(うんもく) の気を引くこと。しかし、彼女が想いを託して小舟で流した箜篌は、間の悪いことに雲尚(うんしょう)(うんしょう)(うんしょう)の手に渡ってしまい、若珊は内心で悪態をつくのでした。

そんな中、雲沐(うんもく) はあえて蘇若非(そじゃくひ)を挑発し、彼女に演奏させようとします。彼の巧みな言葉に乗り、蘇若非(そじゃくひ)は見事な演奏を披露。その音色に心惹かれた雲沐と靳商羽(きんしょうう)が彼女に応えようと歩み出た、その時でした。二人の人気ぶりに集まった野次馬に押され、蘇若非が水の中に転落してしまいます!

すぐさま彼女を助けようと飛び込む雲沐。しかし、運悪く壊れかけていた手すりが彼の肩を直撃し、二人とも水中に沈んでしまいます。なんとか助け出されたものの、蘇若非は自分を抱きかかえてくれた商羽を振り払い、雲沐の元へ駆け寄ります。彼の耳が聞こえないかもしれない、という不安が彼女を突き動かしたのです。

この一件で、二人の距離は急接近。蘇若非は自責の念に駆られながら、雲沐の傷の手当てをします。薬を塗るうちに、二人の間には甘く切ない空気が流れ、雲沐は思わず彼女にキスをしようと顔を近づけますが…。蘇若非が咄嗟に身を引いたことで、二人は気まずさの中に、お互いへの特別な感情をはっきりと意識するのでした。

その裏では、様々な思惑が渦巻いていました。若珊は手すりの異常に気づきながら黙っていた自分を責めつつも、野心のために心を鬼にしようと決意を固めます。一方、商羽は蘇若非の心が雲沐にあると悟り、雨の中で一人傷心に暮れるのでした。そんな彼に、黄鶯(こうおう)が傘もささずに寄り添います。雷に怯えながらも健気にそばを離れない彼女を、商羽は放っておけず、部屋へ運び介抱します。そこで明かされる、二人の過去。天災で家族を失い「災いの星」と蔑まれた黄鶯を、商羽が救ったあの日から、二人の間には固い絆が結ばれていたのです。

それぞれの恋と痛みが交錯する雨の夜。物語は、より一層複雑で切ない人間模様を描き出していきます。

『幻楽森林』第9話の感想

今回の第9話は、主要人物たちの感情が大きく揺れ動き、物語の奥行きが一気に増した回でした。特に、雲沐と蘇若非の関係性の変化には、思わず息をのみました。水に落ちた蘇若非を助けようとする雲沐の姿、そして彼の身を案じて駆け寄る蘇若非の姿から、二人の間に芽生えつつある強い絆が感じられます。怪我の手当てをするシーンの、あの甘酸っぱくて気まずい雰囲気は、見ているこちらの心臓まで高鳴らせるほどでした。一方で、靳商羽(きんしょうう)と黄鶯の切ない関係にも胸を打たれました。蘇若非への想いに破れ傷つく商羽と、彼を一途に支える黄鶯。過去の回想シーンによって二人の絆の深さが描かれたことで、この四角関係がより切実なものとして胸に迫ってきます。また、雲沐の聴覚に関する伏線や、野心を燃やすそじゃくさんの暗躍など、サスペンス要素も絡み合い、今後の展開から目が離せません。各キャラクターの心情が丁寧に描かれ、物語の解像度が格段に上がった、非常に見ごたえのあるエピソードだったと感じます。

つづく