10年前の事件の最後の証人が、ついに公の場で口を開く。彼女の衝撃的な告白は、事件の根幹を揺るがすものだった。一方、過去のパートでは、あらゆる手を尽くしても真実にたどり着けない江陽(ジアン・ヤン)が、仲間たちに驚くべき計画を打ち明ける。それは、自らの命を賭けて正義を貫くための、あまりにも壮絶な最終手段だった。現在と過去、二つの時間が交錯し、物語は息をのむほどのクライマックスへと突き進む。すべての謎が解け、魂を揺さぶる結末が待っている。
「ロング・ナイト 沈黙的真相」あらすじネタバレ最終回・12話
最後の証人、ついに口を開く
ついに最後の証人、張暁倩(ジャン・シャオチエン)/李雪(リー・シュエ)が動いた。厳良(イェン・リャン)に守られながら、彼女は真実を語るために戻ってくる。でも、悪党どもがそれを見逃すはずがない。案の定、黒幕の孫伝福(スン・チュアンフー)一味が途中で襲撃してきた。
警察と激しい銃撃戦になる。マジで映画みたいな展開だ。結果、警察が勝利し、犯人グループは全員捕まった。胡一浪(フー・イーラン)はその場で射殺された。これで邪魔者はいなくなった。
そして、特別会議が開かれる。張暁倩(ジャン・シャオチエン)/李雪(リー・シュエ)は、本当の名前李雪(リー・シュエ)として、大勢の前で証言を始めた。彼女の口から語られたのは、10年前に侯貴平(ホウ・グイピン)が殺された夜の、誰も知らなかった真実だ。
侯貴平は、女子生徒を無理やり部屋から追い出した。彼は潔白だったんだ。でもその直後、黄毛(ホアンマオ)たちが部屋に押し入って、侯貴平を布団で押さえつけて殺した。これが事件の真相だった。
李雪は事件の後、学校を辞めて工場で働いた。だけど、そこでも悪の手から逃れることはできなかった。彼女の人生は地獄そのものだった。そんな彼女の唯一の支えは、一台の古いラジオだった。
彼女はラジオの法律相談番組に電話をかけた。それがきっかけで、当時の韓局長と繋がる。韓局長は彼女に、証拠をしっかり保管しておくように助言した。いつか真実を明かす時のために。
李雪は後に、正義感の強い刑事、朱偉(ジュー・ウェイ)にも電話で真相を伝えようとした。でも、話の途中で叔父に見つかって、電話を切られてしまう。あと一歩だったのに。
彼女は名前を変え、張暁倩という記者として生きてきた。すべてを忘れたふりをして。でも、江陽(ジアン・ヤン)に出会った。彼のまっすぐな正義が、彼女の心の奥にしまい込んでいた傷と真実を、もう一度引きずり出したんだ。
江陽(ジアン・ヤン)、命をかけた最後の計画
場面は過去に戻る。この頃の江陽(ジアン・ヤン)は、末期がんで余命5ヶ月を宣告されていた。もう時間がない。彼は自分の息子、江小樹(ジアン・シャオシュー)に優しい嘘をつく。お父さんがいなくなったら、空の雲を探すんだ。そこにいるからねって。もう、このシーンだけで涙腺がやばい。
江陽は、最後の賭けに出る。彼は仲間たちを集めた。相棒の朱偉(ジュー・ウェイ)、弁護士の張超(ジャン・チャオ)、法医の陳明章(チェン・ミンジャン)、そして侯貴平の元恋人、李靜(リー・ジン)。
江陽が打ち明けた計画は、あまりにも壮絶だった。自分の死を使って、この事件を世間に告発する。自殺という衝撃的な方法で、社会の注目を無理やり集めるんだ。
もちろん、みんな大反対だ。でも、張超(ジャン・チャオ)だけは江陽の覚悟を理解した。彼は、この無謀な計画に協力することを決意し、他の仲間たちを説得する。
そこに、張暁倩も現れる。彼女もこの命がけの計画に加わると言った。自分の持つメディアの力で、この事件を最大限に拡散させる。そして、あのキレ者の刑事、厳良(イェン・リャン)を捜査に引きずり込む。それが彼女たちの狙いだった。
計画は、信じられないほど緻密に練られていた。まず、江陽と張超(ジャン・チャオ)がわざと大喧嘩をして、警察を呼ぶ。これは、後のアリバイ工作のためだ。警察が帰った後、張超が江陽を絞殺するフリをし、江陽は張超の首に爪で傷をつけた。
翌日、張超は北京行きの飛行機に乗る。その間に、江陽は張超の服を着て、彼の車で自宅に戻る。監視カメラに顔が映らないように、巧みに姿を隠して。
そして、部屋に入った江陽は、陳明章が作った特殊な装置をセットする。首にロープをかけ、リモコンのスイッチを握りしめる。彼は静かに目を閉じ、自らスイッチを押した。ロープが締まっていく。これが、彼の選んだ最後の戦い方だった。
10年越しの真実、そして光
現代の会議室。張暁倩が、江陽の遺したビデオを再生する。スクリーンに映し出された江陽は、驚くほど穏やかな表情だった。
彼は静かに語り始めた。この10年間、検事としてこの事件を追い、どれだけの苦しみと絶望を味わってきたか。そしてビデオの最後には、彼が自ら命を絶つ瞬間が、はっきりと映し出されていた。
その場にいた全員が、息をのんだ。そして、涙を流した。一人の検察官の、魂をかけた告発。それは、その場にいたすべての役人たちの心を、根こそぎ揺さぶったんだ。
このビデオが決定打となった。警察はついに、本格的な捜査に乗り出す。悪党どもは次々と逮捕された。黒幕の孫伝福(スン・チュアンフー)は、追い詰められて自殺した。
そして、裁判が開かれ、残りの悪党たちには、法の下で裁きが下された。10年という長い時間がかかったけど、正義はついに果たされた。
7年後。
江陽の墓の前に、懐かしい顔ぶれが集まっていた。刑期を終えた朱偉(ジュー・ウェイ)、張超、陳明章。彼らの隣には、李靜(リー・ジン)、張暁倩、そして江陽の妻と息子の姿もあった。厳良(イェン・リャン)も、静かにそこに立っている。
みんな、いろんなものを失った。でも、彼らの顔には後悔の色はない。厳良が、江陽の息子にボールを渡す。厚い雲の切れ間から、青い空がのぞいていた。
最後に、陳明章が厳良に、あの自殺装置のリモコンをそっと返す。それは、厳良が事件の真相に気づいていたこと、そして江陽たちの正義を認めたことの、無言の証だった。
このエピソードの感想
いや、もう言葉が出ない。こんな最終回があっていいのか。正義のために、自分の命をここまで完璧な駒として使うなんて。江陽の最後のビデオは、本当に反則だ。彼の穏やかな語り口と、自ら死を選ぶ瞬間のギャップに、胸が張り裂けそうになった。ただ悲しいだけじゃない。絶望の中で、彼らが見つけ出した唯一の希望の形がこれだったんだと思うと、もうどうしようもない気持ちになる。でも、最後の墓のシーンで、少しだけ救われた。彼の犠牲は、決して無駄じゃなかった。仲間たちが彼の意志を継いで、光の中に立っている。本当に、人生で観ておくべき一本だよ、これは。

