いやあ、今回の『オクニョ』は息もつかせぬ展開の連続でしたね!宮殿を揺るがす一大事から、市井で繰り広げられる正義をかけた戦いまで、見どころ満載の第44話、さっそく振り返っていきましょう!
王の崩御か?宮殿に走る激震
物語は衝撃的なシーンから幕を開けます。なんと、若き王である明宗(ミョンジョン)が胸を押さえて崩れ落ち、意識を失ってしまったのです。知らせを受けた母・文定(ムンジョン)王后大妃は血相を変えて駆けつけますが、御医から告げられたのは「真心痛(心筋梗塞)で、3日以内に意識が戻らなければ危険」という絶望的な診断でした。
世継ぎのいない王の危篤。この国家の一大事に、ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンはほくそ笑みます。彼らはすぐさま、王が万が一の時のために、自分たちの意のままになる次の王位継承者選びを画策し始めるのでした。まさに国母と国舅(こっきゅう)の仮面を被った権力の亡者ですね。
一方、チョン・ナンジョンは、オクニョの出自の秘密を握るミン尚宮を捕らえ、激しい拷問にかけます。ミン尚宮はオクニョたちの急襲によって救出されるものの、拷問に耐えきれず「オクニョの母カビは典獄署(チョノクソ)の前で亡くなった」「カン・ソノ元体探人(チェタミン)がオクニョを守っている」という重要な情報を白状してしまっていました。しかし、オクニョが王の娘であるという最大の秘密だけは、なんとか守り抜いたのでした。
さらにナンジョンは、部下からカビが当時妊娠していたという驚愕の事実を知らされます。しかも、そのお腹の子は、カビが仕えていた東宮殿の主、つまり王の子である可能性が浮上し、ナンジョンは顔面蒼白に。もしその子が生きているとすれば、自分たちの地位を根底から覆しかねない存在になるからです。
踏みにじられた正義!テウォンの法廷闘争
その頃、ユン・テウォンは外知部(弁護人)として、ある少年の弁護を引き受けていました。その少年オンノムは、チョン・ナンジョンのいとこであるチョン・マノを鎌で切りつけようとした罪で捕らえられていたのです。
しかし、事件の裏には悲しい物語がありました。チョン・マノは、オンノムの一家を追い詰め、父親を死に追いやり、ついには15歳の妹を側室に差し出せと要求。追い詰められた一家は夜逃げの末に川へ身を投げ、オンノム一人が生き残ったのでした。全てを失ったオンノムは、復讐のためにチョン・マノを襲ったのです。
裁判でテウォンは、オンノムの悲痛な証言と、チョン・マノの自作自演の証拠を突きつけ、彼の非道を暴きます。しかし、裁判官はユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンの権力を恐れ、「証拠不十分」としてチョン・マノを無罪放免。それどころか、法廷の権威を侮辱したとして、テウォンを投獄してしまうのです。
「法は力なき者を守らないのか!」
オクニョの悲痛な叫びもむなしく、正義は権力の前にもろくも崩れ去りました。この理不尽な判決には、見ているこちらも拳を握りしめてしまいましたね。
奇跡を呼ぶ涙!オクニョ、王の元へ
王が危篤だと知ったオクニョは、いてもたってもいられません。側室になることを断ってしまったこと、そして何より自分の正体を明かせぬまま王と永遠の別れになることを恐れたオクニョは、危険を顧みず、深夜、王の寝所に忍び込むことを決意します。
仲間たちの手引きで、かろうじて王の枕辺にたどり着いたオクニョ。意識のない王の手を握り、涙ながらに語りかけます。
「王様、このままではいけません。私はまだ、自分が何者なのかお伝えできていません…どうか、目を開けてください」
その時でした。オクニョの涙が通じたのか、固く閉ざされていた王の目が、ゆっくりと開かれたのです!オクニョの顔を認めた王。まさに、奇跡が起きた瞬間でした。
『オクニョ 運命の女(ひと)』第44話の感想
今回は、国家を揺るがす王の危篤という大きな出来事と、力なき民が権力に虐げられる裁判という、二つの軸が印象的に描かれていました。ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンは、王の命の灯火が消えかかっているのを好機と捉え、次なる権力掌握に動く非情さを見せつけます。一方で、ユン・テウォンとオクニョは、たった一人の少年のために、巨大な権力に果敢に立ち向かいます。その対比が、物語に深い奥行きを与えていました。特に、テウォンが正義を訴えながらも投獄されてしまう場面は、理不尽さへの怒りと無力感を強く感じさせられるシーンでした。しかし、その絶望的な状況の最後に、オクニョの真心が王に奇跡を起こすという希望の光が差し込み、心を揺さぶられました。登場人物たちの強い意志と、決して諦めない心が物語を力強く牽引する回でした。
つづく