いやあ、今回の『恋人』第6話、息をするのも忘れるくらい壮絶でしたね…。愛する人たちが、それぞれの場所で極限の状況に追い込まれていく姿に、胸が締め付けられる思いでした。さっそく、怒涛の展開となった第6話のあらすじとネタバレを、熱量高めにお届けします!
敵陣に咲く歌声、ジャンヒョンの覚悟
物語は、イ・ジャンヒョンが敵である清の陣営に潜入するところから始まります。ギルチェに必ず君を見つけ出すと誓った言葉を胸に、彼は危険な賭けに出ました。相棒は、美しい歌声を持つリャンウム。彼の歌で清の指導者・カンの注意を引き、懐に潜り込む作戦です。
作戦は見事に成功し、リャンウムの歌声はカンの耳に届きます。しかし、そう簡単にはいきません。カンの側近は二人を怪しみ、リャンウムを捕らえて拷問にかけます。なぜジャンヒョンと一緒にいるのか、その真実を吐かせるために。
ここで明かされたのが、ジャンヒョンとリャンウムの過去。幼い頃、獣に襲われ瀕死の状態だったリャンウムを救ったのがジャンヒョンだったのです。リャンウムがジャンヒョンを心から慕っていることを知った敵は、今度はジャンヒョンを拷問することでリャンウムから真実を引き出しました。二人の深い絆が証明され、彼らはようやく敵陣に溶け込むことを許されます。
ジャンヒョンは早速、カンが丹川(タンチョン)にいるという重要な情報を密書で世子に送ります。
和平か、降伏か…揺れる王朝
清軍は今や、王が籠城する南漢山城(ナマンサンソン)を完全に包囲。朝鮮に残された道は少なく、王は屈辱を承知で和平交渉を開始します。しかし、清が突きつけてきた条件はあまりにも過酷でした。カンを朝鮮の王として認め、世子を人質として差し出すこと。この命令に、朝鮮の臣下たちは激しく反発します。
交渉が滞る中、南漢山城では寒さと飢えで兵士たちが次々と命を落とすという悲惨な状況に。一方、ジャンヒョンは清の陣営で異変を察知します。それは、恐ろしい伝染病天然痘の蔓延でした。ジャンヒョンは、カンが感染しているかどうかを確かめるため、一人で残ることを決意。リャンウムにこの情報を世子に伝えるよう命じます。自身が天然痘にかかったことがないという大きなリスクを背負いながら…。
安全な場所など、どこにもなかった
ジャンヒョンからの知らせを受け取った世子は、父である王に清は江華島(カンファド)を攻めるかもしれないと必死に訴えます。しかし王は、水上戦のリスクを冒すはずがないと聞く耳を持ちません。
その頃、ジャンヒョンが最も安全な場所だと信じて送り出したギルチェは、江華島に避難していました。しかし、彼女の耳に頭を剃った男たちが島にやってきたという噂が届きます。ギルチェは瞬時にそれが清の兵士だと気づき、ウネやジョンジョンたちが隠れる洞窟へと駆け戻ります。
時すでに遅く、清軍の襲撃が始まっていました。島は一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図と化します。男たちは無差別に殺され、捕らえられた女性たちは辱めを受けることを恐れ、自ら崖から身を投げて貞操を守るという悲劇が次々と起こりました。
ギルチェはウネたちを必死に逃がしながら、世子の幼い息子(元孫)を託されます。矢が降り注ぐ中、赤ん坊を抱いて岸に停泊する一隻の船へと走るギルチェ。その必死の姿が兵士の心を動かし、彼女たちはなんとか船に乗り込むことができました。
絶望の再会、そして命を懸けた約束
清の陣営に戻ったジャンヒョンは、兵士の一人が見慣れた短刀を持っていることに気づきます。それは、彼がギルチェに渡したもの。持ち主の女はもう死んだだろうという兵士の言葉に、ジャンヒョンは血の気が引きます。ギルチェを安全な場所へと送ったはずが、自分が彼女を死なせてしまったのだという罪悪感と絶望に打ちのめされるのでした。
生き残った者を追う部隊に自ら志願したジャンヒョンは、江華島近くの島へ向かいます。その体はすでに天然痘に蝕まれ始めていました。
その頃、ギルチェたちも同じ島に隠れていました。しかし、赤ん坊の泣き声が清の兵士に気づかれてしまいます。様子を見に行くと志願したジャンヒョンが目にしたのは、隠れているギルチェたちの姿でした。彼は猫がいただけだと嘘をつき、彼女たちを救おうとします。
しかし、再び赤ん坊が泣き出し、万事休す。ジャンヒョンは覚悟を決め、たった一人で清の兵士たちに斬りかかります。ギルチェはその隙に逃げますが、自分たちを救うために戦う男の姿が、ジャンヒョンと重なります。
必ず見つけ出す
その約束を思い出したギルチェは、ウネたちを先に行かせ、彼の元へと引き返すのでした。朦朧とする意識の中、次々と敵を斬り伏せるジャンヒョン。彼の目の前には、まだ一人の敵兵が立っているのでした…。
『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』第6話の感想
今回は、ジャンヒョンとギルチェ、それぞれが背負うものの重さと、極限状況で見せる人間の強さ、そして弱さが鮮烈に描かれた回でした。特に、最も安全だと信じられていた江華島が、一瞬にしてこの世の地獄と化す展開は、あまりにも衝撃的で言葉を失います。歴史の大きな渦に翻弄され、名もなき人々がどれほど無情に命を散らしていったのかを痛感させられました。
そんな中で光るのは、ギルチェのたくましさです。お嬢様だった彼女が、大切な人を守るために泥にまみれ、矢の雨の中を駆け抜ける姿は、胸に迫るものがありました。そして、ギルチェの死を思い絶望しながらも、彼女の面影を追って戦場へ向かうジャンヒョンの愛の深さ。二人の運命が再び交差するラストシーンは、悲壮感に満ちていながらも、強い絆を感じさせる見事な演出だったと思います。
つづく