ネタバレ感想|もうやめてくれ…江陽(ジアン・ヤン)が可哀想すぎる
いや、今回の10話は本当にキツい。マジで見てるこっちの心が折れそうになったよ。江陽(ジアン・ヤン)の人生、どんだけハードモードなんだって。ちょっと光が見えたと思ったら、すぐ底に叩きつけられる。今回はその落差が特にひどかった。
光が見えたと思ったら、また絶望
2007年。事件の鍵を握る王海軍(ワン・ハイジュン)の遺族が、ついに重い口を開く。そう思ったのに。やつらはたった30万元で魂を売った。江陽(ジアン・ヤン)が駆けつけた時にはもう遅い。遺族は骨壷を抱えて、金を受け取って去っていった。真実なんてどうでもいいわけだ。
これにはさすがの朱偉(ジュー・ウェイ)も心が折れた。平康の白雪と呼ばれたあの熱血刑事が、捜査から手を引くって言い出したんだ。無理もないよ。カーン・グループの力はあまりにデカすぎる。これ以上は江陽の家族にも危険が及ぶ。そう諭されて、江陽はとうとう離婚を決意する。もうボロボロだよ。
罠にはめられた江陽、そして刑務所へ
江陽はそれでも諦めなかった。一人でも訴えを続ける。そしたら案の定、敵のボス格、胡一浪(フー・イーラン)から呼び出された。高級クラブで、札束と美女をちらつかせてくる。もちろん江陽は突っぱねる。でも、それが罠だった。
全部隠しカメラで撮られてたんだ。都合よく切り取られた写真。買収されたホステスの嘘の証言。極めつけは、家からなぜか出てきた現金30万。完璧なでっち上げだよ。江陽は収賄容疑で逮捕された。一審の判決は、懲役5年。
弁護士になった張超(ジャン・チャオ)が二審を担当する。彼は罪を認めた方が刑期は短くなると助言した。その結果、江陽は2年間、刑務所に入ることになった。
出所した日、迎えに来たのは陳明章(チェン・ミンジャン)と朱偉(ジュー・ウェイ)だけ。たった2年。でも、その2年で江陽は完全に変わってしまった。若き検事の面影はどこにもない。背中を丸めて、自信なさげに笑う、ただの中年男がそこにいただけだった。
新たな証拠と、残酷な宣告
江陽は刑務所で覚えた携帯修理の店を始める。そんなある日、引退間近の呉検察官(ウー検察官)が訪ねてきた。彼は罪悪感に苛まれていた。そして、侯貴平(ホウ・グイピン)が遺した決定的な証拠を江陽に渡す。性接待のリストと写真だ。
やっと、本当にやっと手に入れた証拠。朱偉や陳明章と久しぶりに集まって、少しだけ希望が見えた。陳明章が江陽の息子のためにくれたご祝儀を、大事にしまい込もうとした、その時。
財布が盗まれた。
たかが財布。でも、これが江陽の心を完全に壊した。今までの苦労、理不尽な仕打ち、すべてがフラッシュバックする。彼はその場で崩れ落ちて、泣き叫んだ。そして激しく咳き込み、血を吐いて倒れた。
病院での診断結果は、肺がん。それも末期だった。
もう言葉もないよ。江陽は治療を断る。残された時間で、この証拠を使って、悪を裁くと決めたんだ。彼の人生そのものを懸けた、最後の戦いが始まる。
現代パート|トリックの解明と新たな謎
現代の捜査パート。厳良(イェン・リャン)の推理が冴えわたる。彼はついに張超(ジャン・チャオ)の家のリビングで、壁を貫通する細い穴を見つけた。これで、どうやって他殺に見せかけたのか、そのトリックが解明された。
監視カメラの映像から、6通目の手紙を新聞社に届けたのが朱偉だったことも判明する。彼もこの計画の重要な一員だったわけだ。
ただ、新たな謎も出てきた。爆破予告に使われたリモコン。厳良(イェン・リャン)が同じおもちゃを買って江陽の息子に会いに行くと、息子はリモコンカーで遊んだことがないと言う。じゃあ、あのリモコンは一体何のために使われたんだ?
このエピソードの感想
今回のエピソードは、精神的にかなり堪えた。江陽が経験する苦難は、もはやフィクションのレベルを超えているように感じる。正義を信じ、真実を追い求めた一人の人間が、ここまで徹底的に打ちのめされるのかと。希望の光が見えるたびに、より深い闇に突き落とされる展開は、見ていて本当に辛い。特に、出所後の彼の変わり果てた姿と、財布を盗まれて心が壊れるシーンは胸が張り裂けそうだった。そして、肺がん末期の宣告。脚本家は鬼かと思ったよ。それでも彼は戦うことをやめない。その姿は痛々しくも、神々しくさえある。現代パートで厳良(イェン・リャン)が着実に真相に近づいているのが唯一の救いだ。この物語がどこへ向かうのか、もう見届けるしかない。
つづく
