官婢(かんぴ)の身分から解放され、都に戻ってきたオクニョ。しかし、彼女の戦いはまだ始まったばかり。第27話では、オクニョの知略が光る、壮大な反撃の幕が上がります!

まさかの再会!オクニョ、敵陣に乗り込む

昭格署(ソギョクソ)という役所の役人になったオクニョは、上官に連れられてある人物の元を訪れます。そこにいたのは、なんと宿敵チョン・ナンジョン!まさかオクニョが役人として目の前に現れるとは夢にも思っていなかったナンジョンは、驚きのあまり言葉を失います。自分が官婢に落としたはずの少女が、堂々と役人として現れたのですから、その衝撃は計り知れません。

一方、オクニョはかつて自分を陥れた相手を前にしても、少しも動じることなく冷静沈着。この再会は、これから始まるオクニョの復讐劇を象徴する、鳥肌ものの名シーンでした。

テウォンの計画とオクニョの逆手

その頃、ユン・テウォンは母である文定(ムンジョン)王后のために、ある計画を立てていました。それは、間もなく行われる科挙(役人の登用試験)を利用して、試験に必要な紙の販売を独占し、莫大な利益を上げようというもの。しかし、この計画はオクニョの知るところとなります。

オクニョは師であるイ・ジハムや仲間たちと秘密裏に商団を結成。テウォンたちの計画を逆手に取り、紙の原料となる「楮(こうぞ)」を全国から買い占めるという、大胆な作戦に打って出ます。これにより紙の値段は高騰。テウォンたちは高い値段で紙を仕入れざるを得なくなりますが、「どうせ受験生に高く売ればいい」と高をくくっていました。

明宗(ミョンジョン)への直訴、そして衝撃の結末

しかし、オクニョの本当の狙いは別にありました。彼女は密かに王である明宗(ミョンジョン)と接触し、科挙の裏にある陰謀と、民を苦しめる紙の価格高騰の実態を訴えます。

オクニョから真実を聞いた明宗(ミョンジョン)は、ついに決断を下します。なんと、国中が注目する科挙の「中止」を宣言したのです!この王命により、大金をはたいて紙を買い占めたテウォンとチョン・ナンジョンの商団は大打撃を受けることになりました。オクニョの知略が、権力者たちの野望を打ち砕いた瞬間でした。

母の謎に迫る新たな手がかり

物語はこれだけでは終わりません。オクニョは元上官カン・ソノの計らいで、ハン尚宮という女性に会います。そこで、自分の母親が「カビ」という名の女官であった可能性が高いこと、そして形見の指輪がその証拠であることを知らされます。さらに、文定(ムンジョン)王后が偶然手にした髪飾りが、オクニョの母の遺品であることも示唆され、物語は新たな謎へと繋がっていきます。

『オクニョ 運命の女(ひと)』第27話の感想

今回のエピソードは、まさに物語の転換点でした。これまで受け身になることが多かったオクニョが、自らの知恵と仲間との絆を武器に、巨大な権力へ反撃の狼煙を上げた姿には胸がすく思いです。特に、紙の原料を買い占め、最終的に王を動かして科挙そのものを中止に追い込むという作戦は、非常に緻密で鮮やかでした。

また、ユン・テウォンとの悲しいすれ違いも心を打ちます。彼もまた自分の信じる正義のために動いているのでしょうが、その道がオクニョとは交わらなくなってしまったのが切ないです。そして、オクニョの出生の秘密がいよいよ核心に迫ってきたことにも興奮を隠せません。母の遺品である指輪と髪飾りが、今後どのように物語を動かしていくのか。多くの伏線が張られ、物語の深みが一層増した回でした。

つづく