前回、清の侵攻という衝撃的な展開で幕を閉じましたが、第4話はそれを遥かに超える過酷な物語が待っていました。平和だったヌングン里の日常は完全に崩壊し、登場人物たちは生き残るために必死の選択を迫られます。
それでは早速、怒涛の展開となった第4話のあらすじとネタバレを見ていきましょう!
清の侵攻とヌングン里の悲劇
ヌングン里の男たちが義勇軍として村を旅立つのを、イ・ジャンヒョン(ナムグン・ミン)は見送ります。しかし、彼はそのまま彼らと行動を共にするのではなく、敵が村へ侵攻する際に必ず通るであろう丘の上で単独で待ち伏せることを決意するのでした。
一方、先行していた義勇軍は清の軍勢に奇襲され、スンヤクを含む多くの者が命を落とすという悲惨な結果に…。生き残ったナム・ヨンジュン(イ・ハクジュ)は、それでも王を救うため南漢山城へ向かうことを諦めません。
その頃、南漢山城では王と臣下たちが降伏か徹底抗戦かで激しく対立していました。結局、最後まで戦うことを決意しますが、時すでに遅く、援軍はすべて清軍によって壊滅させられたという絶望的な知らせが届きます。
狼煙と決死の避難
丘の上で敵の馬の音を察知したジャンヒョン。彼はすぐに狼煙を上げて近隣の村々に危険を知らせようとしますが、弟分のリャンウム(キム・ユヌ)が村に下りてしまったことを知ります。ジャンヒョンはリャンウムを救うために急いで村へ向かい、クジャム(キム・ジャウン)に狼煙を上げるよう命じました。
その狼煙にいち早く気づいたのが、ユ・ギルチェ(アン・ウンジン)でした。彼女は以前ジャンヒョンから聞いていた話を思い出し、村の大人たちを説得。彼らはギルチェの言葉を信じ、村を捨てて避難することを決断します。
しかし、避難の途中、ソンチュ(チョン・ハニョン)はカラスの群れを見て敵の接近を確信。村の仲間たちが逃げる時間を稼ぐため、彼はたった一人で村に引き返すという悲しい決断を下すのでした。
ギルチェの覚醒
川にたどり着いたギルチェたちでしたが、船は小さく、全員が一度に乗ることはできません。女性と子供を優先させようとしますが、ギルチェ、親友のキョン・キョン・ウネ(イ・ダイン)、そしてお付きの者たちは岸に取り残されてしまいます。
その頃、村ではソンチュが家に油をまき、火矢を放って敵兵を巻き込み、壮絶な抵抗を見せていました。しかし、衆寡敵せず、後を追ってきた妻と共に命を落としてしまいます…。彼らの犠牲のおかげで、村人たちはかろうじて逃げ延びることができたのです。
村に戻り、雪の中で寄り添うように亡くなっているソンチュ夫妻を発見したジャンヒョンは、彼らの亡骸を埋葬しながら、王を救うためではなく、この夫婦を殺した者たちへの復讐を静かに誓います。
一方、森の中へ逃げ込んだギルチェたちは、追っ手の足跡を消しながら必死に隠れていました。そんな中、パンドゥ夫人が産気づいてしまいます!キョン・ウネが血を見て気絶してしまう中、ギルチェは覚悟を決め、助産師となって無事に赤ん坊を取り上げます。しかし、赤ん坊の産声が敵に居場所を知らせてしまうのでした。
寒さで弱っていく赤ん坊と母親を救うため、ギルチェは服を探しに危険な闇の中へ。その道中、ギルチェを探しに来たキョン・ウネが敵兵に襲われてしまいます。絶体絶命のその時、ギルチェはジャンヒョンからお守りとして渡された刃物で兵士を刺し殺してしまうのです。初めて人を殺めた恐怖に震えながらも、二人はこの出来事を誰にも言わないと固く誓い合いました。
ソバン様(あなた様)― 絶望の果ての再会
身も心も凍え、疲れ果てたギルチェは、いつものように夢を見ます。湖のほとりで自分を待つ未来の夫の夢…。彼女は夢の中でその男性に寄りかかり、怖いし、辛いのに、どこにいるのですかと涙を流します。
夢から覚めかけたその時、遠くに人影が。夢の続きかと思いきや、それは紛れもない敵兵でした!再び襲われ、ジョンジョンが危険に晒された瞬間、ギルチェは敵に噛みつき、必死に抵抗します。
もうダメかと思われたその時、どこからか飛んできた矢が敵兵を射抜きます。闇の中から現れたシルエットは、敵をいとも簡単になぎ倒していきます。一人の敵がギルチェを人質に取ろうとしますが、ジャンヒョンが投げた刀がその敵を貫きました。
目の前に立つ救い主がジャンヒョンだと気づき、言葉を失うギルチェ。背後から別の敵がジャンヒョンに襲いかかろうとした瞬間、彼女は思わず叫んでいました。
ソバン様(あなた様)、気をつけて!
その声にジャンヒョンは一瞬驚きますが、敵を仕留めます。ギルチェに私のことを『ソバン様』と?と尋ねながら見せた彼の微笑みで、この壮絶な第4話は幕を閉じました。
『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』第4話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちが直面する過酷な現実が胸に突き刺さる回でした。特に印象的だったのは、ギルチェの著しい変化です。これまで恋に夢見るお嬢様だった彼女が、極限状況の中で仲間を守るために知恵を絞り、リーダーシップを発揮し、ついには人を殺めてしまう。その変貌ぶりは痛々しくも、彼女の持つ芯の強さを浮き彫りにしました。また、王のためではなく、名もなき村人であるソンチュ夫妻のために復讐を誓うジャンヒョンの姿には、彼の人間的な魅力が凝縮されていました。国や大義名分ではなく、目の前にいる大切な人々を守ろうとする彼の行動原理が、この物語に深い奥行きを与えています。ただ辛いだけでなく、人間の強さと尊厳が描かれた、非常に見応えのある内容でした。
つづく