あらすじとネタバレ
絆が深まった、はずだったのに
南顔(なんえん)が竹林に戻ると、そこは道生天の弟子たちの死体で埋め尽くされていた。その近くに、嵇煬(けいよう)が弱々しく座っている。見た感じ、かなり重傷だ。南顔(なんえん)が間に合ってよかった。彼女は嵇煬(けいよう)の心疾を抑える霊荊草を採ってきて、彼を助けるんだ。 この時、自分の腕も怪我してしまう。それを見た嵇煬が、今度は南顔の傷を優しく手当てしてやる。これってもう、二人の間に特別な何かが芽生えたってことだよな。
南顔もそう思ったんだろう。私たち、生死を共にした仲じゃないかってね。だから、このタイミングで頼み事をしようと考えた。彼女は銅鼎の火鍋を用意して、嵇煬に呪いを解いてほしいと切り出す。でも、嵇煬の答えはノーだった。きっぱり断られちまうんだ。南顔からすれば、薄情なやつだって思うよな。嵇煬は俺たちの間にどんな情があるんだ?なんて聞き返す始末。南顔は言葉に詰まって、その場をごまかすしかなかった。
偽物登場、そして恋のライバル出現
次の日の朝、嵇煬の様子が明らかにおかしかった。急に酒を飲みだしたり、鶏肉をむさぼり食ったり、態度がとにかく変なんだ。南顔もこいつ、誰だ?って警戒する。案の定、そいつは偽物だった。南顔が持つ銀蛟珠を狙う狐族の太子、殷琊(いんや) が化けていたんだ。 あっさり見破られて、殷琊(いんや) は狐の尻尾を出す羽目になる。
穆戦霆(ぼくせんてい) がすぐに殷琊を捕まえる。南顔は短剣を突きつけて、彼の真の目的を探ろうとするが、その隙に逃げられてしまう。でも、宗門から出る前に符浪(ふろう)たちに行く手を阻まれた。符浪(ふろう)はこの機会に、南顔が妖族をかくまったと大声で非難する。法宝で殷琊を捕らえて、師匠に引き渡そうとした。
そこに南顔が割って入って、法宝を奪い取る。符浪と言い争っていると、宗主の孟之光(もうしこう)が現れて二人を止めた。孟之光(もうしこう)は法宝を取り上げ、真相が分かるまで彼が預かると宣言する。
新たな同居人と嫉妬の嵐
孟之光は一人で殷琊を取り調べる。すると殷琊は、宗主がこっそり珍宝閣の品で借金を返済している秘密をネタにした。数日間、宗門に置いてくれと要求するんだ。孟之光はそれを受け入れるしかなかった。ただし、宗門の安全を保証する代わりに、毎日掃除をするという条件付きでな。
狐族の殷琊は幻術の使い手だ。孟之光との話が終わるやいなや、南顔を術で操って銀蛟珠を奪おうとする。その絶体絶命の瞬間に、本物の嵇煬が帰ってきた!彼は傷を癒して戻ってきたんだ。嵇煬はあっさりと殷琊を撃退し、幻術を解くように警告する。
殷琊は太子とはいえ、実力は嵇煬にはるか及ばない。仕方なく幻術を解く。嵇煬は殷琊に南顔に近づくなと釘を刺した。でも、殷琊は聞く耳を持たない。それどころか、弱いふりをして南顔の同情を引こうとするんだ。まんまとその作戦に引っかかった南顔は、彼をここに置いてやることにした。お人好しだよな。その上、嵇煬にはもう治ったでしょと、出て行かせようとする始末だ。
嵇煬は当然、残ると言い張る。殷琊が南顔の前でいい子ぶるのを見て、心の中は嫉妬の炎でメラメラだ。思わずカッとなって、殷琊を傷つけてしまう。南顔はかいがいしく殷琊を手当てしながら、なぜ銀蛟珠を狙うのか尋ねた。殷琊はとっさに亡くなった姉の思い出の品なんだと嘘をつく。それでも南顔は、珠は渡せないと断った。彼女にとっても、それはすごく大切なものだからな。
殷琊は次に、嵇煬を追い出すよう孟之光に頼みに行く。でも南顔が嵇煬はまだ怪我人だからと、それを断った。代わりに、殷琊に宗門の雑用を言いつけるんだ。食事が欲しければ、霊田の世話をしろってことだ。
嵇煬は、殷琊が仮病を使って南顔に近づくのが気に入らない。嫉妬でどうにかなりそうだ。彼は南顔を厨房に誘い、なんとか二人を引き離そうとする。南顔は結局、食い気を優先して厨房へ向かった。去り際に二人とも、仲良くしててねなんて言い残して。残された嵇煬と殷琊は、表向きはうなずく。でも、心の中ではお互いを敵として、火花を散らしていた。
感想
いやー、今回は新キャラの殷琊がいい感じにかき回してくれたな。嵇煬一筋かと思いきや、強力な恋のライバル登場だ。しかも、ただのイケメンじゃない。腹黒くて、嘘つきで、でもどこか憎めない。こういうキャラがいると、話がグッと動くよな。嵇煬の嫉妬むき出しの顔も最高だった。今までクールだった男が、恋でムキになる姿はたまらない。南顔はちょっと鈍感すぎる気もするけど、彼女の人の良さが二人を振り回すんだろうな。男二人の火花散る戦いが、これからどうなるか楽しみだ。
つづく