あらすじ

ラスボスの応則唯(おうそくい)をなんとか倒した。これで平和が戻ると思ったのに、まだ終わりじゃなかった。嵇煬(けいよう)の体内に残った陰祝っていうヤバい力が、いつ爆発してもおかしくない状態らしい。

専門家である吃苦大師(きっくたいし)に話を聞きに行くと、彼の顔はめちゃくちゃ曇ってる。嵇煬(けいよう)が完全な魔物になったら、応則唯(おうそくい)と同じかそれ以上の存在になるって言うんだ。しかもタイムリミットは3日。3日後に血の月が現れたら、世界は終わり。それを防ぐ方法はたった一つ。南顔(なんえん)が、愛する嵇煬をその手で殺すこと。

そんなこと、できるわけないだろ。南顔(なんえん)だって当然、首を縦には振らない。愛する人を殺すなんて選択、ありえない。

一方、嵇煬は意識を取り戻す。彼は自分が暴走して南顔を傷つけたことを謝るけど、南顔は全然気にしてない。ただ彼が戻ってきてくれれば、それでいいんだ。

南顔は覚悟を決めた。残された3日間、嵇煬と普通の恋人として、やれることを全部やろうって。

ネタバレ

ここからが、この物語の本当のクライマックスだ。

南顔と嵇煬は、手をつないで街を歩く。普通のカップルみたいに。輪投げの屋台を見つけて、嵇煬が子供たちのために景品を全部取っちゃう。店主が怒る前に、二人は笑いながらその場を走り去る。昼から夜へ、ただ二人で歩いて、いろんなものを買って、似顔絵を描いてもらう。この何気ない日常が、見ていて本当に胸を締め付ける。

夜、嵇煬は南顔にサソリの木彫りを渡す。その瞬間、南顔は気づくんだ。彼の記憶が完全に戻っていたことに。驚きと喜びで、南顔は泣きながら彼に抱きつく。そして二人は結婚を誓い合う。

仰月宗の部屋を二人で飾り付けて、ささやかな結婚式を挙げる。天地に誓い、夫婦の杯を交わす。その夜、南顔は古の神に祈りを捧げた。自分の修行の力、自分の命、そのすべてを懸けて、嵇煬が魔にならないようにと。

嵇煬は、愛おしそうに南顔の髪を梳かし、眉を描いてあげる。南顔は木櫛を二つに割り、片方を嵇煬に渡した。これは来世でも、必ずあなたを見つけ出すっていう約束の証。

そして、運命の3日目が来る。血のように赤い月が空に昇り、二人の最後の戦いが始まった。仲間たちは、ただ見ていることしかできない。

南顔は、自分の持つ三つの強大な力涅槃妖心梵骨禅心六合道心をすべて破壊した。その莫大なエネルギーで、嵇煬の中にある魔の力を洗い流し、彼を救うために。

世界は静寂を取り戻した。でも、南顔はたった一人になった。彼女は二人が最初に出会った場所に戻り、静かに彼の帰りを待ち続ける。

時は流れて3年後。中秋の名月の日、南顔は友人の穆戦霆(ぼくせんてい) と火鍋を囲んでいた。殷琊(いんや) は妖皇になり、穆戦霆(ぼくせんてい) は結婚して子供も生まれていた。

宴の後、南顔が一人で夜の市を歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえる。振り返ると、そこにいたのは嵇煬にそっくりの青年だった。次の瞬間、二人の手のひらに、同じ霊犀印という印が浮かび上がる。同じ一本の傘の下で、二人はただ静かに微笑み合った。

最終回の感想

いやー、すごかった。正直、どっちかが消えるバッドエンドも覚悟してた。だからこそ、最後の再会のシーンは本当に心にきた。ただ愛する人と穏やかに暮らしたい。その願いが、これでもかってくらい打ち砕かれる展開は、見ていて本当に辛かった。

特に、南顔の覚悟が凄まじい。自分のすべてを犠牲にしてでも、嵇煬一人を救うっていう決断は、普通じゃできない。だからこそ、決戦の前に過ごしたあの短い恋人としての時間が、めちゃくちゃ尊く見えたんだよな。輪投げではしゃいだり、二人で一つの杯を交わしたり、そういう何気ない一つ一つが、涙腺を刺激してくる。

3年後に再会するっていう結末は、もうご褒美みたいなもんだ。しかも、ただ生きてましたじゃなくて、生まれ変わって、また運命的に出会うっていうのがいい。一度すべてを失ったからこそ、あの最後の微笑みが、何倍も輝いて見えた。最高の最終回だったと思うよ。

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