第48話は、これまで張り巡らされてきた伏線が一気に動き出し、登場人物たちが大きな決断を迫られる、まさに神回と言える内容でした。さっそく、その濃密なストーリーを振り返っていきましょう!
悪党たちの最後のあがき!オクニョ暗殺計画、再び
前回のラストで、オクニョの父が先々代の王かもしれないという衝撃の事実にたどり着いたユン・ウォニョンとチョン・ナンジョン。しかし、証人であるイ・ミョンホンが口を割らないため、確証が持てずにいました。追い詰められたユン・ウォニョンは、もはやこれまでと、邪魔者であるオクニョとイ・ミョンホンの両方を消すことを決意します。
さっそく手下たちがオクニョを襲撃しますが、オクニョはこれを予測済み。味方の私兵と共に現れ、見事に返り討ちにします。一方、典獄署(チョノクソ)に収監されているイ・ミョンホンには、差し入れの食事に毒を盛るという卑劣な手段に出ます。ところが、なんとその食事を役人が盗み食いしてしまい、毒殺は未遂に終わるという、なんとも皮肉な結果に。この一件で、オクニョたちは敵に私兵の存在を知られてしまいますが、守りに入るのではなく、先手を打って攻め込むことを決意します。
ユン・テウォンの覚悟!父との決別、そして…
物語のもう一人の主人公、ユン・テウォンにも大きな転機が訪れます。明宗(ミョンジョン)王は、密かにテウォンを呼び出します。そして、臣下としてではなく、いとことして、自身の苦しい胸の内を明かし始めました。
明宗(ミョンジョン)は、先王(仁宗)が毒殺されたこと、その黒幕が母である文定(ムンジョン)王后、そして叔父のユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンであるという事実をテウォンに告げます。そして、罪なき多くの人々を手にかけた彼らの悪事を断罪するため、手を貸してほしいと頼むのです。
実の父親を裁くという、あまりにも過酷な選択。しかし、テウォンもまた、父とチョン・ナンジョンの悪行によって多くのものを失い、苦しめられてきました。彼は王の覚悟を受け止め、その使命を果たすことを決意します。
「私がその役目を果たします」
王の任命を受け、司憲府(サホンブ)の要職に就いたテウォンは、すぐさま行動を開始。父ユン・ウォニョンを自宅に軟禁し、そしてチョン・ナンジョンを役所に連行し、自ら尋問を行うのでした。まさに、息子による復讐の始まりです。
追い詰められた文定(ムンジョン)王后、最後の切り札
息子である王と、血を分けた弟の息子であるテウォンによって、最大の権力基盤であるユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンを捕らえられた文定(ムンジョン)王后。彼女は激しく動揺し、王に釈放を迫りますが、王の決意は固く、聞き入れられません。
そんな中、ユン・ウォニョンからの密書が文定(ムンジョン)王后の元に届きます。そこに書かれていたのは、オクニョの母親が先々代の王、中宗(チュンジョン)の寵愛を受けていたということ。そして、その証拠となる髪飾りをオクニョが持っているかもしれないという事実でした。
すべてを悟った文定(ムンジョン)王后は、最後の手段に出ます。オクニョを捕らえ、人質にしたのです。
王宮に連れてこられたオクニョに対し、文定(ムンジョン)王后は静かに、しかし恐ろしい怒りをたたえて語りかけます。
「お前を娘のように、弟子のように大切に思っていた…だがお前は私を欺き、さげすんだ。あの世で師のパク・テスになんと言われようと、お前を生かしておくわけにはいかない」
王はオクニョが捕らえられたと知り、すぐに救出に向かいますが、文定(ムンジョン)王后はユン・ウォニョンたちの釈放を要求し、応じなければオクニョの命はないと脅迫します。母と子の、そしてオクニョの運命を懸けた、壮絶な対立が幕を開けたのでした。
『オクニョ 運命の女』第48話の感想
今回は物語が最終章へ向けて大きく舵を切った、非常に見応えのある回でした。特に印象的だったのは、ユン・テウォンが王と共に父を断罪する道を選んだ場面です。これまでも彼の苦悩は描かれてきましたが、ついに自らの手で過去を清算し、正義を成すという覚悟を決めた姿には胸を打たれました。チョン・ナンジョンを尋問する彼の冷徹な眼差しは、これまでの彼とは一線を画すもので、その悲壮な決意が伝わってきました。一方で、追い詰められた文定(ムンジョン)王后の非情さも際立っていました。オクニョの正体を知り、即座に彼女を最大の脅威として排除しようとする姿は、権力者の恐ろしさそのものです。オクニョが絶体絶命の危機に陥ったことで、物語の緊張感は最高潮に達したと言えるでしょう。
つづく