あらすじ

龍卑那(りゅうひな)殺害事件の真犯人がわかった。一件落착のはずが、上司の于得水(うとくすい)は頭を抱えてる。犯人が焉楽(えんらく)国の人間と関わりがあったからだ。これで下手に刺激したら、大雍(たいよう)と焉楽の平和な関係が壊れかねない。そんなヤバい状況で、焉楽から重臣の康雲海(こううんかい)がやってくる。もう波乱の予感しかない。

ネタバレ

焉楽から来た使節団、康雲海って男がいきなりケンカ腰だ。喪服を着て長楽城にやってきて、出迎えた大雍の役人にも喪服を着ろと要求する。完全にこっちを試してる態度だ。でも、ここで元莫(げんばく)が機転を利かせる。使節団が入るはずの正門を閉めさせ、お前らは地元民と同じ脇の門から入れとやったんだ。理屈で負けた康雲海は、一旦その場では引き下がる。

いざ話し合いが始まると、康雲海は龍卑那を殺した犯人の紅葉(こうよう)を引き渡せの一点張りだ。こっちはいや、紅葉は大雍の人間だから、うちの国の法律で裁くと主張するけど、まったく聞き入れない。交渉は完全に決裂状態になる。

その頃、王昆吾(おうこんご) の過去を調べていた。元莫の両親は、昔、焉楽へ向かう途中で殺されていたんだ。それは焉楽で権力者の龍突麒(りゅうとつき)が反乱を起こした年だった。だから上司の于得水は、元莫をこの件から遠ざけようとしてたわけだ。親の仇かもしれない相手と会わせるわけにはいかないっていう、彼なりの配慮だったんだね。

でも、事態は誰も予想しない方向に動く。その夜、捕らえられていた龍格(りゅうかく)が牢を抜け出し、紅葉を殺害してしまう。マジかよって展開だ。

翌日、龍格は康雲海の前に引き出される。すると康雲海は、みんなの前で国の平和を乱すとは何事だ!と龍格を叱責し、その場で殺してしまうんだよ。あまりに白々しい態度に、こっちは言葉も出ない。

結局、事件の重要人物二人があっけなく死んで、真相は闇に葬られた。残された四方館のメンバーは、また厄介な交渉の準備を始めるしかなかった。

感想

今回はマジで外交の怖さを見せつけられた回だったな。康雲海っていう焉楽の使節、食えないやつすぎる。最初から最後まで全部あいつの掌の上で転がされてる感じがした。喪服で乗り込んでくるところからして、ただじゃ済まないってオーラがすごかったよ。元莫が一度は機転でやり返したけど、相手の方が何枚も上手だった。龍格にあっさり紅葉を殺させて、その龍格も口封じのために殺す。この冷酷さと計算高さはヤバい。こっちが一人殺されたから、そっちの重要人物二人を殺してチャラにしてやる、みたいなメッセージにも見える。こんな連中と渡り合わなきゃいけない四方館のメンバー、胃に穴が開きそうだろ。特に于得水さんの心労が目に浮かぶ。元莫の過去も絡んできて、ただの事件じゃ済まなくなってきた。物語が一気にきな臭くなってきた感じがたまらない。

つづく