いやあ、今回の12話は本当に息をするのも忘れるくらい、濃密な回でしたね…。ギルチェの受難とジャンヒョンの深い愛、そして二人の運命が再び交差する瞬間には、思わず声が出てしまいました。早速、怒涛の展開となった12話のあらすじとネタバレを見ていきましょう!
清国へ連れ去られたギルチェ
物語は、ギルチェとジョンジョンが謎の男たちに捕らえられ、清の都・瀋陽へと連行されるシーンから始まります。
その頃、漢陽では大騒ぎに。ギルチェに助けられた少年がリャンウムに奥様が男たちに連れ去られたと証言します。 しかし、夫のク・ウォンムは、ギルチェが戻ってきたジャンヒョンと駆け落ちしたのだと激しく誤解。
リャンウムがウォンムの屋敷へ駆けつけ、ギルチェが清国人に拉致された可能性を伝えますが、嫉妬に狂うウォンムは聞く耳を持ちません。 それどころか、ジャンヒョンの居場所を白状させようとリャンウムを拷問にかける始末…。 見かねたヨンジュンが、自分がリャンウムと共にギルチェを捜しに行くと申し出ます。
瀋陽でのジャンヒョンと昭顕世子(ソヒョンセジャ)
一方、瀋陽にいるジャンヒョンは、昭顕世子(ソヒョンセジャ)に仕えながらも、ギルチェを想い月を見上げていました。
そんな中、清国は食糧不足を解消するため、捕虜となっている朝鮮の民に農業をさせることを決定します。 ジャンヒョンは、奴隷市場で売り買いされる同胞を救うため、彼らを農民として買い取ることを世子に進言。
世子と共に訪れた奴隷市場の惨状は、目を覆いたくなるほどでした。女性たちが辱めを受ける姿に、世子はなぜ恥辱に耐えて生き延びたのだと問いかけます。
しかし、ジャンヒョンは毅然として言い返しました。王様はなぜ、九度も頭を下げた屈辱の後も生きておられるのですか?誰かの屈辱は同情に値し、誰かの屈辱は死に値するとでも?。 首に剣を突きつけられても怯まないジャンヒョンの言葉に、世子は心を動かされます。彼は、父である王に忠誠を疑われようとも、民を守るという固い決意を新たにするのでした。
王の側室に?ギルチェの抵抗
瀋陽に到着したギルチェは、その美しさから清の王の目に留まり、王宮に召し上げられます。 しかし、それは新たな地獄の始まりでした。側室の一人であるファユは、ギルチェが王の寵愛を受けることを恐れ、陰湿ないじめを始めます。
このままでは王の側室にされてしまうと悟ったギルチェ。彼女は驚くべき行動に出ます。自ら花瓶に頭を打ち付け、顔に傷を作ったのです。 貞節を守るための、あまりにも痛々しい抵抗でした。
王の寵愛を受けるはずの女が自ら傷物になったことに激怒した女官は、ギルチェを奴隷市場に売り飛ばすよう命じます。
絶望の奴隷市場、そして再会へ
夫が妻を買い戻しに来たことなど一度もない。奴隷商人の言葉が、ギルチェの心を絶望の淵に突き落とします。 まさにその頃、ウォンムはギルチェを買い戻すため、大金を用意して瀋陽へと向かっていました。
市場で、朝鮮から来た捕虜たちが反乱を起こし、大混乱に乗じて脱走します。ギルチェとジョンジョンもその流れに乗り、必死に逃げ出しました。
時を同じくして、牛の買い付けから戻ったジャンヒョンとクジャムが、逃げる奴隷たちとそれを追う賞金稼ぎの集団に遭遇します。 義侠心から奴隷たちを助けようとするジャンヒョン。その目に、見覚えのある女性の姿が飛び込んできます。
賞金稼ぎがギルチェに矢を向けた、その瞬間。ジャンヒョンもまた、その賞金稼ぎに狙いを定めます。
本能的に、 ギルチェは振り返り、二人の視線が、ついに交差するのでした。
『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』第12話の感想
今回のエピソードは、登場人物それぞれの立場と感情が深く描かれ、物語に一層の重みを与えていました。特に印象的だったのは、ギルチェの決して折れない精神力です。良家の令嬢として育った彼女が、異国の地で辱めを受けながらも、知恵と勇気で尊厳を守ろうとする姿には胸を打たれずにはいられません。自ら顔を傷つけるという選択は、彼女の覚悟の強さを物語っており、その痛みと悲しみが画面越しに伝わってきました。
一方で、ジャンヒョンの人物像もより深く掘り下げられました。彼はただ愛する女性を待つ男ではなく、国の未来と民の生活を憂い、昭顕世子(ソヒョンセジャ)を支え導く大きな器を持った人物です。世子に投げかけたなぜ生きているのかという問いは、この物語全体のテーマを貫く重要な言葉だと感じます。
愛する二人がすれ違い、それぞれが極限の状況で戦う姿は、観ていて非常に心が揺さぶられます。ようやく果たされた再会が、生死を分かつ緊迫した場面であったことに、この物語の過酷さと美しさが凝縮されているようでした。
つづく