ついに地下城の深部へと足を踏み入れた宣夜(センヤ)たち。そこで彼らを待ち受けていたのは、すべての事件の黒幕の驚くべき正体と、残酷な真実だった。洗骨池に隠された秘密、そして長年にわたる陰謀が明らかになる中、仲間たちは次々と窮地に追い込まれていく。愛する者を守るため、そして一族の運命を背負い、宣夜は過酷な決断を迫られる。物語の根幹を揺るがす、衝撃のクライマックスが幕を開ける。
「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ34話
ついに物語が大きく動く第34話!すべての謎が繋がる地下城で、息もつかせぬ衝撃の展開が待ち受けていました。
子空(ズークン)たちが地下城へ乗り込む一方、宣夜(センヤ)に連れられ、運命の洗骨池へと向かいます。しかし、地下城で宣夜(センヤ)の姿を見つけられない子空(ズークン)たちは、先に小洞天へ。その動きを察知した呂春眠(ルィ・チュンミエン)は、子空たちを始末するため、宣夜を残してその場を離れます。
洗骨池で宣夜を待っていたのは、なんと沈図南(シェン・トゥーナン)でした。彼はこの池に飛び込めば、お前の故郷である無憂境へ行けると宣夜を唆します。しかし、宣夜はもう騙されません。彼はこれまでの調査で、薛橋(シュエ・チャオ)たちの死の真相、そして長年にわたり妖精を買い集め、洗骨池に投じていた黒幕が沈図南であるという真実にたどり着いていたのです。
ついに本性を現した沈図南は、半夏(ハンゲ)を人質に取り、宣夜に池へ入るよう脅迫します。しかし、宣夜は間一髪で半夏(ハンゲ)を救出!駆けつけた子空たちと共に、沈図南一派との全面対決に突入します。
激しい戦いの最中、沈図南は恐ろしい陣法を発動。宣夜と子空は身動きが取れなくなり、絶体絶命の窮地に陥ります。兄として、子空は自らを犠牲にして宣夜を逃がそうとします。その頃、幽篁(ユウコウ)も呂春眠との死闘の末、共に命を落としてしまうという悲劇が…。
追い詰められた子空の妖力を吸収し、ついに沈図南は自らも妖精へと変貌。彼の口から、家族を妖精に殺された復讐のため、妖精の源である無憂境の無憂草を根絶やしにすることが目的だったという、歪んだ正義と悲しい過去が語られます。
地下城が崩壊を始める中、宣夜は帰元剣を手に、暴走する沈図南と対峙。激闘の末、ついに沈図南を打ち倒します。しかし、すべてが崩れ落ちていく中で、半夏はもう動けなくなっていました。
愛する人を失いたくない一心で、宣夜は蔵龍匣(ぞうりゅうこう)の力で常楽剣(じょうらくけん)を振るいます。それは、時を止め、半夏の命を救うことができる代わりに、彼女の中から自分に関するすべての記憶を消し去るという、あまりにも切ない最後の切り札でした。
君が一生、憂いなく暮らせますように
その願いと共に剣が振るわれ、世界は静寂に包まれるのでした。
『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第34話の感想
今回は、これまで散りばめられてきた伏線が一気に回収され、物語の核心が明かされる非常に重いエピソードでした。敵だと思っていた人物の悲しい過去、味方だと思っていた人物の裏切り、そして次々と失われていく仲間たちの命。特に、沈図南が抱えていた復讐心と、その果てにある歪んだ正義には、単なる悪役として片付けられない複雑な背景を感じさせられました。そして何より、宣夜が下した最後の決断です。愛する人の命を救うため、その人の記憶から自分の存在を消し去るという選択は、愛の究極の形であり、これ以上ないほどの自己犠牲です。幸せな未来を願う一方で、二人の積み重ねてきた時間が失われるという現実に、胸が締め付けられる思いでした。
つづく