母を亡くした悲しみを胸に、明蘭は一家と共に都・汴京へ移り住む。船上では、父の寵愛をめぐる正室・王若弗(おうじゃくふつ)と側室・林噙霜(りんきんそう)の激しい争いが繰り広げられていた。新天地で始まった学堂での生活。そこで明蘭は、眉目秀麗な貴公子・斉衡(せいこう)と出会う。目立たぬよう、才能を隠して過ごそうとする明蘭だったが、斉衡の真っ直ぐな好意は、かえって姉妹たちの嫉妬の炎を燃え上がらせてしまう。新たな出会いと渦巻く策略の中、明蘭の試練の日々が幕を開ける。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ4話
今回は、いよいよ物語が大きく動き出す『明蘭~才媛の春~』第4話について、熱く語っていきたいと思います。母を亡くした明蘭の悲しみを引きずりつつも、舞台は都・汴京(べんけい)へ。ここからが本当の戦いの始まりですよ…!
船上の女バトル勃発!林噙霜(りんきんそう)の恐るべき生存戦略
一家で都へ向かう船の中、母を亡くした悲しみから立ち直れない明蘭は、一人すすり泣いています。そんな彼女を優しく抱きしめ、私がいる限り、誰もお前をいじめたりはさせないと誓うお祖母様の姿に、思わず涙腺が緩みます。このお祖母様こそ、明蘭の唯一の光ですね。
その一方で、大人の女たちの戦いはすでに火花バチバチ!寵愛を取り戻そうと、林噙霜(りんきんそう)が夜中に『鳳求凰』を奏でて盛纮(せいこう)の気を引こうとすれば、正室の王若弗(おうじゃくふつ)は都に着いたら売り飛ばしてやると怒り心頭。
案の定、林噙霜(りんきんそう)に泣きつく現場に王若弗(おうじゃくふつ)が乗り込み、衛殿(えいでん)の一件を問い詰めます。すると林噙霜、待ってましたとばかりに私のせいではございません!でも、下の者をしっかり監督できなかった私が悪いのです!と涙ながらに土下座し、あげくのはてに死んでお詫びを!と川に飛び込もうとするパフォーマンスまで!
自分も庶子出身で辛い思いをした盛纮(せいこう)は、このか弱い女アピールにコロッと騙され、気絶した(フリの)林噙霜を抱きかかえて去ってしまいます。残された王若弗(おうじゃくふつ)の怒りと絶望の表情…いやはや、林噙霜、とんでもないタマです。この女がいる限り、盛家の平穏は永遠に訪れないでしょうね。
新生活と学堂の出会い、そして新たな火種
都・汴京に到着し、盛家の子供たちは新しく開かれた学堂に通い始めます。そこで出会うのが、キラキラの貴公子、斉国公府の若様・斉衡(せいこう)です。眉目秀麗、成績優秀、家柄も抜群と、まさに非の打ち所がない彼に、盛家の姉妹、特に四女の墨蘭(ぼくらん)はさっそく熱い視線を送ります。
しかし、当の斉衡(せいこう)が目で追っているのは、目立たないように振る舞い、才能をひた隠しにする六女の明蘭。母の死を教訓に、賢い鷹は爪を隠すを実践する明蘭の処世術が、早くも始まっています。
そんな中、ちょっとした事件が起こります。斉衡(せいこう)がなくした汗巾(ハンカチ)が、なぜか墨蘭の侍女の持ち物から発見されたのです。これは明らかに、斉衡の気を引くための墨蘭の策略。しかし、明蘭は咄嗟の機転で、兄・長柏(せいちょうはく)に公正な判断を仰ごうとします。その聡明な立ち回りと、潔白を証明しようとする姿に、斉衡はさらに心惹かれていくのでした。
嫉妬の渦、明蘭の受難は続く
斉衡は、自分のせいで明蘭が疑われたことを気にかけ、帰り道に高級な筆をプレゼントします。しかし、この親切心が、さらなる災いを呼ぶことに…。
これを目撃した五女の如蘭(じょらん)は、嫉妬にかられて明蘭から強引に筆を奪い取ります。そして、その様子を物陰から見ていた墨蘭の目には、冷たい光が…。純粋な好意が、かえって明蘭を姉妹たちの嫉妬の渦の中心へと追いやってしまう皮肉な展開。明蘭の受難は、まだ始まったばかりのようです。
『明蘭~才媛の春~』第4話の感想
静かな水面下で渦巻く感情の応酬が見事な回でした。特に、林噙霜が見せた生存戦略には舌を巻きます。彼女の涙と土下座は、単なる演技ではなく、自分の立場を死守するための計算され尽くした武器なのです。そのしたたかさが、子供たち、特に娘の墨蘭に色濃く受け継がれているのが恐ろしいところ。一方で、母の死という大きな悲しみを乗り越え、祖母の庇護のもとで才能を隠すという新たな処世術を身につけようとする明蘭の姿には、胸が締め付けられると同時に、彼女の持つ芯の強さを感じました。斉衡という光が差したかと思えば、それが新たな影を生み出してしまう。登場人物たちの腹の探り合いと、これから巻き起こるであろう波乱を予感させる、息をのむような緊張感に満ちたエピソードでした。
つづく