周子舒(ジョウ・ズーシュー)は溫客行(ウェン・コーシン)と張成嶺(ジャン・チョンリン) を連れ、ついに故郷の四季山荘へ帰還する。しかし、美しい思い出の場所は見る影もなく荒れ果てていた。感傷に浸る周子舒を、溫客行(ウェン・コーシン)たちは懸命に支えようとする。一方、江湖では趙敬(ジャオ・ジン) の策略により、溫客行(ウェン・コーシン)の正体に関する衝撃的な噂が広まり始めていた。穏やかな山荘での時間の中、周子舒と溫客行(ウェン・コーシン)は、それぞれが抱える過去の悪夢と罪に向き合うことになる。二人の絆が試される時が、静かに近づいていた。
「山河令」あらすじネタバレ24話
ついに周子舒(ジョウ・ズーシュー)の故郷、四季山荘にたどり着いた溫客行(ウェン・コーシン)と張成嶺(ジャン・チョンリン)。目の前に広がる美しい花々と鳥のさえずりに、溫客行(ウェン・コーシン)は思わず心を奪われます。しかし、希望に満ちて開かれた山荘の門の先は、雑草が生い茂り、見るも無残に荒れ果てた光景が広がっていました…。
変わり果てた故郷を前に、言葉を失う周子舒(ジョウ・ズーシュー)。その胸中を察した溫客行と成嶺は、必ず元の姿に戻そうと力強く約束します。かつて師匠や仲間たちと語り合った議事の大広間は蜘蛛の巣だらけで、周子舒の脳裏には在りし日の思い出が蘇り、81人の弟子たちを死なせてしまった後悔が押し寄せます。その痛々しい姿に、溫客行と成嶺は何も聞けずにいるのでした。
その頃、清風剣派を目指す曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) は、衝撃的な場面に遭遇します。なんと、高崇(ガオ・チョン)の腹心だった祝耀之(ジュー・ヤオジー)が、清風剣派の穆思遠(ムー・スーユエン)に追い立てられていたのです。穆思遠は、溫客行こそが鬼谷の谷主であり、趙敬(ジャオ・ジン) が五湖盟に彼の手配書を回したと暴露!江湖の誰もが溫客行を狙っているという事実に、顧湘(グー・シアン)は血の気が引くのを感じます。自分の素性がバレることを恐れる顧湘に対し、曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) は君を連れて駆け落ちする。一生そばにいると誓うのでした。彼の純粋な言葉が、不安に揺れる顧湘の心を打ちます。
夜、溫客行は悪夢にうなされます。それは、幼い日に両親が鬼谷の谷主に惨殺される光景でした。必死に抵抗しようとする彼を、薄情司の羅浮夢(ルオ・フーモン)が救い出し、孟婆湯を飲んで苦しみを忘れなさいと告げる夢…。
悪夢から飛び起きた溫客行は、隣で眠る周子舒が釘の痛みで震え、師弟…とうなされていることに気づきます。すぐさま内力で彼の痛みを和らげると、意識を取り戻した周子舒は、自らの罪深い過去を静かに語り始めました。
かつて晋(ジン)王の配下天窗の首領だった頃、恩人の蒋(ジャン)大人を殺すよう命じられたこと。師弟の秦九霄(チン・ジウシャオ)が、許嫁であった蒋大人の娘を助けようとしたこと。そして自分が、彼らをだまして毒酒を飲ませ、結果的に秦九霄を死に追いやり、その許嫁も自らの手で毒殺したこと…。深い悔恨に苛まれる周子舒を、溫客行はただ静かに慰めるのでした。互いの癒えぬ傷と罪を分かち合った二人。その絆はまた一段と深まっていきます。
一方、旅を続ける葉白衣(イエ・バイイー)は、街でとんでもない噂を耳にしていました。溫客行は人殺しの鬼谷谷主だ――。趙敬(ジャオ・ジン) の名で、江湖全体に追討の号令が出ているというのです。葉白衣(イエ・バイイー)は、その情報の真偽を確かめようと動き出します…。
『山河令』第24話の感想
今回は、周子舒と溫客行、二人の主人公が抱える心の闇が深く描かれた、非常に重厚な回でした。荒れ果てた四季山荘で過去を悔やむ周子舒の姿と、悪夢によって明かされる溫客行の壮絶な出自。それぞれが背負う罪と傷の告白は、見ているこちらの胸にも深く突き刺さります。江湖では溫客行の正体が暴かれ、不穏な空気が高まる一方、山荘での二人は静かに互いの魂に寄り添います。この対比が見事でした。派手な立ち回りこそありませんが、互いの最も柔らかな部分に触れ、痛みを分かち合うことで、二人の関係性がより本質的で強固なものへと昇華していく様子が丁寧に描かれており、物語の奥行きを一層感じさせました。
つづく