あらすじ
街中が大騒ぎだ。新聞が届かないって苦情が殺到してる。輸送車がハイジャックされたらしい。警察が犯人を捕まえたら、カ恩グループの指示だったと白状した。
同じ頃、新聞社のサイトに爆破予告が書き込まれる。警察が発信源を特定すると、カ恩グループが所有するマンションの近くだった。これはもう、完全に黒だろ。予告はカウントダウン形式。タイムリミットは深夜12時。
厳良(イェン・リャン)は爆破場所をカ恩の製紙工場だと睨む。案の定、工場で塩素ガス漏れの通報があった。作業員たちがパニックになって逃げ出す。警報が鳴り響き、パトカーが押し寄せる。その混乱に乗じて、一人の男が姿を消した。そう、朱偉(ジュー・ウェイ)だ。
でも、ガス漏れは嘘だった。誰かがボイラーの給水バルブを閉めただけ。爆発寸前だったけど、未然に防がれた。全ては朱偉(ジュー・ウェイ)が逃げるための陽動作戦だったわけだ。頭が切れすぎる。
厳良(イェン・リャン)は朱偉が工場で働いていた過去を突き止める。元従業員リストをたどり、ついに朱偉の潜伏先へ。給水所の作業員周新民として働く男。彼こそが、伝説の刑事平康の白雪こと朱偉だった。二人の刑事が、ついに対峙する。
ネタバレ
朱偉、全てを語る
厳良がドアを開けると、朱偉は驚きもせず、静かに彼を迎え入れた。まるで、いつかこうなることを知っていたみたいに。朱偉は計画の全てを話し始めた。
彼は4ヶ月もかけてカ恩グループの内情を調べ上げた。製紙工場で過去にガス漏れ事故があったことも知っていた。だから、偽の騒ぎを起こして作業員を避難させるのは簡単だった。陳明章(チェン・ミンジャン)が電子リモコンの技術で協力した。張暁倩(ジャン・シャオチエン)/李雪(リー・シュエ)は街中を駆け回って警察の目を引きつけた。チームプレイで警察を完璧に翻弄したんだ。
話を聞きながら、厳良の心に奇妙な感情が芽生える。これはもう、ただの犯罪者じゃない。執念だ。厳良は朱偉に約束する。俺を信じてくれ。必ず、悪を法の下で裁いてみせる、と。
9枚の写真が示す黒幕たち
朱偉は逮捕され、省の検察幹部たちの前に座る。ここからが本番だ。彼は江陽(ジアン・ヤン)の無念を晴らすため、10年間隠されてきた真相を語り始める。地下鉄に貼られた9枚の写真。その写真が示す巨悪の正体が、一人、また一人と明かされていく。
- 李建国(リー・ジェングオ): 刑事隊長。捜査を歪めた張本人。
 - 孫伝福(スン・チュアンフー): カ恩グループ会長。金の亡者。
 - 胡一浪(フー・イーラン): 孫伝福の右腕。汚れ仕事担当。
 - 秦大川(チン・ダーチュアン): 元副市長。権力の傘。
 - 曾祥東(ゾン・シアン東): 秦大川の娘婿。全ての元凶。
 
侯貴平(ホウ・グイピン)が殺されるきっかけとなった性暴力事件。被害者の一人、葛麗(ゴー・リー)は曾祥東に暴行され、息子を産んでいた。その子は生まれつき白血病だった。骨髄移植が必要になり、母親である葛麗(ゴー・リー)の骨髄が適合した。だから葛麗は殺されず、精神病院に閉じ込められていたんだ。ただ、息子のための部品として生かされていた。
最後の証人、李雪の正体
事件の目撃者だった女子生徒は3人。翁美香(ウォン・メイシャン)は薬を飲んで自殺した。葛麗は行方不明。残るは、ただ一人。李雪だけだ。
朱偉の供述に基づき、厳良は李雪がいるという苗高郷中学校へ急行する。パトカーが校門の前に止まる。厳良が教室のドアを開けると、そこに静かに座っている女性がいた。彼女は、ずっと厳良たちのそばにいた。新聞記者、張暁倩(ジャン・シャオチエン)/李雪(リー・シュエ)。
そう。張暁倩こそが、身分を変えて生き延びてきた最後の証人、李雪だった。
感想
今回は息が詰まった。マジで。今までバラバラだったパズルのピースが、一気に全部はまった感じ。朱偉の計画の全貌が明らかになって、その緻密さに鳥肌が立った。陳明章(チェン・ミンジャン)や張暁倩との連携、警察を完全に手玉に取る手腕。これはもう芸術の域だ。
朱偉と厳良が対峙するシーンは、このドラマのハイライトの一つだと思う。敵同士のはずなのに、お互いの刑事としての魂が共鳴してるのが伝わってくる。厳良が俺を信じろって言うところ、グッときたよ。
そして、何より衝撃だったのはラスト。張暁倩が李雪だったなんて、誰が予想できた?ずっと事件を追う記者として見てきた彼女が、実は事件のど真ん中にいた当事者だった。この脚本、本当にどうかしてる(褒め言葉)。明かされる真相はあまりに重くて、胸が苦しくなる。でも、江陽(ジアン・ヤン)や朱偉が命懸けで守ろうとした光が、確かにここにあったんだって分かって、少しだけ救われた気がした。
つづく
