次期城主を決める最終関門策論の試験。姉の陳楚楚(ちんそそ)を勝たせたい陳芊芊(ちんせんせん)は、わざと奇抜な提案をして役人たちの反感を買います。誰もが楚楚の勝利を確信する中、発表された結果は驚くべきものでした。この予想外の結末は、芊芊と韓爍(かんしゃく) 、そして楚楚の関係に大きな亀裂を生じさせます。さらに、城主から少城主としての初仕事として、威虎山の盗賊討伐を命じられる芊芊。それぞれの思惑が渦巻く中、一行は新たな試練の地へと向かいます。
「花の都に虎(とら)われて~The Romance of Tiger and Rose~」あらすじネタバレ10話
いやはや、とんでもない展開になってきましたね! 武術試験を乗り越えたと思ったら、今度は策論試験。脚本家・陳小千(ちんしょうせん)の魂が入った芊芊としては、本来のヒロインである姉・楚楚を立てて、さっさと物語からフェードアウトしたいところ。なのに、なぜか事態はどんどん彼女を中心に回っていきます。
まさかの文試一位!芊芊、少城主になる
武術試験の次は、文官としての能力を試される策論。芊芊は、楚楚を勝たせるために、あえてトンデモ案をぶち上げます。それは、なんと人頭税の導入! しかも、花垣(かえん)城では家畜同然の扱いである男性からも税を取るという、常識破りの提案でした。
男女平等の世を作る気か!と役人たちが大騒ぎする中、芊芊はまだ子供だから、今のナシ!と可愛くごまかします。城主の親バカっぷりも手伝って、なんとかその場は収まりました。
一方、楚楚は玄虎(げんこ)城にならい、烏石(うせき)を火薬にして軍事力と財源を強化するという、現実的で優れた策を提案。誰もが次期城主は楚楚で決まり!と確信します。芊芊も、お祝いの品まで用意して、すっかり安心していました。
しかし、運命のイタズラか、それとも誰かの策略か…。なんと文試の首席は陳芊芊(ちんせんせん)だと発表されたのです! ポカーンとする芊芊をよそに、城主は我が娘ながら天晴れ!と大喜び。有無を言わさず、芊芊を次期トップである少城主に任命してしまいました。
この結果に、楚楚は愕然とします。芊芊のこれまでの言動はすべて自分を欺くための芝居だったのだと誤解し、深い絶望と憎しみを抱くのでした。
韓爍(かんしゃく) の策略と夫婦喧嘩
実はこれ、すべて韓爍(かんしゃく) が裏で手を回した結果でした。芊芊を少城主にすることで、彼女の身を守り、自分のそばに縛り付けておこうという、彼なりの愛情表現(?)だったのです。
しかし、そんなこととは露知らず、自分の人生プラン(=脚本通りに物語を進めて元の世界に帰る)を滅茶苦茶にされた芊芊は激怒! 韓爍と派手な夫婦喧嘩を繰り広げ、冷戦状態に突入します。
少城主の就任パレードでは、民衆の目の前で口論になり、はずみで韓爍が芊芊の衣装の裾を踏んでしまい、服がビリビリに破けるという大惨事まで発生。
気まずい韓爍は、芊芊の機嫌を直そうと、なんと女装までして僕の服も破いていいよと謝罪します。しかし、そこにタイミング悪く裴恒(はいこう)が訪れ、韓爍は赤っ恥をかく羽目に。ラブコメ全開のドタバタ劇が繰り広げられます。
新たな試練!いざ、威虎山へ
そんな中、城主は少城主としての威厳を示すべしと、芊芊に威虎山の盗賊討伐を命じます。補佐役はもちろん、夫である韓爍。
芊芊は行きたがりませんが、韓爍が裴恒(はいこう)と二人きりでいたいだけだろうと嫉妬したことから、意地になって討伐を引き受けます。ただし、条件として楚楚も連れていくことを要求しました。これは、原作通りに韓爍と楚楚をくっつけるための、芊芊なりの作戦です。
こうして、芊芊、韓爍、そして心を閉ざした楚楚の三人は、それぞれの思惑を胸に、盗賊が潜む威虎山へと向かうのでした。出発の際には、芊芊を心配する裴恒が護衛をつけるなど、韓爍との間でバチバチと火花が散り、前途多難を予感させます。
『花の都に虎われて』第10話の感想
今回は、物語が大きく動いた回でした。芊芊が意図せずして少城主になってしまったことで、彼女と韓爍、そして楚楚の関係性が一気に複雑化しましたね。特に印象的だったのは、楚楚の心の変化です。これまで優等生で真っ直ぐだった彼女が、母親である城主からの愛を感じられず、さらに芊芊に裏切られたと感じたことで、少しずつ影のある表情を見せ始めたのが切なかったです。韓爍の愛情表現も、相変わらず不器用で過激。良かれと思ってやったことが、芊芊の怒りを買うというすれ違いが、もどかしくも面白いです。コメディとシリアスな展開のバランスが絶妙で、登場人物たちの感情の機微が丁寧に描かれているため、物語にぐっと引き込まれました。盗賊討伐という新たな舞台で、このこじれた関係がどう変化していくのか、目が離せません。
つづく


