いやー、今回の『オクニョ』は前半と後半で雰囲気がガラリと変わりましたね! まるでジェットコースターのような展開…なんて陳腐な言葉は使いませんが、まさに天国と地獄を味わったような回でした。それでは早速、第19話の濃密なストーリーを振り返っていきましょう!

してやったり!チョン・ナンジョンへの痛烈な一撃

物語は、オクニョとユン・テウォンたちの見事な計略が成功したところから始まります。塩の専売権をめぐる入札で、彼らはチョン・ナンジョンの商団を完璧に出し抜きました。チョン・ナンジョン側は、オクニョたちが流した偽情報にまんまと引っかかり、大赤字確実な価格で入札してしまいます。一方、オクニョたちは裏で手を回し、塩不足に悩む軍営への納品ルートを確保。これにより、コン・ジェミョン商団は莫大な利益を手にすることになりました。

祝杯をあげるオクニョ、テウォン、コン・ジェミョンたち。その喜びようは、見ているこちらもスカッとするほどでしたね。特に、この作戦の立役者であるオクニョに感謝の言葉が次々と贈られるシーンは、彼女のこれまでの苦労が報われた瞬間でした。

しかし、その裏では怒りに燃える人物が…。そう、チョン・ナンジョンです。自分がまんまと罠にはめられ、大損害を被ったと知った彼女の怒りは頂点に。夫であるユン・ウォニョンに詰め寄り、この屈辱を晴らすことを誓います。この時の彼女の執念深い表情は、今後の嵐を予感させるには十分でした。

束の間の平穏と、忍び寄る影

そんな中、オクニョは身分を隠して市井を視察する王様(明宗(ミョンジョン))と会っていました。オクニョはまだ彼の正体を知らず、王の密使だと思っています。この密会をテウォンに問われたオクニョは、とっさに「王様の密命を受けている方」と説明。テウォンは、その男と親しげなオクニョにヤキモチを焼いて「もう会うな」なんて言っちゃうんですから、可愛いところもありますよね。

王様とオクニョが市場で食事をするシーンは、束の間の穏やかな時間でした。しかし、そんな二人のもとにチョン・ナンジョンが放った刺客たちが襲いかかります!護衛も離れた場所におり、絶体絶命かと思いきや、オクニョの鮮やかな武術が炸裂!王様を守りながら、見事に刺客を撃退します。

この一件で、チョン・ナンジョンのオクニョに対する憎悪は、殺意へと変わっていったのかもしれません。

形勢逆転!非情なる反撃の狼煙

痛快な逆転劇で終わるかと思いきや、物語はここから一気に暗転します。チョン・ナンジョンは、ただやられるだけの女ではありませんでした。彼女は典獄署(チョノクソ)のユ・ジョンフェを抱き込み、典獄署長チョン・デシクがコン・ジェミョン商団から賄賂を受け取っていた証拠である「秘密帳簿」を手に入れます。

この帳簿を盾に、チョン・ナンジョンはユン・ウォニョンを動かします。文定(ムンジョン)王后からもプレッシャーをかけられたユン・ウォニョンは、苦悩の末、なんと実の息子であるユン・テウォンと、彼が率いるコン・ジェミョン商団の摘発を捕盗庁(ポドチョン)に命じるという、非情な決断を下すのです。

そして、その命令はすぐに実行されました。捕盗庁の役人たちが典獄署とコン・ジェミョン商団になだれ込み、チョン・デシク署長、オクニョ、コン・ジェミョン、そしてユン・テウォンが次々と捕らえられてしまいます。何が起きたのかわからず、呆然とする彼らの姿は、あまりにも衝撃的でした。勝利の美酒に酔っていたはずの彼らが、一転して罪人として連行されていくのです。

さらに、チョン・ナンジョンの後ろ盾を得たユ・ジョンフェが典獄署の新たな責任者として赴任。まさに、チョン・ナンジョンによる完全な支配と逆襲が始まった瞬間でした。

『オクニョ 運命の女(ひと)』第19話の感想

今回のエピソードは、前半の痛快な勝利と後半の絶望的な転落の対比が実に見事でした。オクニョの知略とテウォンの行動力で掴んだ勝利に胸が躍りましたが、権力者の前ではその成功がいかに脆いものかを痛感させられました。特に、チョン・ナンジョンの執念深さと策略の恐ろしさが際立っており、彼女という敵の巨大さを改めて認識させられます。ユン・ウォニョンが我が子を切り捨てる決断を下すシーンは、権力闘争の非情さを象徴しており、深く考えさせられるものがありました。味方だと思っていた人物が簡単に寝返り、頼れるはずの正義が権力によってねじ曲げられていく様は、物語の緊張感を一気に高め、登場人物たちの行く末から目が離せなくなりました。

つづく