周魏(ジョウ・ウェイ)の勢力が一掃され、雲蔚(うんうつ)山荘に平穏が戻ったのも束の間、荘主の跡継ぎを巡る新たな火種が生まれる。荘主は新しい人材を登用するための試験を行うことを発表。これまで控えめだった安景凌(アン・ジンリン) は、李初月(リー・チューユエ)の励ましを受け、兄・安景昭(アン・ジンジャオ)に対抗心を燃やし始める。初月は持ち前の明るさと現代知識で落ち込む景凌を助けるが、その優しさが兄弟の間にあった見えざる壁を崩し、思わぬ方向へと物語を導いていく。母の策略も絡み合い、兄弟の絆に不穏な影が忍び寄る。

「花渓記~君が空から舞い降りて~」あらすじネタバレ19話

いやはや、今回の19話は兄弟の間に走る亀裂がハッキリと見えてきて、なんとも言えない気持ちになりましたね…。初月を巡る恋心と、荘主の跡継ぎ問題が複雑に絡み合って、物語が一気に不穏な空気に包まれました。それでは早速、ハラハラドキドキの19話の展開を振り返っていきましょう!

絶体絶命の初月、起死回生のハッタリ炸裂!

物語は、周魏(ジョウ・ウェイ)に捕らえられた初月(リー・チューユエ)の救出劇から始まります。安景昭(アン・ジンジャオ)は周魏(ジョウ・ウェイ)を追い詰めますが、「俺を殺せば、初月も辰の刻に死ぬ」と脅され、手が出せません。初月の居場所を聞き出し、急いで駆けつけます。

一方、処刑の時が迫る初月。侍衛が刀を研ぎ始め、まさに絶体絶命!しかし、ここで我らが初月が黙っているはずがありません。「私を殺したら、あなたも助からないわよ。とっくに毒を盛ってあるんだから。信じられないなら、自分の手のひらを見てみなさい!」と、まさかの大ハッタリ!侍衛はまんまと騙され、自分の命可愛さに初月を解放。そこに景昭が颯爽と駆けつけ、無事に救出成功!

後で「いつ毒術なんて覚えたんだ?」と聞く景昭に、「あなたの手のひらが黒ずんで見えたから、カマをかけてみただけ」と笑う初月。その機転と度胸、本当に天晴れですよね!

兄弟の亀裂、その始まりは騎射大会

雲蔚(うんうつ)山荘に平穏が戻り、荘主・安成虎(アン・チョンフー)は景昭に当面の間の庄の管理を任せ、新たな人材登用のための試験を行うと発表します。

初月に励まされた安景凌(アン・ジンリン) は、兄・景昭に対抗するように、これまで苦手としていた騎射の試験に参加します。しかし、ここで悲劇が。景凌はまさかの落馬、それを助けようとした景昭も一緒に馬から落ちて怪我を負ってしまいます。

これに父である荘主が激怒。「できないくせに出しゃばるからだ!景昭まで巻き込んで!」と景凌を厳しく叱責します。見かねた初月は「人の才能はそれぞれです。景凌様の書画の才能は誰にも真似できません。多様な人材こそが、山荘を豊かにするのでは?」と見事に反論。初月の言葉は、落ち込む景凌の心を少し軽くしたことでしょう。

初月の優しさが、景凌の心を狂わせる

初月は一人で景凌の見舞いへ。景凌は慌てて描きかけの初月の肖像画を隠します。初月は彼の絵を「すごく味があって素敵よ。私の故郷だったら、あなたみたいな人はモテモテよ」と心から褒め称えます。

さらに、初月は複雑な帳簿の付け方に苦労している景凌に、現代式の簡単な計算方法を教えます。この「誰も知らない知識」を持つ初月に、景凌はますます惹かれていくのでした。新しい計算方法のおかげで、景凌は帳簿の試験で見事な成績を収め、父にも認められ、景昭の補佐を命じられます。

しかし、この初月の優しさが、悲劇の引き金となってしまうのです…。

母の囁き、そして闇に堕ちる弟

景凌が母を訪ねると、母は「周魏の末路がお前の未来よ。あの者たち(景昭たち)は、お前を心から受け入れたりしない」「馬場での事故は偶然じゃない。景昭の仕業だよ」と、恐ろしい嘘を吹き込みます。

母の言葉を信じ込んだ景凌は、景昭が自分を陥れて父の前で良い格好をしたのだと思い込み、憎しみを募らせます。そして、初月と景昭が親しげに話しているのを見てしまい、彼の心はついに壊れてしまいました。

「偽善者め…僕のものを奪いおって…!もう我慢しない。必ず初月を手に入れてみせる!」

そう決意した景凌は、母が差し出した謎の小箱を受け取ります。すべては、景凌が景昭の影で終わることを良しとしない、母の仕組んだ陰謀だったのでした。

『花渓記~君が空から舞い降りて~』第19話の感想

今回は、これまで兄弟として良好な関係を築いていた安景昭(アン・ジンジャオ)と安景凌(アン・ジンリン) の間に、決定的な亀裂が生じる重要な回でした。景凌の兄に対する劣等感や、父に認められたいという純粋な願いを、母親が巧みに利用して憎しみへと転化させていく様は、見ていて非常に心が痛みました。初月の天真爛漫な優しさが、知らず知らずのうちに景凌の心を掴み、結果的に兄弟の対立を煽ってしまうという皮肉な展開も見事です。穏やかで心優しい景凌が、嫉妬と憎しみに囚われていく姿は、彼の純粋さを知っているだけに切なく感じられます。物語に深みと緊張感が一気に増し、今後の展開から目が離せなくなりました。

つづく