母・衛恕意(えいじょい)が側室の林噙霜(りんきんそう)から冷遇されていることに心を痛める幼い明蘭。彼女は、屋敷を訪れた父・盛纮(せいこう)に、炭や食料が足りない窮状を涙ながらに訴える。娘の訴えに激怒した盛纮は、家の中を問い詰めるが、これが盛家の女たちの間に大きな波紋を広げることに。一方、長男の盛長柏(せいちょうはく) は、友人の白燁(はくよう)といたところを襲われ、川に落ちて行方不明になってしまう。盛家の内外で起こる事件が、やがて一つの悲劇へと繋がっていく。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ2話

今回は、まだ幼いヒロイン明蘭(めいらん)の健気な行動が、ドロドロとした盛(せい)家の内情をかき乱す、ハラハラドキドキの展開でした。前回、姉の華蘭(からん)の結納品を巡る投壺の勝負で見事勝利した明蘭ですが、そのせいで母である衛恕意(えいじょい)は、ますます側室の林噙霜(りんきんそう)たちから目をつけられてしまいます。

炭がない!明蘭、父への決死の直訴

物語は、衛氏付きの侍女・小蝶(しょうちょう)が、みすぼらしい炭をマシなものに交換しに出かけるところから始まります。しかし、そこで待っていたのは他の使用人からの嘲笑。この時点で、衛氏の屋敷がいかに冷遇されているかが分かりますね。

その頃、明蘭は父・盛纮(せいこう)が会いに来てくれたことを喜びます。父の温かい腕の中、ついに明蘭は勇気を振り絞るのです。父にお茶を出すふりをして、炭が足りなくて、毎日寒いし、ご飯もろくに食べられないのと涙ながらに訴えかけました。娘の悲痛な叫びを聞いた盛纮(せいこう)は激怒!必ず何とかしてやる!と息巻いて、衛氏の部屋を飛び出していきました。

女たちの醜い争いと、濡れ衣

さて、ここからが大人の世界の醜い争いの始まりです。盛纮(せいこう)は、正妻である王若弗(おうじゃくふつ)の部屋に乗り込み、なぜ衛氏に炭を渡さないのかと問い詰めます。しかし、気の強い王氏は家事はあの林噙霜(りんきんそう)に任せている!と反論。

矛先を向けられた林噙霜(りんきんそう)は、待ってましたとばかりに涙をポロポロ。毎月ちゃんと帳簿通りに渡していますわ。それどころか、自腹で良い炭やツバメの巣まで差し上げていたのに…と、か弱い被害者を完璧に演じきります。さらに、彼女の侍女が衛さまの侍女が、何かをこっそり売りさばいていたのでは?と追い打ちをかける始末。もう真っ黒ですね!

時を同じくして、外では大事件が。盛家の長男・長柏(ちょうはく)が、友人の白燁(はくよう)と船に乗っていたところを何者かに襲われ、二人とも川に落ちて行方不明になってしまったのです。

盛家が大騒ぎになる中、林噙霜の策略はさらに続きます。なんと、衛氏の侍女・小蝶の部屋から大金が見つかったと報告させたのです。これはもちろん、林噙霜が仕組んだ罠。小蝶が炭や食料を横領して売りさばいていた、という筋書きです。

衛氏は必死に小蝶の無実を訴えますが、門番まで買収されており、小蝶が荷物を抱えて出ていくのを見たと偽りの証言をします。父に助けを求めても、明蘭の言葉は信じてもらえません。激怒した盛纮は小蝶を打ち殺すよう命じますが、衛氏がお腹の子のためにも、どうか命だけはと身を挺してかばい、全ての罪を被るのでした。結局、小蝶は盛家から追放されるだけで済みましたが、衛氏の立場はますます悪化してしまいます。

明かされる正体と、悲劇の出産

川に落ちた白燁の捜索が続く中、彼の驚くべき正体が明らかになります。彼の本名は顧廷燁(こていよう)。都でも有数の名家である寧遠侯府(ねいえんこうふ)の嫡子だったのです。身分を偽っていたのですね。その後、顧廷燁(こていよう)は亡くなったと見せかけて、祖父の葬儀に現れます。そして、母が遺した手紙を証拠に、財産を横領していた親戚たちを追い出し、見事白家の当主の座を奪還するのでした。この男、ただ者ではありません。

一方、盛家では最大の悲劇が訪れます。一連の騒動で心労がたたった衛氏は、予定より早く産気づいてしまうのです。しかし、林噙霜が手を回したせいで、腕利きの産婆は逃げ出してしまい、お湯すらまともに届きません。明蘭は必死に母を励ましますが、衰弱しきった衛氏は、お菓子を一口食べただけでもうだめだ…と涙を流すのでした。

『明蘭~才媛の春~』第2話の感想

第2話は、幼い明蘭の視点を通して、大人の世界の理不尽さと残酷さがまざまざと描かれた回でした。父に愛されたい、母を守りたいという一心で起こした明蘭の行動が、結果的に母を更なる窮地へと追い込んでしまう展開は、見ていて胸が締め付けられます。特に、寵愛を盾に嘘と涙で場を支配する林噙霜の狡猾さと、それにやすやすと騙される家長の盛纮の姿は、この時代の女性の生きづらさを象徴しているようでした。一方で、身分を偽りながらも、いざという時には知略と行動力で道を切り開く顧廷燁(こていよう)の存在が、この息苦しい物語に一筋の光を与えています。彼の豪胆な逆転劇は痛快でしたが、その裏にある孤独も垣間見えました。これから明蘭と顧廷燁、二人の運命がどう交錯していくのか、物語の序盤にして、すでに目が離せません。

つづく