いやあ、今回も目が離せない展開でしたね!オクニョの知恵と度胸、そして仲間たちとの絆が、いよいよ巨悪に立ち向かう力となっていく、まさにそんな回でした。

恩人の孫との対面、しかし…

物語は、オクニョが恩師パク・テスの孫、ソン・ジホンに会うところから始まります。彼がユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンの娘シネの婚約者だと知り、オクニョは何としてもその縁談を阻止したい一心でした。しかし、捕盗庁(ポドチョン)の従事官であるジホンに「あなたは養子で、本当の祖父はパク・テスだ」と伝えても、彼は激しく反発。「生きている両親を養父母にする気か!」と、オクニョを追い返してしまいます。それもそのはず、ジホン自身は自分が養子である事実を知らされていなかったのです。

一方、ジホンもオクニョの言葉が気になり、養父である松都(ソンド)一の大商人ソン・ファノクに真実を問いただします。父は、ジホンが4歳の時に引き取った養子であることを認めつつも、「お前は私の息子だ」と変わらぬ愛情を伝え、この件を婚約者の一家には決して漏らさぬよう口止めするのでした。

飢える典獄署と、悪女の誕生祝い

その頃、オクニョが育った典獄署(チョノクソ)は、凶作の影響で深刻な食糧不足に陥っていました。囚人たちへの配給は1日1食のお粥のみとなり、それすらも水のような状態で、囚人たちの不満は爆発寸前。養父チ・チョンドゥクが囚人に食器を投げつけられ怪我をするなど、現場は混乱を極めます。

民が飢えに苦しむ一方で、チョン・ナンジョンは自身が貞敬夫人(チョンギョンブイン)の称号を得てから初めての誕生日を、10日間にもわたる豪華絢爛な宴で祝っていました。この非道な現実に、オクニョの心は決まります。「チョン・ナンジョンを倒し、飢える人々を救う米を手に入れる」と。

詐欺師チーム結成!ターゲットはチョン・ナンジョン

オクニョは、ユン・テウォン、そして師であるイ・ジハムと詐欺師のチョン・ウチに協力を仰ぎます。当初はチョン・ナンジョンの商団が運ぶ税穀米を奪う計画でしたが、彼女はすでに中身を砂などにすり替えて横領しており、船を襲っても意味がないことが判明します。

そこで詐欺のプロ、チョン・ウチが提案します。「詐欺は相手に気づかれずに騙すのが極意。そのためには相手の欲を利用するんだ」。チョン・ナンジョンが何よりも執着するもの、それは「金(ゴールド)」。一行は、金塊をエサに彼女を騙すという、壮大な詐欺計画を企てるのです。

巧妙な罠の始まり

計画実行のため、まずは資金とチョン・ナンジョンに会う口実が必要です。オクニョは、偽の銀貨を作る腕を持つ囚人の力を借り、それを元手にチョン・ナンジョンへの「贈り物」を用意する手はずを整えます。

さらに、ユン・テウォンと仲間たちは、チョン・ナンジョンの商団が集めた売上金1000ニャンを、見事な手口で強奪。この資金で、チョン・ナンジョンを釣るための本物の金塊を用意します。

準備は整いました。オクニョは「チョ・ダルホ」という金脈を探す男に変装し、豪華な贈り物を携えてチョン・ナンジョンの誕生祝いの宴に乗り込みます。そして、彼女の前で巨大な金塊を見せ、「金鉱開発の資金を提供してくれれば、利益の半分を渡す」と、とてつもない話を持ちかけるのでした。

金に目がくらんだチョン・ナンジョンは、明らかにこの話に食いつきます。しかし、彼女もただの悪女ではありません。話の裏を取るため、密かに平壌(ピョンヤン)にいる採鉱監察官を呼び寄せ、チョ・ダルホの身元を調査させるのでした。

オクニョ、正義を叫ぶ

物語の終盤、典獄署に新しい司法長官が視察に訪れます。役人たちが体面を取り繕う中、オクニョは長官の前に進み出て、囚人たちの窮状を涙ながらに訴え、国の対応を「無責任だ」と厳しく断じます。一介の茶母(タモ)が役人のトップに物申すという前代未聞の行動に、周囲は凍りつきますが、その堂々とした姿は、彼女がただ者ではないことを改めて印象付けました。

チョン・ナンジョンが仕掛けた裏調査の網が迫る中、オクニョたちの壮大な詐欺計画は成功するのでしょうか。手に汗握る展開が続きます!

『オクニョ 運命の女(ひと)』第15話の感想

今回は、オクニョの持つ多様な魅力が存分に発揮された回でした。恩人の遺志を継ごうとする義理堅さ、飢える人々を救おうとする優しさと正義感、そして強大な敵を打ち破るための大胆不敵な知略。彼女の行動一つ一つが、物語を力強く前進させています。特に、詐欺師チョン・ウチの「相手の欲を利用する」という言葉を即座に理解し、チョン・ナンジョンの弱点である金への執着を突く作戦を立案する姿は圧巻でした。また、ユン・テウォンとの関係も、単なる男女の仲を超え、共通の敵に立ち向かう「同志」としての絆が深まっているように感じられ、今後の共闘が非常に心強く思えます。民衆の苦しみをよそに贅を尽くすチョン・ナンジョンの姿は、彼女の非道さを際立たせ、オクニョたちの計画に正当性を与える見事な対比となっていました。

つづく