恋愛経験ゼロの新人脚本家陳小千(ちんしょうせん)は、不眠不休で書き上げた脚本が原因で、意識を失ってしまう。目を覚ますと、そこは自分が書いた物語の世界!しかも、女が権力を握る花垣(かえん)城の、3話で死ぬはずの悪役令嬢・陳芊芊(ちんせんせん)に転生してしまっていた。転生した日は、敵対する玄虎(げんこ)城から政略結婚でやってきた若君・韓爍(かんしゃく) との結婚初夜。病弱な美青年と見せかけた彼が、実は自分を毒殺し、国を乗っ取ろうとしていることを知っている彼女は、生き残るために必死の抵抗を開始する!
「花の都に虎(とら)われて~The Romance of Tiger and Rose~」あらすじネタバレ1話
今回ご紹介するのは、奇想天外な設定がたまらないラブコメ時代劇『花の都に虎(とら)われて』。第1話から、もう目が離せない展開の連続でした!
物語の始まりは、現代の脚本家陳小千(ちんしょうせん)が、自分の書いた脚本の世界に迷い込んでしまうところから。しかも、転生したのはなんと、物語開始後わずか3話で死んでしまう運命の悪役令嬢、花垣(かえん)城の第三郡主・陳芊芊(ちんせんせん)なんです!
彼女が転生したその日は、まさに運命の日。政略結婚で玄虎(げんこ)城から婿入りしてきた若君・韓爍(かんしゃく) との結婚初夜でした。この韓爍(かんしゃく) 、表向きは心臓病で20歳まで生きられないと言われる儚げな美青年。しかしその実態は、万病に効く秘宝龍骨(りゅうこつ)を奪うため、そして最終的には花垣(かえん)城を乗っ取るという野望を胸に秘めた、腹黒策士だったのです!
本来の脚本では、韓爍(かんしゃく) は第二郡主の陳楚楚(ちんそそ)に近づく計画でした。ところが、街で暴れ馬に乗る陳芊芊(ちんせんせん)を偶然助けてしまったばっかりに、彼女に強引に気に入られ、結婚相手に指名されてしまうという計算外の事態が発生します。
さあ、ここからが大変!自分が書いた物語の筋書きを知っている陳芊芊(ちんせんせん)は、今夜、夫となる韓爍に毒殺される運命にあることを知っています。なんとかして生き延びなければ!
彼女はまず、面倒な婚礼の儀式をすべてすっ飛ばし、さっさと初夜の寝室へ向かうよう命じます。そして迎えた寝室での二人きりの時間。韓爍は計画通り、毒入りの酒を陳芊芊(ちんせんせん)に勧めます。
これ、普通なら絶体絶命のピンチですよね?でも、私たちの主人公は一味違いました。ここで死ねば、元の世界に帰れるかも?なんて考えちゃって、ためらいなく毒酒をあおろうとするんです!逆に韓爍の方が、彼女の予想外の行動に動揺して、咳き込むふりをして杯を交換したり、お酒をこぼしたり。
なかなか毒殺が進まない中、陳芊芊は韓爍の顔を覆っていたベールを剥ぎ取ります。すると、そこに現れたのは、現代で自分の脚本にケチをつけてきた、あのイケメン主演俳優そっくりの顔!
あなたも転生してきたの!?とんだ勘違いをした陳芊芊は、私が死んだら、あんたも道連れよ!と啖呵を切ります。しかし、いくら待っても毒の症状は現れません。酒にも料理にも毒は入っていない様子。
まさか…口に毒を塗るなんてアドリブを!?
そう考えた陳芊芊は、真偽を確かめるため、なんと自ら韓爍にキス!その直後、彼女は舌がもつれて意識がもうろうとし、韓爍の腕の中に倒れ込んでしまうのでした…。
『花の都に虎(とら)われて』第1話の感想
いやはや、第1話から設定の面白さに完全に心を掴まれました。自分が創作した物語の世界に、しかも3話で退場する悪役に転生してしまうなんて、考えただけでワクワクします。自分が殺される運命を知っているからこそ、生き残るために必死で、でもどこかズレている主人公の行動が本当にコミカルで、思わず頑張れ!と応援したくなります。
女が強く男が虐げられるという、男女の立場が逆転した花垣(かえん)城の世界観もユニークで、物語に独特のスパイスを加えていますね。腹黒い野望を抱えながらも、主人公の奇行に振り回される美形の韓爍との関係が、今後どう変化していくのか。二人のチグハグなやり取りを見ているだけで、自然と笑みがこぼれてしまいます。これは、今後の展開から目が離せない、魅力的な物語の幕開けだと感じました。
つづく