自分の本当の出自を知った袁今夏(えんきんか)は、一族の仇討ちを心に誓う。その事実は、陸繹(りくえき) との関係に暗い影を落とし始める。今夏は、陸繹が夏家の事件に間接的に関わっていたことをまだ知らない。一方、今夏を守るため、そして一族の罪を償うため、陸繹は苦渋の決断を下す。今夏に想いを伝えようとする彼女に対し、陸繹はこれまでにない冷たい態度で突き放してしまう。二人の間に、深く悲しい溝が生まれてしまうのだった。

「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ48話

いやあ、ついに来てしまいましたね…。これまで数々の困難を乗り越え、甘い時間も過ごしてきた陸繹(りくえき) 。二人の幸せを願っていた視聴者にとっては、あまりにも残酷な運命が牙をむく第48話。今回は涙なしでは見られない、胸が張り裂けるような展開が待っています。

身分判明、愛が憎しみに変わる時

物語は、今夏の叔母である林菱(りんりょう)が、陸繹(りくえき) からの求婚を今夏の師匠・楊程万(ようせいばん)に報告する場面から始まります。しかし、楊程万の表情は曇るばかり。彼が懸念していたのは、今夏の本当の出自でした。

その頃、今夏はついに陸繹(りくえき) 本人に、自分がかつて朝廷を追われた夏然(かぜん)の孫娘であることを打ち明けます。一族は厳家によって皆殺しにされ、祖父は罪人として汚名を着せられた。涙ながらに一族の無念を晴らすことを誓う今夏。彼女の言葉を、陸繹はただ静かに、しかし内心では激しく動揺しながら受け止めます。なぜなら、その夏家の悲劇に、他ならぬ陸繹の父・陸廷(りくてい)が関わっていたからです。愛する人が、家の仇の娘だった―。この重すぎる事実に、陸繹は言葉を失います。

友である道士の藍青玄(らんせいげん)にだけ、陸繹は苦しい胸の内を明かします。父・陸廷(りくてい)はかつて夏然に助けられた恩がありながら、厳嵩(げんすう)に加担して夏家を陥れるきっかけを作ってしまった。この事実を今夏が知れば、二人の関係は修復不可能になる。彼女の真っ直ぐな性格を誰よりも知る陸繹は、彼女が自分を恨むのではなく、愛と憎しみの間で苦しむことを恐れたのです。

冷たい言葉と、捨てられた手巾

そんな陸繹の葛藤を知らない今夏は、彼への想いを込めて「夏」の字を刺繍した手巾を縫い、幸せな未来を夢見ていました。しかし、彼女を守るために、陸繹は非情な決断を下します。自らこの恋を終わらせることを。

数日後、陸繹に会えない寂しさを募らせた今夏は、北鎮撫司を訪ね、心を込めて作った手巾を差し出します。しかし、返ってきたのは氷のように冷たい言葉でした。

「陸家は清廉潔白な家柄。お前の身分は陸家の恥になる!」

信じられない言葉に、今夏は凍りつきます。「生涯、私だけを娶ると言ったのに…」と震える声で問い詰める彼女に背を向け、陸繹は無情にもその場を去ります。絶望した今夏は手巾を地面に投げつけ、泣きながら走り去るのでした。

その背中を、陸繹はどんな想いで見つめていたのでしょうか。彼は今夏が去った後、静かに地面に落ちた手巾を拾い上げ、握りしめます。その表情には、愛する人を自らの手で傷つけた深い痛みが刻まれていました。

一方、傷ついた今夏は酒場に駆け込み、やけ酒をあおります。兄代わりの楊岳(ようがく) に背負われながら、「もう“大人(たいじん)”はいない…」と泣きじゃくる姿は、見ているこちらの胸も締め付けられます。

二人の悲しいすれ違いの裏では、宿敵・厳世蕃(げんせいはん)が今夏の正体を突き止めていました。陸繹と今夏の運命は、これからさらに過酷な渦の中へと巻き込まれていくのです。

『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第48話の感想

これまで積み上げてきた二人の絆が、あまりにも残酷な宿命によって引き裂かれる、非常に重く、そして悲しい回でした。愛しているからこそ、相手を守るために自ら悪者となり、最も深く傷つける言葉を投げつけなければならない。陸繹の選択は、悲痛としか言いようがありません。彼の冷たい態度の裏にある、今夏への深い愛情を思うと、やりきれない気持ちになります。

一方で、何も知らずに純粋な想いをぶつけ、そして粉々に打ち砕かれてしまう今夏の姿もまた、見ていて辛いものがありました。彼女の天真爛漫な明るさが、この悲劇をより一層際立たせています。幸せの絶頂から絶望の淵へ。二人が過ごした幸せな日々を思い返すほど、この回のすれ違いは胸に深く突き刺さります。物語が大きく動く重要な転換点であり、二人の未来に待ち受けるさらなる試練を予感させる、忘れられないエピソードとなりました。

つづく