ついにオクニョの命運が尽きてしまうのか…。そんな緊迫した状況から幕を開けた第49話。前回、文定(ムンジョン)王后に捕らえられてしまったオクニョ。王后はオクニョの命を盾に、王である明宗(ミョンジョン)に非道な取引を持ちかけます。それは、捕らえたユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンを釈放しろというものでした。

王の苦悩とオクニョの正体

愛するオクニョを救いたい、しかし、宿敵であるユン・ウォニョンたちをここで逃せば、これまでの苦労が水の泡になってしまう…。王は苦渋の決断を迫られます。側近たちはオクニョの意志を尊重し、安易な釈放に反対しますが、王の苦悩は深まるばかり。

そんな八方ふさがりの状況を打ち破ったのは、ユン・テウォンでした。彼はついに、王に驚愕の事実を告げます。

「オクニョは…王女様です。王様、あなたの妹君なのです」

オクニョの母が、先代の王である中宗(チュンジョン)の寵愛を受けた女官であったこと、つまりオクニョが王家の血を引く王女であることを知らされた王は、衝撃で言葉を失います。自分が守るべき肉親が、これほどの苦難を強いられていたこと、そして今まさに母の手によって命を奪われようとしている事実に、王は自らを責め、オクニョを救うことを固く決意するのでした。

解放された悪女の次なる一手

王の決断により、ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンは無事に釈放されます。九死に一生を得たチョン・ナンジョンでしたが、彼女の野心は少しも衰えていませんでした。むしろ、このままでは再び王に追い詰められると考えた彼女は、とんでもない計画を思いつきます。

「王様が我々を脅かすなら、次の王を我々の手で立てればいいのです」

なんと、新たな王を擁立して自分たちの権力を盤石にしようというのです。その標的となったのが、徳興君(トクフングン)の長男である河原君(ハウォングン)。チョン・ナンジョンは、娘のユン・シネを河原君に嫁がせ、未来の王妃にすることで、再び権勢を振るおうと画策し始めるのでした。

粛清の嵐と父の最後の情け

その頃、王は心臓の病で再び倒れてしまいます。王の意識がないことを好機と見た文定(ムンジョン)王后は、ユン・ウォニョンと結託し、王の側近である大尹(テユン)派の重臣たちを「逆賊」に仕立て上げ、一掃しようと動き出します。文定(ムンジョン)王后が作成した「殺生簿(暗殺リスト)」には、オクニョとユン・テウォンの名も記されていました。

非情な粛清が始まろうとする中、ユン・ウォニョンは息子であるテウォンのもとを密かに訪れます。「理由を問わず、今すぐ都を去れ」と、父として最後の情けをかけ、テウォンに逃げるよう促すのでした。

王の不在をいいことに、兵たちは大尹派の重臣たちを次々と捕らえ、中には命を落とす者も。オクニョとテウォンもまた、追われる身となってしまいます。

王の決断、そして衝撃の結末へ

意識を取り戻した王は、母である文定(ムンジョン)王后が引き起こした惨状を知り、怒りと絶望に打ち震えます。王后の私欲のために、忠実な臣下たちが次々と命を奪われたのです。

王は、王后と対峙し、静かに、しかし決然と言い放ちます。

「母上が私の手足を切り落とし、私の治世を阻もうとしていることは分かっています。…私は王位を退きます」

王からのまさかの「退位宣言」。自分の人生のすべてをかけて息子を王位に就かせた文定(ムンジョン)王后にとって、それは受け入れがたい言葉でした。「私が間違っていた」と涙ながらに懇願する母に、王は背を向けます。「母上の欲望のために犠牲になった者たちの魂を慰めるため、私は王座を降りなければならないのです」。

王の固い決意と絶望を目の当たりにした文定(ムンジョン)王后は、その場で意識を失い、倒れてしまうのでした…。

『オクニョ 運命の女』第49話の感想

今回は、物語の根幹を揺るがす大きな事実が明かされ、息をつく暇もない展開でした。オクニョが王女であるという事実は、これまでの彼女の苦難に更なる重みを与え、王の悲しみと怒りを思うと胸が痛みます。一方で、悪の化身であったユン・ウォニョンが、息子テウォンに見せた一瞬の親心には、複雑な感情を抱かされました。どんな悪人にも、守りたいものが一つくらいはあるのかもしれません。しかし、それも束の間、チョン・ナンジョンの底知れぬ悪意と野心は、少しも揺らぐことがありませんでしたね。王が病に倒れたことを好機と見るや、すぐさま次の陰謀を企てる姿には、もはや感嘆すら覚えます。そして最後の、王が下した「退位」というあまりにも重い決断。母への最大の復讐であり、自らの無力さを罰する悲痛な叫びが、物語を衝撃的な結末へと導きました。

つづく