2010年、陸行知(ルー・シンジー)が、家で見つかった一足の古いスニーカーを見て、突然泣き出す。その異常な反応から、陸行知と妻の楊漫(ヤン・マン)は、それが13年前の事件に繋がる重要な手がかりだと直感する。一方、衛崢嶸は、かつて白暁芙(バイ・シャオフウ)が研究室に残したかもしれない物証に最後の望みを託し、陸行知と共に母校の大学を訪れる。そこで衛崢嶸は、心にしまい込んでいた過去と向き合うことになる。1997年のパートでは、若き日の二人が、膨大な貸出カードの中から犯人を特定しようと、地道で過酷な捜査を続けていた様子が描かれる。

「DUST~十三年の追憶~」あらすじネタバレ17話

娘が覚えていた犯人の靴

2010年

話は陸行知(ルー・シンジー)の家から始まる。妻の楊漫(ヤン・マン)が家の掃除をしていた。そこで見つけたのが、何年も前に南都で流行った鷹力鞋っていうスニーカー。楊漫(ヤン・マン)が試しに履いてみたんだ。すると、娘の安寧(アンニン)がそれを見て急に泣き出した。靴を脱ぐと泣き止む。また履くと泣き出す。陸行知(ルー・シンジー)は顔を見合わせた。ピンときたんだよな。安寧はあの事件の日、犯人が履いていた靴を覚えていたんだ。

1997年

ここで時間は13年前に飛ぶ。衛崢嶸(ウェイ・ジョンロン)は白暁芙(バイ・シャオフウ)に会いに行っていた。彼女の息子ともすっかり打ち解けて、楽しそうに遊んでいる。そこに現れたのが白暁芙(バイ・シャオフウ)の元夫。息子を迎えに来たんだけど、衛崢嶸を見る目がめちゃくちゃ冷たい。まあ、当然か。衛崢嶸は帰り道、公衆電話から自分の息子に電話をかける。急に父親の顔になるのが、なんかグッとくるよな。

その頃、陸行知(ルー・シンジー)は別の捜査をしていた。例の似顔絵について美術の先生に聞き込みをしてる。先生は絵を見て言った。これは素人の絵だね。人体のバランスがおかしい。その後、陸行知は衛崢嶸に鷹力鞋の情報を共有する。二人は図書館へ向かった。被害者・莫蘭(モー・ラン)の同僚に話を聞くためだ。陸行知は、莫蘭(モー・ラン)が借りていた探偵小説の貸出カードに注目した。このカードに名前があるやつを、一人ずつ潰していきましょうとんでもない作業量だ。でも陸行知は自分でやると言い張る。結局、衛崢嶸も一緒にその地獄のような作業を手伝うことになる。犯人の名前がこの中にある。そう分かっているのに見つけられない。陸行知の顔に絶望の色が浮かぶんだ。

過去からの手がかり

2010年、再び

現代に戻る。衛崢嶸が、ある可能性に気づく。莫蘭の爪に残っていた皮膚組織、当時の技術じゃ鑑定できなかったよなもし白暁芙(バイ・シャオフウ)がそれを冷凍保存していたら、今の技術ならいけるんじゃないか?すごい発想の転換だ。二人はすぐに南都大学へ向かった。白暁芙が亡くなった後、研究室は謝先生という人物が引き継いだらしい。でも、その先生は今、イギリスにいる。陸行知はとりあえず先生のメールアドレスを手に入れた。

大学を訪れたことで、衛崢嶸の心は揺れる。白暁芙との思い出が蘇ってきたんだ。彼の表情が少し曇る。彼女の墓に行かないか陸行知にそう誘った。衛崢嶸は静かに語り始める。白暁芙が死んだ直後は本当に辛かったこと。時が経つにつれ、彼女の顔もだんだん思い出せなくなってきたこと。そして、自分が刑事を辞めた理由の半分は、彼女のためだったこと。師匠の過去が、ここで重く響いてくる。

一方、娘の安寧には少しずつ変化が見られた。呉嘉(ウー・ジア)という青年に励まされ、心を閉ざすきっかけになったバイオリンを再び手に取る。その様子を陰から見守っていた楊漫は、安心してその場を去った。母親として、少しホッとした瞬間だったろうな。

空振りの連続

ただ、捜査は簡単には進まない。陸行知の元には、イギリスから一本の電話が入る。でもそれは捜査とは無関係のクレームだった。別の詐欺師に関するタレコミも、通報者のウソだったことがわかる。頼みの綱だった事件の物証も、市局の倉庫ですぐには見つからない。待ってくれと言われるだけ。何もかもが行き詰まっている感じが、見ていて本当に歯がゆい。

感想

今回は、過去と現在の繋がりがめちゃくちゃ濃密になった回だったな。特に靴だよ。13年間、言葉を発せなかった娘の安寧が、その記憶だけで犯人の手がかりを示す。この展開には鳥肌が立った。ただの物じゃなくて、記憶を呼び覚ますスイッチになるっていうのが、このドラマの面白いところだ。

衛崢嶸の人間味あふれる部分が見えたのも良かった。白暁芙への未だ消えない想いとか、不意に息子を恋しがる父親の顔とか。彼がただのタフなベテラン刑事じゃないってことがよくわかる。彼が刑事を辞めた理由に白暁芙が関係していたっていう告白は、かなり重かったな。彼の背負ってきたものの大きさを感じたよ。

重苦しい事件の捜査が続く中で、安寧が呉嘉のおかげで少しずつ心を開いていくシーンは、唯一の救いかもしれない。母親の楊漫がそっと見守る姿も印象的だった。

全体を通して、1997年の地道すぎる捜査と、2010年の行き詰まった捜査が交互に描かれる。この対比がすごく効いてる。希望が見えたかと思えば壁にぶつかる。このもどかしさが、逆に俺たちをどんどん引き込んでいくんだよな。

つづく