シェン・ジーホンは、愛する米嵐(ミー・ラン)の身に危険が迫っていることを察知する。彼は彼女を守るため、ある計画を実行に移し、自らは姿をくらます。一方、ジーホンに異常な執着を見せる厲英良(リー・インリアン)は、彼の行方を執拗に追い続ける。そこに、一族にかけられた呪いを解く鍵を求め、ジーホンを探す謎の女性、沐梨花(ムー・リーホワ)が現れる。それぞれの思惑が海東の街で交錯し、事態は一気に緊迫。ジーホンとミー・ランの運命は、予測不能な方向へと転がり始める。

「氷雪の接吻(くちづけ)」あらすじネタバレ9話

第9話:絡み合う糸、絶体絶命の罠

悪夢にうなされる男

リー・インリアンは悪夢を見ていた。夢にはシェン・ジーホンが出てくる。彼は恐怖で飛び起き、誰もいない椅子に向かって銃を何発も撃ち込んだ。銃を握りしめて、ようやくまた眠りにつく。彼のジーホンへの執着は、もはや病気の域だ。

そんなリー・インリアンの元に、ムー・リーホワという女が現れる。彼女はジーホンのことをもっと知りたいらしい。すごく焦っているように見えた。

束の間の平穏と、迫る影

ジーホンの屋敷では、彼がミー・ランに文字を教えていた。ミー・ランは目が見えない。読み書きもできない。両親に教わったこともなかった。彼女が今、読めるのは沈と諾の二文字だけ。ジーホンがくれた、大切な文字だ。

その頃、ジン・ジンシュエは偶然、リー・インリアンとムー・リーホワが一緒にいるところを見てしまう。彼女はカッとなって駆け寄ろうとした。部下に止められて、一人でめちゃくちゃ不機嫌になっていた。リー・インリアンは後で彼女と酒を飲む。その時、階下の賭場からジンシュエの悪口が聞こえてきた。内容はかなり下品でひどいものだった。リー・インリアンはキレて、部下と一緒にそいつらを叩きのめす。まあ、こういうところは頼りになるのかもな。

ムー・リーホワは、ジーホンこそが探している人物だと確信していた。リー・インリアンは利用できる駒だと考えている。彼女の一族、沐家は誰も30歳を超えて生きられない。だから、ほんの少しの可能性にだって彼女は賭ける。

ジーホンにも、ムー・リーホワが海東に来たという情報が入った。彼女がもうすぐ30歳になること。沐家の人間が30歳までしか生きられないという呪いのことも。彼は部下に命じてムー・リーホワの居場所を調べさせた。深夜、一人で探りに行く。だけど、彼女は姿を見せないままジーホンに傷を負わせた。ジーホンは悟る。ムー・リーホワは、決して甘く見ていい相手じゃないと。

守るための嘘、すれ違う二人

ジーホンは熱々の肉まんを買って、ミー・ランの朝食にした。彼は海東を数日離れると告げる。やるべきことがあるらしい。もしこの街がもう安全じゃないなら、二人でここを離れることになる、と。

ミー・ランは一緒に行きたいと願った。でも、ジーホンは彼女をここに残すつもりだった。ミー・ランを守るために、彼は一つの芝居を打つ。監視の目があることを知っていて、わざとミー・ランと大喧嘩を演じたんだ。二人は屋敷の門の前で怒鳴り合う。その後、ミー・ランは一人で自分の家、米公館へ帰っていった。

米公館では家政婦の張媽がミー・ランの世話を焼く。彼女はジーホンがもう戻らないんじゃないかと心配していた。ミー・ランは信じている。彼は絶対に自分を見捨てないと。

張り巡らされた罠

リー・インリアンにジーホンが逃げた。もう海東には戻らないという知らせが届く。彼は諦めない。俺たちのケリはまだついていない、と。ムー・リーホワもジーホンが行方不明だと聞いて怒っていた。はるばる海東まで来たのは、すべてジーホンのためだったから。彼女は動かずに待つことに決める。彼を見つけさえすれば、一族の呪いが解けるかもしれない。

ジーホンは姿を消している間、墨(モー)先生という人物に会っていた。彼は知っていた。墨先生がこの一連の出来事の部外者ではないことを。玄陽石という石は墨の一族に盗まれた。その力で、彼らは不老不死を保っているらしい。話がどんどんデカくなってきたぞ。

ジーホンがいない間、スートゥー・ウェイリエンは暇を持て余していた。彼はジン・ジンシュエの家に飯をたかりに行く。最近は意外と真面目に仕事をしているようだ。

リー・インリアンは、家政婦の張媽が唯一の突破口だと考えた。彼の読みは当たり、張媽はすぐにボロを出す。ジーホン様はミー・ラン様を迎えに来ますと漏らしてしまったんだ。

リー・インリアンは部下を引き連れて米公館へ乗り込む。ミー・ランは彼の匂いで、すぐに状況を察した。彼女は驚くほど冷静だった。それに腹を立てたリー・インリアンは、彼女を殴りつける。それでもミー・ランはジーホンの居場所を言わない。リー・インリアンは張媽の言葉を信じ、ここでジーホンを待ち伏せることにした。

ジーホンが米公館に戻った時、そこは完全な敵地だった。リー・インリアンの部下だけじゃない。ムー・リーホワが送り込んだ秘密兵器、全身を鎧で覆った謎の人がいた。ジーホンですら、そいつには歯が立たない。

ミー・ランは檻の中に閉じ込められている。リー・インリアンは彼女を人質に、ジーホンに言った。俺たちと来てもらう。最悪の状況だ。

第9話の感想:もう誰も信じられない!

いやー、今回は一気に話が動いたな。ジーホンがミー・ランを守るために打った芝居が、完全に裏目に出た。良かれと思ってやったことが、一番最悪の形で彼女を危険に晒すとか、皮肉が効きすぎてる。見ていて本当に胸が痛かったよ。

リー・インリアンの執念深さもヤバい。悪夢にうなされるほどジーホンに執着して、ついにはミー・ランにまで手を上げた。目的のためなら女子供も関係ないってか。彼の行動はもう完全に一線を超えてる。本当に許せない。

そして新キャラのムー・リーホワ。彼女の背景にある30歳までしか生きられない呪いって設定が重すぎる。だからこそ、彼女の行動には切実さがある。ジーホンを探りに来られて、逆に手傷を負わせるとか、ただ者じゃないオーラがすごい。最後の最後に送り込んできた鎧のやつ、何なんだよあれ。人間に見えないし、動きがヤバい。ジーホン、あんなのに勝てるのか。

それぞれの思惑が複雑に絡み合って、もう誰が敵で誰が味方なのか分からなくなってきた。ジーホン、完全に詰んでないかこれ。

つづく