朱曼娘(しゅまんな)との問題に一区切りをつけ、妻・明蘭(みんらん)と共に盛家の宴席に出向いた顧廷燁(こていよう)。しかし、その祝宴の席で、亡き母をめぐる長年の確執が噴出し、明蘭は父・盛纮(せいこう)と激しく対立してしまいます。場が騒然となる中、駆けつけた顧廷燁が明蘭を守り、事態を収拾します。夫婦の絆が深まったのも束の間、今度は顧家に新たな嵐が。顧廷燁の叔母が跡継ぎ問題を理由に、強引に側室を押し付けてきて…。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ55話
いやあ、今回の『明蘭』は本当に見応えがありましたね!溜まりに溜まったものが一気に噴き出した、まさに神回と言ってもいいんじゃないでしょうか。朱曼娘(しゅまんな)との長い戦いがようやく終わり、ホッとしたのも束の間、舞台は盛家へ。ここからが本当の戦いの始まりでした。
ついに爆発!明蘭の絶叫と父娘の決裂
盛家の宴会、表面上は和やかですが、もう空気はピリピリ。王若弗(おうじゃくふつ)と墨蘭がいつものように嫌味の応酬を繰り広げる中、明蘭はそっと席を外そうとします。でも、今回はそうはいきませんでした。
事件の引き金は、なんと墨蘭。亡き母・林噙霜(りんきんそう)の命日に、その位牌を玉清観に入れたいと父・盛纮(せいこう)にお願いしたのです。夫の梁晗(りょうかん)もいいじゃないかと後押しし、盛纮(せいこう)も許可しかけたその瞬間!
今までどんな仕打ちにも耐えてきた明蘭が、お箸を叩きつけて叫びます。
殺人犯が、亡くなった母のそばに立つなど許しません!
そう、ついに明蘭の口から、母・衛恕意(えいじょい)の死の真相が語られたのです。林噙霜(りんきんそう)が出産間近の衛恕意(えいじょい)に滋養のある食べ物を過剰に与え、死に追いやったこと。そのすべてを、明蘭は知っていたんですね。
証拠でもあるのか!と激高する父・盛纮に、明蘭は涙ながらに問い詰めます。父上は母の死因を調べましたか?林噙霜が娘に男と密会させた大罪をもうお忘れですか?と。逆上した盛纮が明蘭を殴ろうとした、まさにその時!
俺がいる顧廷燁(こていよう)、最強の盾となる
颯爽と現れたのは、我らが顧廷燁(こていよう)!明蘭の前に立ちはだかり、盛纮の腕をがっしりと掴みます。そして、冷静かつ威厳に満ちた声で言い放ちました。
人の命を奪った林氏に、玉清観に入る資格も、盛家の家譜に名が残る資格もない
盛纮がだが、林氏は盛家に子をなした…とか細く反論しますが、顧廷燁はでは、その功績は人命よりも重いと?と一刀両断。もう、ぐうの音も出ません。この時の顧廷燁の頼もしさといったら! 墨蘭がわめき散らして掴みかかろうとしますが、夫の梁晗(りょうかん)に羽交い締めにされて万事休す。陰で成り行きを見守っていた盛家の祖母も、顧廷燁が場を収めたのを見て、静かにその場を去るのでした。
馬車の中の誓いと、新たな火種
帰り道の馬車の中。あれだけ激しく感情をぶつけた明蘭は、心細げです。そんな彼女に、顧廷燁はそっとお菓子を差し出します。そして、こう言うんです。あんなにお前が牙をむくのを初めて見た。だが、そんなお前が愛おしいと。
そして、亡き衛恕意のことを岳母(義母上)と呼び、彼女の位牌を玉清観の正殿に移すことを約束します。明蘭を強く抱きしめ、これからはお母さんと呼びたい時に呼べばいい。万事有我(すべて俺がいる)と誓うのでした。このシーン、涙なしには見られませんよね。
しかし、侯爵家に戻ると、今度は小秦氏(しょうしんし)の姉である姑老太太(ころうたいたい)が乗り込んできます。跡継ぎがいないという理由で、女中の一人・銭鳳仙(せんほうせん)を側室として強引に押し付けてきたのです。ところが、明蘭は意外にもあっさりとこれを受け入れ、すぐさまお茶を献上させます。これには顧廷燁も不満顔。夫婦の間に新たな火種が生まれてしまいました。
一方、盛家での一件で、梁晗は妻・墨蘭と玉清観で偶然出会ったことに疑いを持ち始め、墨蘭の侍女を問い詰める場面も。墨蘭の嘘も、いよいよ暴かれる時が近いのかもしれません。
『明蘭~才媛の春~』第55話の感想
今回のエピソードは、長年心に溜め込んできた鬱憤を、明蘭がついに解き放ったカタルシスに満ちた回でした。いつもは冷静沈着で、爪を隠し続けてきた彼女が、愛する母のため、そして自分自身の尊厳のために声を張り上げる姿には胸がすく思いがしました。父・盛纮のあまりの情けなさと自己保身には呆れるばかりですが、それがあったからこそ、駆けつけた顧廷燁の存在がより一層輝いて見えました。彼が明蘭を庇い、彼女のすべてを受け止める姿は、理想の夫そのものです。馬車での万事有我の誓いは、二人の絆が本物になったことを証明する名場面でした。一方で、姑が側室を押し付けてくるという新たな問題が発生。しかし、これをあっさり受け入れた明蘭の真意はどこにあるのか。彼女のことですから、きっとこれも計算のうちなのでしょう。彼女の次なる一手から目が離せません。
つづく