希望の光が見えたかと思えば、さらに深い闇へ突き落とされる…。オクニョの運命は、あまりにも過酷です。今回は、権力という巨大な壁に、正義がいとも簡単にねじ伏せられてしまう、息苦しくも目が離せない展開となりました。

再審決定!一筋の光が…

裁判の場。チョン・デシクは自分の保身のため、全ての罪をオクニョになすりつけます。「軍の塩不足という機密情報を手に入れたのはオクニョだ」と。これにはオクニョも言葉を失います。しかし、その時、捕盗庁(ポドチョン)のソン・ジホンが「待った」をかけます!

「一介の茶母(タモ)が、どうやって軍の機密を知り得るのか?チョン・デシクがオクニョをスケープゴートにしているのは明らかだ」と、理路整然と反論。さらにユン・テウォンも「その情報を得たのは自分だ」と名乗り出て、オクニョをかばいます。この二人の必死の訴えが届き、ひとまずオクニョの判決は保留、4日後に再審が開かれることになりました。

この予想外の展開に、オクニョを心配していたチ・チョンドゥクやイ・ジハムたちは大喜び。ようやく光が見えてきたと、誰もが安堵します。

チョン・ナンジョンの非情な策略

しかし、この知らせはすぐにチョン・ナンジョンの耳にも入ります。オクニョをかばったのが、自分の娘ユン・シネの婚約者であるソン・ジホンだと知り、怒り心頭。ジホンを呼びつけ、「なぜオクニョを助けるのか」と激しく問い詰めます。オクニョへの嫉妬と憎しみが、彼女をさらに恐ろしい行動へと駆り立てるのでした。

ナンジョンは夫のユン・ウォニョンに、「オクニョを奴婢にすると約束したではないか」と詰め寄ります。そして、彼の権力を使って、再審そのものを中止させ、オクニョを黄海道(ファンヘド)へ官婢として送るという最初の判決を強引に確定させてしまうのです。

テウォンの絶望と決別

一方、罰金刑で釈放されたユン・テウォンは、コン・ジェミョンから衝撃の事実を知らされます。自分たちが助かったのは、コン・ジェミョンがチョン・ナンジョンと取引し、彼女の商団の配下に入ることを約束したからだ、と。

「なぜそんなことを!」と激しく憤るテウォン。母の仇であり、何よりも憎むべき相手であるナンジョンの下で働くことなど、彼には到底受け入れられません。生きるためには仕方なかったと諭すコン・ジェミョンと対立し、テウォンは商団を去ることを決意。酒に溺れ、自暴自棄になってしまいます。

絶望の淵へ…オクニョ、黄海道へ

再審が取り消され、官婢として送られることが決まったオクニョ。ソン・ジホンも上官から手を引くよう命じられ、なすすべがありません。

牢にいるオクニョのもとへ、降格処分を受けたチョン・デシクが訪れ、自分の卑劣な行いを涙ながらに謝罪します。オクニョは彼を責めることなく、静かに受け入れます。その優しさが、かえって哀れを誘います。

そして、別れの時。チ・チョンドゥクをはじめ、典獄署(チョノクソ)の仲間たちが涙ながらにオクニョを見送ります。テウォンも駆けつけ、「必ず会える。信じて待っていてくれ」と声をかけますが、その言葉はあまりにも無力に響きます。

最後の希望と新たな動乱

しかし、オクニョの師匠イ・ジハムと詐欺師のチョン・ウチは諦めていませんでした。彼らはなんと、王の命令書を偽造してオクニョを救い出すという、とんでもない計画を立て始めます!

その頃、都では新たな事件が。ユン・ウォニョンが何者かに襲撃され、意識不明の重体に陥るのです。さらに、黄海道へ護送されるオクニョの一行も、山中で謎の刺客たちに襲われてしまいます。

一体誰が、何のために…?物語は大きな謎と動乱の予感をはらみ、次なる舞台へと続いていくのでした。

『オクニョ 運命の女(ひと)』第21話の感想

今回は、登場人物それぞれの正義や信念が、巨大な権力の前でいかに脆く、無力であるかを見せつけられる回でした。ソン・ジホンやユン・テウォンの必死の抵抗も、チョン・ナンジョンの策略一つで覆されてしまう展開には、やるせない気持ちになります。特に、愛するオクニョと復讐心の間で引き裂かれ、商団を去ることになったテウォンの苦悩は胸に迫るものがありました。しかし、そんな絶望的な状況でも、イ・ジハムたちが奇想天外な方法でオクニョを救おうと奮闘する姿には、かすかな希望を感じます。ラストに立て続けに起こる襲撃事件は、物語が新たな局面に入ったことを示唆しており、誰が敵で誰が味方なのか、その思惑が複雑に絡み合い、目が離せない状況です。

つづく