景昭(ジンジャオ)との仲直りを試みる初月(チューユエ)だったが、彼女の体には大きな秘密が隠されていた。一方、弟・初陽(チューヤン)の安全のため、彼を元の世界へ帰す辛い決断をするが、その動きを景凌(ジンリン)に察知されてしまう。景昭が命がけの治療に臨む中、景凌の歪んだ愛情が暴走し、ついに初月を連れ去るという凶行に及ぶ。愛する人を守るためのそれぞれの戦いが、物語を新たな局面へと導いていく。
「花渓記~君が空から舞い降りて~」あらすじネタバレ27話
やきもきさせられた前回のラストから一転、今回は景昭(ジンジャオ)と初月(チューユエ)の仲直りから始まるかと思いきや…!? いやいや、そんな単純にはいきませんよね! 一難去ってまた一難、息もつかせぬ展開が待ち受けていました。それでは早速、第27話の世界に飛び込んでみましょう!
美人計で仲直り?…のはずが!
景昭の怒りを解こうと、必死で謝る初月。「許してくれないと、私、食いしん坊の『饞』に改名しちゃうかも!」なんて冗談めかして許しを請う姿が健気で可愛い! 景昭もまんざらでもない様子ですが、素直に許せないのが彼のツンデレなところ。
ここで初月、弟の初陽(チューヤン)から授けられた(?)美人計を発動! 景昭に甘えて「キスしてくれたら治るのに…」と咳き込みながら迫ります。これにはさすがの景昭もタジタジで、思わず部屋を飛び出してしまいました。「こんなの耐えられるか!」と悶える景昭、可愛すぎますよね!
しかし、この咳がただの風邪ではないことに景昭は気づいてしまいます。問い詰められた初月は、霊草を自分の体温で温めていたことを白状。自分の身を犠牲にしてまで尽くす初月の姿に、景昭は心を締め付けられるのでした。
さよなら初陽、そして忍び寄る影
上虞に危険が迫っていると察した初月は、弟の初陽を元の世界に帰すという辛い決断をします。仲間たちとの別れを惜しみながらも、初陽は東華(ドンホワ) に見送られて姿を消しました。
しかし、この一部始終を景凌(ジンリン)が監視していたのです! 初陽が部屋から一歩も出ずに消えたことから、彼はベッドが二つの世界を繋ぐ通路であることを見抜いてしまいました。この発見が、後の悲劇の引き金となるなんて…。
命がけの治療と、狂気の愛
景昭の体は再び寒気に蝕まれ、玄冥(シュエンミン)長老による命がけの治療が始まります。それは、体内の寒気を強制的に排出するという非常に危険な賭けでした。
その頃、景昭の治療の情報を聞きつけた景凌が乗り込んできます! 景昭を守るため、初月は自らがおとりとなることを決意。「なぜ谷主を殺したの!」「あなたはもう私の弟じゃない、ただの仇よ!」と景凌に叫び、彼らの注意を自分に引きつけます。しかし、その想いも虚しく、初月は怒りに燃える景凌によって力ずくで連れ去られてしまうのでした。
捕らえられた初月に対し、景凌は歪んだ愛情をぶつけます。景昭の絵姿を見せてご機嫌を取ろうとしたり、「君を愛していることに何の間違いがある?」と問い詰めたり…。そんな中、初月は寒気の発作で倒れてしまいます。
医者から、初月が寒気に侵されていると聞いた景凌は、なんと自分の内力を彼女に注ぎ込み、命を救おうとします。自分の命が削られることも厭わないその姿は、一途ではありますが、あまりにも自己中心的で狂気じみています。
意識を取り戻した初月は「その内力を返して。そして私を自由にして」と懇願しますが、景凌は聞き入れません。「死んでも景昭を諦めない」という初月の強い意志に、景凌は激昂。
さらに、景凌が解放した彼の母親まで現れ、初月に結婚を迫ります。初月が拒否すると、なんと匕首で彼女を殺害しようとするのです! そこへ駆けつけた景凌が母を制止。「今は誰も初月を傷つけることは許さない」と叫ぶ彼の瞳には、一体何が映っていたのでしょうか。
一方、目覚めた景昭は初月が連れ去られたことを知り、助けに向かおうとしますが、まだ万全ではない体では東華(ドンホワ) たちに止められるしかありませんでした。愛する二人は、再び引き裂かれてしまったのです。
『花渓記~君が空から舞い降りて~』第27話の感想
今回は景凌の愛情の歪みと狂気が際立つ回でした。初月を救うために自らの内力を注ぎ込むほどの献身を見せながらも、その方法は彼女の心を完全に無視した支配欲に満ちています。彼の行動は「愛」と呼ぶにはあまりにも一方的で、見ているこちらの胸が苦しくなりました。彼が母親から初月を守ったシーンでは、彼の心の内にわずかな良心や葛藤があるのかもしれないと感じさせられましたが、それもまた彼の複雑さを物語っているようです。一方で、命がけの治療に臨む景昭と、彼を救うために自らを犠牲にする初月の深い絆も描かれ、二人の純粋な想いが、景凌の歪んだ愛情との対比でより一層際立っていました。それぞれのキャラクターが抱える痛みや覚悟が交錯し、物語に深みと緊張感を与えた一話だったと思います。
つづく