宮廷の権力争いが激化し、澄園にまで謀反の魔の手が迫る。屋敷に賊が押し寄せる絶体絶命の状況で、女主人・盛明蘭(みんらん)は冷静に指揮を執り、家族を守るために毅然と立ち向かう。しかし、その裏では予期せぬ人物が密かに侵入し、赤子である団哥児の命を狙っていた。一方、死んだと思われていた顧廷燁(こていよう)の生存の知らせが、全ての局面を大きく動かすことに。宮廷で渦巻く巨大な陰謀と、長きにわたる顧家との因縁に、ついに決着の時が訪れる。明蘭が最後に手にするものとは何か。愛と知略の物語、堂々の完結。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ最終回・73話

ついに迎えた最終回! 長きにわたる権力争いと家族の愛憎劇が、ついに決着の時を迎えました。明蘭(みんらん)と顧廷燁(こていよう)、そして彼らを取り巻く人々の運命は一体どうなるのか。

澄園の死闘!狂気に染まる朱曼娘(しゅまんな)の最期

謀反の混乱に乗じて、賊が澄園(ちょうえん)になだれ込もうとします。しかし、明蘭(みんらん)は少しも動じません。冷静沈着に屋敷の門を固く閉ざし、護衛たちに迎撃を命じます。その頃、屋敷内ではとんでもない悲劇が起ころうとしていました。

なんと、あの朱曼娘(しゅまんな)が、密かに澄園に侵入していたのです!彼女の狙いはただ一つ、明蘭の息子・団哥児(だんかじ)の命でした。侍女を刺し、常(じょう)ばあやを気絶させ、ついに団哥児の寝所へ。我が子を守ろうとする蓉姐児(ようじょじ)を突き飛ばし、憎しみに満ちた表情で匕首を振り上げます。まさにその瞬間、意識を取り戻した常ばあやが朱曼娘(しゅまんな)に殴りかかり、その壮絶な生涯に幕を下ろさせました。駆けつけた明蘭は、母の死に泣きじゃくる蓉姐児をただ抱きしめることしかできませんでした。

賊の猛攻は続き、明蘭は蓉姐児と団哥児、そして常ばあやを密室に隠します。離れ際に蓉姐児が絞り出すように言ったお母様の一言は、明蘭の胸を強く打ちました。

全ては壮大な芝居!顧廷燁(こていよう)、光と共に帰還す

賊に追い詰められ、明蘭が絶体絶命のピンチに陥ったその時、一本の矢が賊を射抜きます。見上げるとそこにいたのは、死んだはずの夫・顧廷燁!鎧をまとったその雄々しい姿は、まさに絶望に差し込む一筋の光でした。

明蘭は夫の胸に飛び込み、騙されたことへの文句と安堵の涙が入り混じります。しかし、感傷に浸る間もなく、顧廷燁は皇帝を救うため宮中へと馬を走らせます。

宮廷では、劉(りゅう)貴妃が太后を後ろ盾に謀反を企てていましたが、顧廷燁と沈従興(しんじゅうこう)の登場であっけなく鎮圧されます。そして、皇帝の口から全ての真相が語られました。辺境の戦も、顧廷燁の横暴も、皇帝の猜疑心も、そして流罪さえも、すべては太后とその一派を炙り出すための壮大な芝居だったのです。この計略に気づいた太后は死を覚悟しますが、皇帝は彼女を許し、宮外で静かに暮らすことを提案。ここに、長きにわたる宮廷の権力闘争は終結しました。

炎に消える野望、小秦氏(しょうしんし)の末路

顧廷燁が生きて帰還し、謀反が鎮圧されたという知らせは、顧家の小秦氏(しょうしんし)を絶望の淵に突き落としました。自分の息子・顧廷煒(こていい)を罵り、井戸に突き落とすほどの狂乱ぶり。全ての望みを絶たれた彼女が最後に向かったのは、顧家の祠堂でした。

彼女は祠堂に火を放ち、燃え盛る炎の中で、これまでの人生で溜め込んだ憎しみと絶望を叫びながら、自らの命を絶ちました。演じ続けた慈母の仮面を脱ぎ捨て、狂気の笑いと共に炎に消えていく姿は、哀れであり、まさに圧巻の一言でした。

それぞれの春へ、そして永遠の愛を誓う

全ての嵐が過ぎ去り、人々には穏やかな日常が戻りました。

  1. 斉衡(せいこう)と申氏(しんし):かつて明蘭を想い続けた斉衡(せいこう)でしたが、火事場で寄り添う明蘭と顧廷燁の姿を見て、ついに吹っ切れます。これからは妻である申氏(しんし)こそが自分の天地だと悟り、二人で手を取り合って未来へ歩み始めました。
  2. 盛(せい)家の人々:盛家の祠堂には、懐かしい顔ぶれが集います。すっかり落ち着いた墨蘭(ぼくらん)や、相変わらず賑やかな如蘭(じょらん)と文炎敬(ぶんえんけい)は石頭(せきとう)の子を身ごもり、幸せそうです。明蘭の父・盛纮(せいこう)は、明蘭が皇后から事前に計略を知らされていたことを聞き、娘の知略に改めて驚愕します。
  3. 明蘭と顧廷燁:家族の笑い声に包まれながら、明蘭は心からの安らぎを感じていました。顧廷燁は、これからもずっと明蘭を守り続けると、改めて愛を誓います。二人は手を取り合い、穏やかな光の中を歩んでいくのでした。

『明蘭~才媛の春~』最終回 第73話の感想

長大な物語がついに幕を閉じ、深い余韻に包まれています。最終回は、これまでの伏線が見事に回収され、全ての出来事が一つの結末へと収束していく様が見事でした。特に、皇帝と顧廷燁が仕掛けた壮大な計略が明かされた場面は、思わず膝を打つほどの爽快感がありました。

一方で、小秦氏や朱曼娘といった悪役たちの最期は、彼女たちが抱えていた心の闇や悲哀をも描き出し、単なる勧善懲悪では終わらない物語の深さを感じさせます。彼女たちの狂気的な行動の裏には、満たされなかった愛情や歪んだ野望があり、その末路にはカタルシスと共に一抹の物悲しさが残りました。

最終的に明蘭と顧廷燁が手に入れたのは、権力や富ではなく、家族と過ごす穏やかで何気ない日常でした。この家の温かさこそが、本作が貫いた最大のテーマだったのではないでしょうか。多くの困難を乗り越えた二人が、幸せそうに寄り添うラストシーンは、観る者の心に温かい灯をともしてくれました。

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