湖で杏仙を助けた半夏(ハンゲ)は、水中で不思議な声を聞くが、その意味は分からずにいた。大切な人、宣夜(センヤ)の記憶を失ったまま日常を送る半夏だったが、彼の縁談話に胸を痛める。そんなある日、半夏は街で宣夜にそっくりな顔の男・蛮瑛(マンイン)と出会う。強烈な既視感を覚え、彼に惹かれる半夏。しかし蛮瑛は、半夏を知らないと冷たく言い放つ。一方、蛮瑛は陰で半夏やその友人たちを優しく見守っていた。記憶を失ったヒロインと、彼女の前に現れた謎の男。二人の運命が、再び静かに動き出す。
「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ35話
いやー、今回のエピソードは切なさ全開でしたね!記憶を失ってもなお、魂が惹かれ合う二人。その運命の強さに、ただただ胸が締め付けられます。それでは早速、第35話の物語を振り返っていきましょう!
物語は、半夏(ハンゲ)を救い出す場面から始まります。夫の張璞(ちょう・はく)に責められる杏仙を守る半夏(ハンゲ)の姿は、相変わらず頼もしい!でも、この時、半夏(ハンゲ)は水中で不思議な声を聞いていました。もし世に妖がいなくなったら、どんな人生を送りたい?と。半夏は、学堂に通い、武芸に励む自由な生活を思い描きますが、すぐに首を振ります。そんな人生では、宣夜(センヤ)に出会えないから、と。宣夜(センヤ)を忘れてしまったはずなのに、心の奥底では彼との繋がりを何よりも大切に思っているのが伝わってきて、冒頭から涙腺が緩みっぱなしです。
街では、すっかり元気になった許枝枝(キョ・シシ)と再会し、久家の薬屋も大繁盛。平和な日常が戻ってきたかに見えましたが、半夏の心は晴れません。久家の母が宣夜(センヤ)の縁談話をしているのを聞き、理由のわからない胸のざわつきを覚えるのです。そんな時、半夏は街で宣夜と瓜二つの顔を持つ男、蛮瑛(ばんえい)と出会います。
私のことを知りませんか?と必死に問いかける半夏。しかし、蛮瑛は冷たく知らないと突き放します。それでも、転んだ半夏を放っておけず、家まで背負って送る優しさを見せる蛮瑛。この男、絶対に宣夜でしょ!と誰もが確信した瞬間ですよね。そして、その確信は遅雪(チセツ)によって裏付けられます。彼は、蛮瑛がかつて覆面姿で自分たちを助けてくれた恩人であることを見抜くのでした。
ここから、物語は蛮瑛、つまり宣夜の視点へと移ります。彼は、半夏を救うために、彼女の中から自分の記憶を消すという大きな代償を払っていました。幼い頃からずっと陰ながら半夏を見守り、彼女が幸せな人生を送ることを誰よりも願っていた宣夜。もし自分と出会わなければ、彼女は普通の女の子として幸せに暮らせたかもしれない…そんな彼の切ないモノローグに、涙が止まりません。愛する人のために、自らの存在を消す。これ以上ないほどの自己犠牲ですよね。
そして、宣夜の目的も明らかに。彼は、師である子空(ズークン)と共に、月虫に魂を喰われた者たちを救うために人間界に来ていたのです。久家の父もその事実を知っており、彼に協力します。
半夏は、どうしても蛮瑛のことが忘れられず、彼を探し回ります。そして雨の降る法恩寺で、ついに再会を果たすのです。夢であなたに会った。まるで前世の出来事のように…と訴える半夏に、蛮瑛はあくまで他人行儀な態度を崩しません。しかし、半夏が雨の中に去っていく姿を見つめる彼の瞳には、隠しきれない愛情と哀しみが浮かんでいたのでした。
『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第35話の感想
今回は、宣夜の深い愛情と自己犠牲が胸に迫る、非常に切ない回でした。半夏の幸せを願うあまり、彼女の記憶から自らを消し去るという選択。そして蛮瑛という別人として彼女の前に現れ、陰ながら見守り続ける姿には、ただただ涙するしかありません。記憶を失ってもなお、魂レベルで宣夜に惹かれていく半夏の姿もまた、二人の運命の絆の強さを物語っています。特に、雨の法恩寺での再会シーンは、互いを想いながらも素直になれない二人のもどかしさが痛いほど伝わってきました。宣夜が他人を装えば装うほど、その行動の端々から半夏への愛情が溢れ出ていて、見ているこちらの心が締め付けられます。二人の運命が再び交錯し始めた今、この切ない恋路がどこへ向かうのか、ますます目が離せません。
つづく