第16話 ネタバレ
悪夢にうなされる男、リー・インリアン
リー・インリアンが完全に壊れかけてる。夜中に悪夢で飛び起きる毎日だ。夢には決まってシェン・ジーホンが出てくる。冷たい顔でミー・ランの仇だって言われるらしい。そりゃあ、あれだけのことをしたんだから当然だよな。助けを求めて叫んで、やっと夢から覚める。でも悪夢はそこで終わらない。ふとテーブルを見ると、シェン・ジーホンが残した葉巻が置いてある。夢じゃなかった。あいつ、本当に家に来てたんだ。リー・インリアンは恐怖のあまりパニック状態。着の身着のまま家を飛び出していった。もう正気じゃない。
それぞれの思惑
その頃、シェン・ジーホンの屋敷は穏やかだ。彼はミー・ランの再生を祝っていた。わざわざ長寿麺を用意して、ゆで卵の殻まで剥いてあげる。ミー・ランは本当に嬉しそうに麺をすする。シェン・ジーホンの顔をじっと見つめてる。生きててよかったって顔に書いてあるよ。この幸せがずっと続けばいいのに、って願ってるんだ。
一方、ジンシュエは家の問題で動いていた。叔父の帳簿を調べて、アヘン密売の証拠を探してる。もちろん叔父はシラを切り通す。こっちも一筋縄ではいかない。
そんな中、ジンシュエのところにリー・インリアンが転がり込んできた。ちょうど彼女はスートゥー・ウェイリエンと一緒にいた。リー・インリアンの姿を見て、ウェイリエンは慌てて逃げ出す。面倒ごとに巻き込まれたくないってわけだ。リー・インリアンはジンシュエに泣きつく。ウェイリエンが君を口説いてるのを利用して、俺を助けてくれってさ。本当にどこまでも自分勝手な男だよ。
兄弟のすれ違い
ウェイリエンは兄のシェン・ジーホンに会いたがっていた。やっとのことで屋敷で捕まえたのに、兄の態度はめちゃくちゃ冷たい。金ならいくらでもやる、みたいな態度だ。ウェイリエンは必死に何かを説明しようとする。でもシェン・ジーホンは聞く耳を持たない。そこへミー・ランが駆け寄ってくる。彼女の目が見えるようになったことにウェイリエンは驚く。すぐに嫉妬心が爆発した。兄さんは昔、俺を宝物みたいに扱ってたじゃないか!今はミー・ランがいれば俺は用なしか!そのうち子供でも作るんじゃないの?この一言でシェン・ジーホンはブチギレ。ウェイリエンを屋敷から追い出した。まあ、口は悪いけど、ウェイリエンはシェン・ジーホンがずっと探してた弟なんだよな。
絶体絶命のレストラン
リー・インリアンは諦めない。ジンシュエとウェイリエンのデートに厚かましくついてきた。ウェイリエンに5万元を提示して、シェン・ジーホンへの仲介を頼む。金に目がくらんだウェイリエンは、その話に乗った。
ウェイリエンとジンシュエが楽しそうに店を出ていく。一人残ったリー・インリアンは、やっと一息ついた。目の前のステーキをがっつき始める。その時だった。彼の隣に、シェン・ジーホンが音もなく座った。リー・インリアンは顔を引きつらせる。シェン・ジーホンの無言の圧力に耐えながら、ステーキを無理やり喉に押し込む。シェン・ジーホンは満足げな表情を浮かべた。次の瞬間、彼はリー・インリアンを殴って気絶させた。外で待っていた部下が生子(ションズ)が心配して店に入る。店員はお客様はもうお帰りになりましたと告げるだけだった。
雪の中の約束
リー・インリアンが目を覚ましたのは、薄暗い地下室だった。彼はシェン・ジーホンに土下座して命乞いをする。自分はまだ利用価値があると必死にアピールする。でもシェン・ジーホンは聞く気もない。
シェン・ジーホンはリー・インリアンの家を調べた。大した金も持っていないことに気づく。これで俺が提示した100万を断ったのかと呆れただろうな。
屋敷では、ミー・ランがシェン・ジーホンの帰りを待っていた。彼の姿を見つけると、子犬のように駆け寄る。ミー・ランは雪が好きだと言った。シェン・ジーホンと出会った日も雪が降っていたから。シェン・ジーホンは彼女の手を引いて、雪が降る庭に出る。その目はとても優しかった。ミー・ランが尋ねる。どうして、私にそんなに良くしてくれるの?シェン・ジーホンの目から、ふっと光が消えた。彼は静かに答える。君は、私の親族だから二人は約束を交わした。次に雨が降ったら、ミー・ランが行きたい場所に連れて行くと。
第16話の感想
今回はリー・インリアンのビビりっぷりが最高だったな。シェン・ジーホンの復讐って、直接手を下すだけじゃない。じわじわと精神的に追い詰めていくスタイルが本当に陰湿で、見ていてゾクゾクする。夢の中まで追いかけて、現実にも痕跡を残すとか、ホラー映画の演出かよ。
一方で、シェン・ジーホンとミー・ランのシーンはすごく静かで美しい。特に雪の中での約束は印象的だった。でも、シェン・ジーホンの親族だからっていうセリフが引っかかる。ただの愛情だけじゃない、何か別の目的を感じさせる一言だ。彼の優しさが、全部計算されたものだったらと思うと怖い。
あと、弟のウェイリエンがいい味を出してる。兄に構ってほしい子供みたいな嫉妬が、シリアスな話の中で良いスパイスになってる。彼がリー・インリアンとシェン・ジーホンの間に入ることで、物語がどう動くのか。恐怖とロマンスが絶妙に混ざり合って、目が離せない回だった。
つづく