悪夢から覚めた溫客行(ウェン・コーシン)は、復讐を誓う張成嶺(ジャン・チョンリン) に稽古をつける。そんな穏やかな日常の中、周子舒(ジョウ・ズーシュー)のもとに届いた一通の手紙が彼らを新たな場所へと導く。そこで周子舒の傷を癒すための大きな希望が見つかるが、時を同じくして、趙敬(ジャオ・ジン) の策略により鬼谷は江湖全体から追われる窮地に立たされていた。一方、趙敬の義理の息子である蝎王(さそりおう)は、彼の隠された過去に触れ、心に大きな疑念を抱き始める。それぞれの場所で、物語が大きく動き出す。
「山河令」あらすじネタバレ26話
穏やかな日々と、忍び寄る影
悪夢にうなされて目覚めた溫客行(ウェン・コーシン)。庭では張成嶺(ジャン・チョンリン)が熱心に稽古に励んでいた。鬼谷への復讐を誓う成嶺に、溫客行(ウェン・コーシン)が秘伝の技をそっと教える姿は、まるで本当の兄のよう。その光景を、周子舒(ジョウ・ズーシュー)は温かい眼差しで見守っていた。このまま穏やかな日々が続けばいいのに…なんて思っていたら、平安銀荘から使いがやってくる。この手紙が、新たな展開の幕開けだったんだ。
鬼谷の激震と、蝎王(さそりおう)の苦悩
その頃、江湖は揺れていた。趙敬(ジャオ・ジン) が鬼谷の谷主や十大悪鬼の名簿群鬼冊を公にしたせいで、鬼たちは追われる身となっていたんだ。無常鬼(ウーチャングイ)たちは、あまりの仕打ちに蝎王(さそりおう)へ詰め寄るけど、蝎王(さそりおう)は知らんぷり。業を煮やした鬼たちは、彼のもとを去ってしまう。
一方、溫客行(ウェン・コーシン)も密かに鬼谷の配下と接触し、自分が群鬼冊の筆頭に挙げられていることを知る。趙敬(ジャオ・ジン) の卑劣なやり方に、配下たちは溫客行に再起を促し、決戦を誓う。溫客行の心の内は、一体どうなっているんだろうね…。
周子舒(ジョウ・ズーシュー)に希望の光!頼れる旧友たち
さて、周子舒(ジョウ・ズーシュー)たちが向かった平安銀荘。そこで待っていたのは、なんと周子舒の元部下である平安(ピンアン)だった!そして、驚きの事実が判明する。葉白衣(イエ・バイイー)が周子舒の治療のために南疆まで呼びに行った七爺(チーイえ)は、なんと周子舒の旧知の仲だったんだ。彼らもかつては晋王(しんおう)に仕えていたが、王に不満を抱き、南疆へ渡っていた。葉白衣(イエ・バイイー)はそんな事情は露知らず、旧友なら話が早い!とばかりに、周子舒に帰ったら餃子を用意しておけという何とも彼らしい手紙を残して先に戻ったみたいだ。これで周子舒の傷も治るかもしれない、一筋の光が見えてきたね!
暴かれる趙敬(ジャオ・ジン) の嘘!羅浮夢(ルオ・フーモン)が語る真実
このエピソードのハイライトは、なんと言っても趙敬の過去。柳千巧(リウ・チェンチャオ)は、捕らえられた羅浮夢(ルオ・フーモン)と于丘烽(ユー・チウフォン)を助けるため、蝎王に忠誠を誓う。彼女が突き止めた孟婆湯の処方を元に、蝎王は記憶を呼び覚ます酔生夢死の香を開発。その香で7日間燻された羅浮夢(ルオ・フーモン)は、ついに正気を取り戻す。
蝎王は義父である趙敬に、羅浮夢との過去を問いただす。すると趙敬は、自分こそが被害者だと涙ながらに語り始めた。羅浮夢との祝言の日、李瑶(リー・ヤオ)に武庫の窃盗の件で脅され、やむなく彼女と結婚したこと。その後、羅浮夢が霓光宮を血で染め、自分に重傷を負わせたせいで武芸のできない体になったこと。そして、怒りのあまり李瑶を殺してしまったこと…。あまりの名演技に、蝎王も一度は信じ込んでしまう。
しかし、目覚めた羅浮夢が語った真実は、まったくの別物だった。霓光宮を滅ぼしたのは、官府と結託した趙敬本人。彼は全てを人のせいにして、自分だけがのし上がってきた卑劣な男だと暴露する。さらに、彼は戦利品を集めるのが趣味。あなたにも“真心”の証として何か特別な品を渡しているはずと蝎王の核心を突く。蝎王が肌身離さず持っている琉璃甲を思い出し、彼の心に大きな疑念が生まれる瞬間だった。
物語は冬至を目前に、葉白衣(イエ・バイイー)が帰ってくるのを待つ四季山荘のシーンで終わる。周子舒に餃子と良い酒の準備を言いつけられ、げんなりする溫客行の姿が、束の間の安らぎを感じさせたね。
『山河令』第26話の感想
今回は、各キャラクターの思惑が複雑に絡み合い、物語の深みが一気に増した回でした。特に印象的だったのは、趙敬という人間の底知れない悪意と、それに揺れる蝎王の姿です。趙敬が語る悲劇の物語は、あまりに堂に入っていて、一瞬もしかして本当なの?と思わせるほど。彼の策略家としての一面が際立っていました。
しかし、羅浮夢の覚醒によってその嘘が暴かれ始めます。義父を信じたい気持ちと、芽生えた疑念の間で揺れ動く蝎王の表情は、彼のキャラクターに人間的な厚みを与えました。一方で、周子舒には七爺と大巫という強力な助っ人が現れ、治療に希望が見えたことは素直に嬉しい展開です。光の差す周子舒サイドと、鬼谷の谷主として再び闇の中心に立たされようとしている溫客行。二人の対照的な状況が、今後の物語をどう動かしていくのか、目が離せません。
つづく