父・盛纮(せいこう)が留守の間に、母・衛恕意(えいじょい)が突然産気づきます。しかし、頼りにしていた産婆は現れず、屋敷の者たちも見て見ぬふり。母の命の危機を察した幼い盛明蘭(せいめいらん)は、助けを求めて必死に屋敷を飛び出します。そこで偶然出会ったのが、気性の激しい青年・顧廷燁(こていよう)でした。彼の助けは、果たして間に合うのでしょうか。この悲しい出来事をきっかけに、盛家の権力図は大きく塗り替えられ、明蘭の運命もまた、予期せぬ方向へと導かれていきます。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ3話
前回、母である衛恕意(えいじょい)を案じて父・盛纮(せいこう)に直訴した明蘭。しかし、その行動が裏目に出て、信頼していた侍女は追い出され、母はますます孤立してしまいました。そして今回、ついにその悲劇が起こってしまいます。
絶望の夜、母との永遠の別れ
当主である盛纮(せいこう)が産気づきます。しかし、用意されていたはずの産婆は酔いつぶれて使い物にならず、もう一人は不在。すべては、衛恕意を疎ましく思う林噙霜(りんきんそう)の陰湿な策略でした。
顔から血の気を失い、最後の力を振り絞って明蘭に助けを求める母。幼い明蘭は侍女の小桃(しょうとう)と共に屋敷を駆けずり回りますが、誰も手を貸してはくれません。絶望した明蘭は、なんと屋敷の壁をよじ登り、塀の外へ!
そんな必死の形相の明蘭を偶然見かけたのが、あの顧廷燁(こていよう)でした。彼は事情を聞くと、明蘭を馬に乗せ、町一番の医者を求めて馬を走らせます。この顧廷燁(こていよう)の男気、本当にカッコいい!
しかし、時すでに遅し。顧廷燁が医者を連れて盛家に戻ったときには、衛恕意は冷たくなっていました。お腹の子もろとも、母は帰らぬ人となったのです。
死の間際、衛恕意は明蘭に何事も、生きることが一番よと言い遺します。そして、顧廷燁への感謝のしるしである膝当てと、自らが刺繍した絵を娘に託しました。母の最後の言葉を胸に、明蘭は泣き叫びながら母に別れを告げ、その場で気を失ってしまうのでした…。
陰謀渦巻く盛家、救いの手はどこに
衛恕意の死は、盛家の女たちの醜い争いをさらに加速させます。林噙霜(りんきんそう)は盛纮の前でさめざめと泣いて罪を逃れ、正室の王若弗(おうじゃくふつ)は自分の侍女が林噙霜の言いなりになっていたことを知り激怒。誰もが自分の保身しか考えていません。
そこへ、衛恕意の妹(明蘭の小姨)が駆けつけ、姉の不審な死に疑問を呈し、明蘭を引き取りたいと申し出ます。これは、盛家に対する痛烈な警告でした。
この騒動の中、ついに盛家の真の権力者、大奥様が屋敷に戻ってきます。彼女はすべてお見通し。息子の盛纮が林噙霜に甘いせいで家中の規律が乱れ、悲劇が起きたことを見抜きます。そして、林噙霜から管財権を取り上げ、王若弗(おうじゃくふつ)に戻すよう厳命。さらに、孤児となった明蘭を自分の手元で育てることを宣言するのでした。
盛纮は本当は利発な墨蘭(ぼくらん)を老太太に預けたかったようですが、老太太の慧眼と迫力には逆らえません。
物語のラスト、盛家は盛纮の栄転で都へ向かうことになります。船着き場で、明蘭は顧廷燁に母が遺した膝当てを渡します。これが、二人の運命的な縁の始まりとなるのでした。
『明蘭~才媛の春~』第3話の感想
この第3話は、物語が大きく動く、非常に重く、そして重要な回でした。衛恕意の最期は、この時代の側室という立場の女性の儚さと、母としての強さの両面を描いていて、胸が締め付けられます。何事も、生きることが一番という言葉は、これから過酷な運命を生き抜く明蘭への、母からの最後の贈り物であり、この物語全体のテーマを象徴しているように感じました。
また、幼い明蘭が絶望の中で見せる行動力と、彼女を助ける顧廷燁の颯爽とした登場は、暗い展開の中の数少ない光です。彼の存在が、これから明蘭の心の支えになっていくのだろうと予感させます。
一方で、盛家の女たちの嫉妬と権力争いの描写は、実に生々しい。特に林噙霜の計算高さと、王若弗のどこか憎めない小物感の対比が見事です。そして、全てを一喝する大奥様の登場で、淀んでいた空気が一変する様は爽快ですらありました。彼女の元で、明蘭がどう成長していくのか、新たな物語の幕開けに期待が膨らみます。
つづく