弁護士・張超(ジャン・チャオ)の不可解な供述で、地下鉄の死体遺棄事件の捜査は難航する。そんな中、新聞社にHGPと名乗る人物から脅迫状が届いた。指定通りに写真を新聞に掲載しなければ、爆弾を爆発させるという内容だ。刑事の厳良(イェン・リャン)は、犯人の挑発に乗りながら捜査を進めることを決意する。一方、被害者・江陽(ジアン・ヤン)の過去を調べるうちに、10年前に起きた別の死亡事件との奇妙な接点が浮かび上がる。現代の事件と過去の謎が交錯し始め、物語は一気に複雑な様相を呈していく。
「ロング・ナイト 沈黙的真相」あらすじネタバレ2話
さて、第2話の話をしようか。前回、地下鉄で死体を運んだ弁護士、張超(ジャン・チャオ)の事件はますます訳が分からなくなってきた。
謎の脅迫状と九マスの写真
張超(ジャン・チャオ)は犯行当日、別の場所にいたアリバイがある。なのに、供述は事件の状況とピッタリ一致するんだ。一度は俺が殺したと認めたくせに、すぐさま全面否認。一体何がしたいんだか。刑事の厳良(イェン・リャン)たちも、さすがに頭を抱えてる。動機がまったく見えてこない。
捜査が行き詰まった、まさにその時だ。新聞記者、張曉倩のもとに一通の匿名の手紙が届く。中には写真の一部と短い文章。差出人はHGP。
手紙の内容は、とんでもない脅迫だった。これから九マスのゲームを始めると言うんだ。3日ごとに写真を一枚ずつ送り、24日間で9枚揃える。そうすれば、江陽(ジアン・ヤン)を殺した犯人を公開する、と。条件は、その写真を新聞の一面に載せること。もし載せなければ、街のどこかに仕掛けた爆弾を爆発させる。完全に警察への挑戦状だ。
警察の作戦と新たな容疑者
新聞社の編集長は、このスクープに色めき立つ。だけど、厳良(イェン・リャン)はもっと冷静に見ていた。差出人が言う24日間という期間。これが、張超が口にした数字と一致する。偶然じゃない。
警察は犯人の挑発に乗ることにした。新聞をこっそり限定発行して、犯人をおびき出す作戦だ。まさに毒をもって毒を制すってやつだな。
張超本人は、この九マスの写真ゲームについて俺は知らないと言い張る。でも、ここで一つ、決定的なボロが出た。あいつは強度の近視なんだ。なのに、事件当日、普段は乗らない地下鉄の出口を、メガネもかけずに正確に見つけている。どう考えてもおかしい。事前に何度も下見してなきゃ、できるわけがない。
過去の事件が動き出す
厳良たちが江陽(ジアン・ヤン)の死体があった部屋を再調査していると、カーテンの後ろから一人の女性が現れた。李靜(リー・ジン)だ。彼女は驚くほど落ち着いていた。
李靜(リー・ジン)は、江陽について衝撃的なことを話し始める。江陽は検察官時代に賄賂を受け取っていた。張超から大金を借りてギャンブルに使い込んだ。不倫が原因で妻と離婚した。聞けば聞くほど、ろくでもない男だ。江陽は張超の自慢の教え子だったはずなのに、一体何があったんだ?
捜査はなかなか進まない。でも、厳良が江陽の遺品を調べていて、ついに重要な物を見つける。侯貴平(ホウ・グイピン)という男の身分証のコピーだ。この名前の拼音(ピンイン)の頭文字を取るとHGP。脅迫状の差出人と同じだ。
任玥婷(レン・ユエティン)が档案を調べると、侯貴平(ホウ・グイピン)は10年前に死んでいた。しかも、脅迫写真の背景になっていた平康県の出身。これで点が線につながってきた。死んだはずの男が、10年後に脅迫状を送ってくる。ミステリーが加速してきたぞ。
7年前、すべてが始まった日
厳良たちは、江陽の元カノ、呉愛可(ウー・アイカー)に会いに行く。彼女の口から語られたのは、俺たちが知っている江陽とはまったく違う、輝かしい過去だった。
7年前の江陽は、超エリート検察官。将来を嘱望され、若くして出世コースに乗っていた。呉愛可(ウー・アイカー)の父親は検察院の副検事長で、二人の交際を応援していた。結婚も間近だったらしい。
そんな順風満帆な人生を壊したのが、李靜(リー・ジン)の訪問だった。
李靜(リー・ジン)と江陽は大学の同級生。李靜(リー・ジン)の恋人だったのが、あの侯貴平だ。侯貴平は教師として赴任した村で死んだ。公式発表は川で溺れて事故死。でも警察の資料には婦女暴行の容疑で逮捕を拒んで逃走し、誤って川に落ちたと書かれていた。
李靜(リー・ジン)は、侯貴平は殺されたと信じていた。彼は赴任先の女子生徒が性被害に遭った事件を調べていて、何度も上層部に調査を訴えていた。その矢先の死だったからだ。
李靜(リー・ジン)は江陽に、侯貴平の冤罪を晴らしてほしいと頼み込む。江陽は最初、ためらった。検察官として、一度終わった事件を蒸し返すことの難しさを知っていたからだ。妥協は、大人になった証でもある。
でも、若くて正義感にあふれていた恋人の呉愛可が、彼の背中を押してしまう。正義を貫いて、徹底的に調べてと。この一言が、江陽を孤独な道へと追いやることになる。ここから、彼の長い夜が始まったんだ。
このエピソードの感想
第2話で物語のエンジンが一気にかかった感じだ。現代の地下鉄死体遺棄事件と、10年前の侯貴平の不可解な死。この二つがHGPというキーワードで繋がった瞬間、鳥肌が立ったよ。死んだはずの男からの脅迫状なんて、面白くなるに決まってる。
それにしても、主人公の江陽の人物像がどんどん分からなくなってくる。最初はただの気の毒な被害者だと思ってた。そしたら李靜(リー・ジン)の話で、賄賂にギャンブル、不倫までするクズ男だったことが分かる。かと思えば、過去編では超エリートで正義感の強い好青年だ。一体どれが本当の江陽なんだ?この多層的なキャラクター造形が、ドラマに深みを与えている。一つの事件を追ううちに、一人の人間の人生そのものを追体験させられる。この感覚がたまらない。謎は深まるばかりで、次の手がかりが待ち遠しい。
つづく
