桑延(サン・イエン)は毎週末、北渝に住むイーファンに会うために通い続けていた。彼は、イーファンが伯母から辛い扱いを受けていることを知り、彼女の立場を考えて静かに見守ることしかできない。一方、イーファンは夜中に無意識に歩き回る夢遊病の症状に悩まされていた。友人との会話や過去の出来事を通して、彼女が親戚の家で受けた心の傷や、実の母親との間にできた深い溝が明らかになっていく。桑延は彼女が抱える心の闇に気づきながらも、不器用な優しさで寄り添おうとする。そんな中、イーファンの無意識の行動が、二人の関係を少しだけ動かすことになる。

「あの日の君と」あらすじネタバレ10話

桑延(サン・イエン)の優しさと、イーファンの抱える闇

桑延(サン・イエン)はすごいよ。毎週末、わざわざ北渝までイーファンに会いに来てる。二人は一緒に自習してたんだ。そしたらイーファンの伯母さんから呼び出しがかかった。お使いを頼まれたみたい。

イーファンは本を置き忘れて行っちゃった。桑延はそれに気づいて、彼女の後をつけた。彼女が家に入るのを静かに見届ける。伯母さんがイーファンをひどく扱ってることを、桑延は知ってたんだ。良い食事すら与えられていないことも。自分が出ていったら、イーファンの立場がもっと悪くなる。そう考えた桑延は、本を郵便受けにそっと入れて、その場を去った。この男、本当に優しい。

話は変わって、イーファンの職場。例の伯母さんが乗り込んできた。金持ちの社長を紹介するって息巻いてる。イーファンは心底うんざりしてた。昔の虐待を思い出して、どうしていいか分からなくなってたんだ。そこへ同僚の付壮(フー・ジュアン)が助け舟を出してくれた。ナイスプレーだ。

夢遊病が暴く、心の奥底

その夜、事件が起きる。イーファンがまた夢遊病で部屋から出てきた。リビングをうろうろ歩き回る。ソファに座り込むと、自分の左腕の服をずっとこすってる。桑延は彼女の機嫌が悪いだけだと思った。でも、彼が近づいた瞬間、イーファンはすっと立ち上がって部屋に戻ってしまった。

次の日の朝。イーファンは桑延に聞いた。昨日の夜、いつ帰ってきたの?桑延はえ?って顔。彼女は夢遊病中のことを全く覚えてないんだ。

イーファンは自分の夢遊病について桑延に打ち明けた。お父さんが亡くなった後から始まったんだって。

それを聞いた桑延は、ちょっとイタズラっぽく言った。俺、見たよ。君が夢遊病してるとこ

君、俺を抱きしめてキスしたんだイーファンは顔を真っ赤にして慌てた。

どこに?どこにキスしたの?桑延は自分の頬を指さす。イーファンは再現してみようなんて言い出す。でも桑延がすっと顔を近づけると、彼女はパニック。自分の身は自分で守って!とか叫んで、部屋に逃げ込んじゃった。

過去との対峙、そして無意識の告白

イーファンは友達のスーチャオと食事してた。そこで偶然、高校の同級生に会う。崔静語(ツイ・ジンユー)っていう女だ。彼女の息子、名前が延延。そう、彼女は高校時代、桑延を追いかけてたんだ。桑延はイーファンの目の前で、彼女をきっぱりフッた。しつこいとまで言って。

イーファンの過去は本当に辛い。昔、早恋(若すぎる恋愛)を疑われた。伯母さんは栄養のあるスープさえ飲ませてくれなかった。お前なんかに飲む資格はないって。家の恥だと何度も言われた。伯父さんにもお前を養う義務はないと突き放された。人の家に住むって、こういうことなんだ。彼女のプライドはずっと踏みつけられてきた。

耐えられなくなって、母親に電話した。泣きながら家に帰してと頼んだ。でも母親は拒絶した。それどころか、同じように早恋のことで彼女を責めたんだ。この経験が深い傷になった。自分は良いものを受け取る価値がない。そう思うようになってしまった。

イーファンは分かってた。桑延は、自分に本当に良くしてくれた唯一の人。そして、自分が傷つけてしまった人だって。スーチャオは言った。桑延に謝ったら?その言葉は、イーファンの心に響いた。

その夜、桑延は鶏のスープを作ってくれた。イーファンは突然、目に涙を浮かべた。声を詰まらせてありがとうって言った。彼女はまた夢遊病で出ていかないように、ドアの前に物を置いた。でも、無駄だった。夜中に、彼女はまたリビングにいた。

桑延は静かに見ていた。彼女が進む先の障害物をどかしてあげた。そして、彼女の前にしゃがみこんだ。イーファンの夢の中に、桑延の顔が現れた。彼女はふっと立ち上がると、つま先立ちで桑延にキスをした。そのまま彼の胸に寄りかかる。桑延は電気が走ったみたいに固まった。我に返って、彼はイーファンに言った。霜降(イーファンのあだ名)、今、俺にキスした

感想

いやー、今回の10話は本当に心をえぐられたよ。イーファンの過去が想像以上に重かった。伯母さんだけじゃなく、実の母親にまであんな風に拒絶されたら、そりゃ自己肯定感も低くなる。自分は幸せになる資格がないって思い込んじゃうのも無理ない。見ていて本当に胸が苦しくなった。

その分、桑延の優しさが光ってたね。イーファンの状況を悪化させないように、そっと本を郵便受けに入れるシーン。あそこは最高だった。彼の行動一つ一つに、不器用だけど深い愛情が詰まってる。

夢遊病の使い方も脚本がうまい。最初はコミカルなやり取りに使われていたけど、それが彼女の深いトラウマの表れだと分かる。そして最後には、無意識下での本音の行動につながる。あのキスシーンは息をのんだよ。意識がないからこその、純粋な気持ちの表れ。桑延が固まるのも分かる。この一回のキスで、二人の関係は大きく動くはずだ。

つづく