あらすじ:絶体絶命のジーホン
リー・インリアンに捕まったシェン・ジーホンは、完全に追い詰められていた。血への渇望が、彼の理性を少しずつ蝕んでいく。目の前で人が息絶える。ジーホンは怒りをこらえ、その人に自分のマントをかけた。それが彼にできる最後の弔いだった。静かに涙が一粒、彼の頬を伝う。
その頃、ミー・ランは気が気じゃなかった。ジーホンが捕まったという噂を聞き、いてもたってもいられない。彼女は一人で病院へ走り、スートゥー医師に助けを求めた。ただ、スートゥーは手術の準備中で会うことができない。彼はジーホンが警察に捕まるなんて信じられなかった。
頼るあてを失ったミー・ランは、父親の家へ向かう。そこでは父と八番目の夫人が、南方へ高飛びする準備をしていた。父は娘を助ける気がない。それどころか、八番目の夫人に止められてしまう。結局、父は知り合いに電話一本かけただけ。案の定、断られた。彼はミー・ランに少しのお金を渡して、さっさと駅へ向かってしまった。
ネタバレ:ミー・ラン、決死の作戦
警察署では、リー・インリアンが好き放題やっていた。ジーホンの釈放を求める民衆を暴徒と決めつける。部下に命じて、武力で鎮圧させようとした。本当にやり方が汚い。ジーホンを脅すために、新聞社の人間まで捕まえてきた。
スートゥーもジーホンが捕まったと聞き、ジンシュエの元へ駆け込む。彼は友達じゃない。俺の一番大切な家族なんだ。そう訴えて、彼女を説得した。
二人は警察署に乗り込む。ジンシュエはリー・インリアンをなだめようとした。ところが、リー・インリアンはジーホンに傷つけられたと嘘をつく。それを聞いたジンシュエは、あっさりリー・インリアンの味方についた。挙句の果てに、リー・インリアンは彼女に怒鳴り散らす。プライドを傷つけられたジンシュエは、怒って帰ってしまった。万事休すだ。
その時、警察署にミー・ランが現れた。彼女は震える声で、とんでもないことを言い出す。通報します。私、辱められました。犯人はシェン・ジーホンだ、と。ジーホンは檻の中から、信じられないという顔で彼女を見つめる。
ミー・ランは犯人確認のためだと言い、ジーホンに近づくことを要求した。彼のそばに行くと、彼女は顔を撫でるふりをする。署内には大勢の記者が集まっていた。次の瞬間、ミー・ランは自分の唇を強く噛み切った。そして、血がにじむ唇でジーホンにキスをしたんだ。
署内は騒然となる。血を得たジーホンの瞳に、一瞬だけ力が戻った。ミー・ランの視界も、ほんの一瞬だけ鮮明になる。リー・インリアンが慌てて二人を引き離す。ミー・ランは人違いでしたとしらを切った。
この騒ぎのおかげで、ジーホンは回復する。そこに上役のチー・インシャンが駆けつけ、リー・インリアンを平手打ちした。彼はジーホンの釈放を命じる。これ以上、事態を悪化させたくなかった。ジーホンはミー・ランの手を固く握り、忌まわしい警察署を後にした。
屋敷に戻ったジーホンは、限界だった。彼はミー・ランに朝までそばにいてくれと言い残し、その場で意識を失う。ミー・ランは恐怖に震えながらも、倒れた彼の手を握りしめ、ただそばに居続けた。
第7話の感想:ミー・ランの覚悟に震えた
いや、今回の主役は完全にミー・ランだったな。今までか弱くて、守られるだけのお嬢様だと思ってた。俺の目が節穴だったよ。愛する人を救うためなら、自分の名誉も何もかも捨てられる。あんな大胆な行動に出るなんて、誰が想像しただろうか。警察署でのあのキスシーン。あれはただのロマンスじゃない。命がけの輸血だ。自分の唇を噛み切って血を与えるなんて、並大抵の覚悟でできることじゃない。あの瞬間の彼女の表情、最高に痺れた。一方で、リー・インリアンの小物っぷりがどんどん加速していくのも面白い。自分の立場が危うくなると、すぐに暴力的になったり嘘をついたり。彼の焦りが、ジーホンとミー・ランの絆を逆に強くしている皮肉な展開だよな。スートゥーの友情やジンシュエの揺れる心も描かれて、物語に厚みが出てる。とにかく、ミー・ランの愛の深さと強さに、ただただ打ちのめされた回だった。
つづく