第9話 ネタバレ:すれ違う想いと新たな陰謀

玉璽の力とミョンユンの後悔

イ・ゴンは無事に祖父と叔父に会えた。もちろん、チェ・ミョンユンとカプソクも一緒だ。ミョンユンは別室で休むように言われる。でも、彼女の心は全然休まらなかった。今までバラバラだったピースが、ここで全部ハマってしまったんだ。自分の父親が世子を殺そうとしていた。その事実に気づいて、後悔で胸が張り裂けそうになってた。

ゴンは祖父たちに、自分がどうやって濡れ衣を着せられたかを話す。父である王を殺した罪で廃位させられた、と。ここに長居はできないと言うゴン。でも祖父たちは、彼を全力で守ると言って聞かない。

その頃、ミョンユンは会議室の外で待っていた。カプソクが近づいてきて、何を盗み聞きしてるんだと聞く。ミョンユンは逆に、なぜゴンが廃位されたのかと問い詰めた。カプソクは答えない。そんなことは自分の主人か奥様に聞け、と冷たく言い放つ。

そこに突然、王宮の衛兵たちが現れた。ゴンを逮捕しに来たんだ。王命だと言って書状を突きつける。でも、みんなが驚いた。ゴンが懐から玉璽(ぎょくじ)を取り出したからだ。これはトソン大君経由で、王妃がこっそりゴンに渡したもの。本物の玉璽がある以上、衛兵が持ってきた王命は偽物ってことになる。衛兵たちはあっけなく捕らえられ、追い返された。

明かされた正体、深まる溝

ゴンと祖父、それにミョンユンは一緒に昼食をとる。ミョンユンの薬の知識に祖父は感心する。ゴンも彼女を褒めた。でもミョンユンの心は罪悪感でいっぱいだった。

その後、ゴンは傷の手当てを口実にミョンユンと二人きりになる。今まで本当の身分を隠していたことを謝った。ミョンユンも、彼に無礼な態度をとったことを謝る。ゴンは全く気にしていない。命の恩人だから、と。そして、チェ・サンロクとその一族には復讐するつもりだ、と告げる。だけど、君だけは助けると約束した。この言葉が、ミョンユンを深く傷つけることになるなんて、ゴンは思ってもみなかっただろうね。

その夜、悲しそうなミョンユンの顔が気になったゴンは彼女の部屋を訪ねる。悩みを話してくれ、と。ついにミョンユンは本当の正体を明かした。自分はチェ・サンロクの娘だと。父があなたにしたことの償いのために手助けしたかった、と告白したんだ。

ゴンは言葉を失った。ものすごく失望した。彼女自身に罪はない。それは分かってる。でも、憎いチェ・サンロクの娘だという事実が、どうしても彼を苦しめる。翌日、漢陽(ハニャン)へ連れて行き、そこで別れようと告げた。その夜、ゴンは彼女との思い出が頭から離れず、眠れずにいた。

翌朝、ゴンが彼女の部屋に行くと、もうミョンユンの姿はなかった。

トソン大君の決意と王妃の苦悩

宮殿では、王の容態がどんどん悪くなっていた。トソン大君はチェ・サンロクと大妃に助けを求める。父上を救ってくれるなら、自分が世子になる。何でも言うことを聞く、と。二人はゴンの帰還を心配する。トソン大君は、兄が二度と宮殿に戻れないようにすると約束した。

取引は成立。チェ・サンロクが王の治療にあたり、容態は安定した。

トソン大君はその知らせを母である王妃に伝える。王妃は喜んだ。でも、彼が世子になると告げると、彼女は強く反対した。トソン大君は怒る。母がゴンに玉璽を渡したことを知っていたからだ。玉璽を渡したこと自体に怒っているんじゃない。その事実を自分に隠していたことに、彼は傷ついたんだ。王妃は息子を止めようとする。でも彼の決意は固かった。

それぞれの取引と暗殺計画

ミョンユンはムベクと会っていた。ゴンを追わないという条件で、彼と一緒に帰ることに同意する。ムベクは、君が最優先だと言って承諾した。

一方、チェ・サンロクは左議政の弱みを握る。左議政の母方の祖母が、実は奴婢だったという匿名の密書が届いたんだ。この時代、家系は母方で決まる。つまり、左議政も王妃もトソン大君も、奴婢の血を引いていることになる。これで左議政の動きを封じられる。この密書を送ったのは、ゴンの祖父だった。

ゴンは漢陽へ向かう途中、カプソクにミョンユンのことを聞かれる。でも、彼は何も話そうとしなかった。

宮殿に戻ったミョンユンは、父チェ・サンロクと話す。彼は、トソン大君と結婚して世子嬪になれ、と迫る。トソン大君が君を愛しているから、結婚はうまくいく、と。ミョンユンは一人で泣いた。

その頃、左議政はとんでもない計画を立てていた。大妃の暗殺だ。彼は男を雇い、銃を渡す。

大妃は気分転換に外出する。チェ・サンロクや左議政も付き添っていた。彼女が寺に立ち寄った帰り道、チェ・サンロクは遠くから銃口が向けられているのに気づく。暗殺者が引き金を引いた。その瞬間、チェ・サンロクが大妃の前に飛び出し、銃弾を受けたんだ。血を流して倒れる彼を見て、大妃はパニックになる。左議政は暗殺失敗に舌打ちしながらも、心配するフリをする。でも大妃は、怒りに満ちた目で彼を睨みつけ、お前の仕業だろうと非難した。

第9話の感想

いやあ、今回も濃かったね。ゴンとミョンユンのすれ違いが本当に切ない。特にミョンユンが自分の正体を明かすシーン。ゴンの失望した顔が目に浮かぶよ。彼からしたら、一番信じていた人に裏切られた気分だろうな。でもミョンユンの立場を考えると、それもまた辛い。

トソン大君もどんどん追い詰められてる。父を救いたい一心で、兄を裏切る決断をした。彼の苦悩も見ていて苦しいよ。王妃が息子に真実を話せないのも、もどかしい。言ったら言ったで地獄が待ってるんだろうけど。

そして、まさかのチェ・サンロクだよ。あんな悪役ムーブ全開だったのに、最後の最後で大妃をかばって撃たれるなんて。あれはただの忠誠心なのか、それとも何か別の計算があるのか。ちょっと彼を見る目が変わったかもしれない。

左議政はもう完全に暴走モード。ついに銃まで持ち出してきた。権力争いが、どんどん血なまぐさい方向に行ってる。それぞれのキャラクターの思惑が複雑に絡み合って、一瞬も目が離せない回だった。

つづく