養父チ・チョンドゥクが殺人という濡れ衣を着せられ、絶体絶命の危機に!オクニョは彼を救うため、かつて法を知らない民の代わりに訴訟を行ったという弁護士「外知部(ウェジブ)」になることを決意します。しかし、昭格署の道流(トリュ)という役人であるオクニョが、簡単に辞職できるはずもありません。上司は「奴婢に戻す」と脅し、オクニョの決意を阻もうとします。

その頃、宮廷では王様と母である文定(ムンジョン)王后の間で、激しい権力闘争が勃発していました。王が、文定(ムンジョン)王后とユン・ウォニョンら小尹派の力の源泉である「昭格署」の廃止を命じたのです。これにユン・ウォニョンたちは猛反発。斧を担いで王に直訴するという強硬手段に出ますが、王は「民を政治利用するな」と一喝し、母子の対立は決定的なものとなります。

そんな中、ついにチ・チョンドゥクの裁判が始まってしまいます。捕盗庁(ポドチョン)が用意した証拠と証人により、誰もが死罪を確信する状況。万策尽きたかと思われたその時、法廷に響き渡る声が。

「弁護します!」

現れたのは、外知部を名乗るオクニョでした。

ここから、オクニョの鮮やかな逆転劇が始まります。

まず、殺害の動機とされた借金が、被害者のチン・スミョンによって帳消しにされていたことを裏帳簿を突きつけて証明。次に、唯一の目撃者が重度の眼病を患っており、夜間に人を正確に見分けられる状態ではなかったことを、薬の購入履歴から暴き出します。そしてとどめは、検視の不正です。オクニョは遺体を検視した役人を問い詰め、遺体には毒殺の痕跡があったにもかかわらず、捕盗庁の役人から刺殺として報告するよう強要されていたことを自白させました。

追い詰められた捕盗庁の役人は、証拠隠滅のために遺体をすでに埋葬してしまったと白状します。するとオクニョは、少しもひるむことなく、こう要求するのです。

「真相を明らかにするため、埋葬された遺体を掘り起こし、再検視することを要求します!」

前代未聞の要求に、法廷は騒然。裁判官は王に判断を仰ぎます。そして王は、真実を明らかにするため、遺体の掘り起こしを許可するのでした。

『オクニョ 運命の女』第36話の感想

今回のエピソードは、オクニョの類まれなる聡明さと行動力が炸裂する、非常に見応えのある回でした。養父を救いたい一心で、法を学び、自ら弁護士「外知部」として法廷に立つ姿には胸が熱くなります。権力に媚びへつらう役人たちが用意した「完璧な証拠」を、オクニョが冷静な分析と揺るぎない証拠で一つひとつ覆していく法廷シーンは、まさに痛快そのもの。彼女がただ助けを待つのではなく、自らの力で道を切り開いていく強さは、このドラマの大きな魅力だと改めて感じさせられます。一方で、王と母である文定(ムンジョン)王后の対立も深刻化し、物語に更なる緊張感を与えています。個人の冤罪事件と、国を揺るがす権力闘争。この二つの軸が巧みに絡み合い、物語に深い奥行きを生み出している点も見事です。オクニョの次なる一手、そして宮廷の権力争いの行方から、ますます目が離せません。

つづく