第10話「ゆっくりでいい」あらすじとネタバレ

未来を誓う二人、しかし忍び寄る影

別れる勇気をくれたジャオ・ジンに、ヌオは感謝の気持ちを伝えます。「ずっと先の未来になるかもしれないけど、あなたの元に戻るから待っていて欲しい」と。そんな彼女の切実な願いを、ジャオ・ジンは優しく受け止め、「どんなに長くても待つ」と固く約束するのでした。

しかし、幸せな約束を交わした直後、早くも暗雲が立ち込めます。ジャオ・ジンがユーアンの車に乗っている時に、タイミング悪くヌオから電話が。ジャオ・ジンはとっさに、相手がヌオであることをユーアンに隠してしまいます。後でそのことを知ったヌオは、「どうして正直に言ってくれなかったの?」とジャオ・ジンを問い詰めますが、彼は「できなかったんだ」と苦しそうに答えるしかありませんでした。この小さな嘘が、二人の関係の危うさを象徴しているかのようでした。

深まる疑念と友人たちの心配

一方、ユーアンの疑念は確信に変わりつつありました。彼は同僚を呼び出し、以前ヌオの家の飾り付けを手伝ったジャオ・ジンの行動について、改めて探りを入れます。同僚は「あの日は他の友人もいたし、ジャオ・ジンがそんなことをするはずがない」と否定しますが、ユーアンの疑いは晴れません。

この話は友人たちにも伝わります。ジャオ・ジンの友人たちは、「なぜよりによって友人の恋人なんだ」と彼の行動を諌めようとします。しかしジャオ・ジンは、今はヌオが一番辛い時期だからプレッシャーをかけたくないと、関係をはっきりさせようとはしません。

ヌオの親友であるツォン・シャンもまた、彼女の身を案じていました。ジャオ・ジンとの未来を夢見て幸せに浸るヌオに、「ユーアンがあなたたちの関係を疑い始めている。今が一番危険な時よ」と忠告するのでした。

すれ違い、決裂する想い

けじめをつけるため、ヌオはユーアンを呼び出します。しかし、ユーアンはまたしても「接待だ」というお決まりの言い訳で約束をすっぽかします。何度も裏切られ、怒りと悲しみでいっぱいになったヌオは、電話口で改めて別れを告げますが、ユーアンは頑として受け入れません。

どうしようもない虚しさを抱えたヌオは、無意識のうちにジャオ・ジンのアパートの前まで来ていました。ちょうどそこにいた友人たちと鉢合わせし、ジャオ・ジンと再会。二人はつかの間の安らぎを求めて、一緒に食事に出かけます。

その頃、ツォン・シャンの元を訪れていたシュー・ヤン。二人がヌオとジャオ・ジンの関係について話していると、そこへ食事を終えたジャオ・ジンとヌオが帰ってきます。気まずい空気が流れる4人。それぞれの想いが交錯し、事態はますます複雑になっていきます。

翌日、ヌオは最後の話し合いのためにユーアンと会います。しかし、彼女がどれだけ別れたいと訴えても、ユーアンは全く聞く耳を持ちません。それどころか、「父さんに会わせる」と言い出し、力ずくで関係を続けようとするのでした。

『愛しているのに』第10話の感想

今回のエピソードは、ヌオとジャオ・ジンが交わした「待っていて」という約束が、いかに脆く、危険なものかを浮き彫りにした回だったと感じました。二人がささやかな幸せを噛みしめる一方で、ユーアンの疑念や友人たちの忠告という形で、厳しい現実がすぐそこまで迫っている様子が巧みに描かれています。ヌオがジャオ・ジンに「他の人と付き合わないで」と願う姿は、一見するとわがままに見えるかもしれません。しかし、ユーアンとの関係で深く傷つき、唯一の心の拠り所であるジャオ・ジンを失いたくないという、彼女の必死さの表れなのでしょう。そして、そんな彼女を丸ごと受け止めようとするジャオ・ジンの愛情の深さにも胸を打たれました。各キャラクターの感情が丁寧に描かれており、物語に一層の深みを与えています。登場人物たちの選択が、今後どのような波紋を広げるのか、じっくりと見守りたいと思います。

つづく