ついに、あのアン・オジュが綺城(キソン)の新市長に…。テレビのニュースでその光景を見たポン・サンピルとハ・ジェイの表情は固く、これから始まるであろう、さらに危険で困難な戦いを予感させました。

一方で、アン・オジュにハメられ、すべてを失ったウ・ヒョンマン刑事は警察を辞職。テレビで得意げに振る舞うアン・オジュの姿に、彼の胸には復讐の炎が静かに燃え上がります。「必ず、この手で落とし前をつけてやる…」と。

市長就任後、アン・オジュが真っ先に向かったのは市庁舎ではなく、チャ・ムンスク判事のもとでした。彼女の協力なくして今の自分はないと、忠誠を誓うかのように。

サンピルとジェイは、ヒョンマンの身が危ないと察し、彼を保護しようとしますが、頑なに拒まれてしまいます。しかし、案の定アン・オジュの手下がヒョンマンを追跡。サンピルは機転を利かせて追っ手を妨害し、ヒョンマンを逃がすことに成功します。彼のスマホには、サンピルたちが仕掛けた追跡装置がしっかりと作動していました。

自分の居場所がバレることを承知の上で、ヒョンマンはこれまで集めてきたアン・オジュの不正の証拠資料を、サンピルたちが必ず見つけられる場所に隠します。そして、ジェイが資料を発見したのを見計らったかのように電話をかけ、「これで、あんたへの借りはなくなった」とだけ告げるのでした。

すべての準備を終えたヒョンマンは、たった一人でアン・オジュへの復讐へ。しかし、数の上でも力の上でも、彼がアン・オジュに敵うはずもありませんでした。数発の殴打で、ヒョンマンは無残にも地面に倒れ伏してしまいます。

その頃、サンピルとジェイはヒョンマンが残した資料の中から、アン・オジュを追い詰めるための重要な鍵となる人物を見つけ出します。それは、かつてサンピルと因縁のあったチョン・スンボム検事でした。二人は二手に分かれ、サンピルはチョン検事に資料を渡し、ジェイはアン・オジュに対して鋭い質問を投げかけていた気骨のある記者、ユ・ギョンジンに接触します。

彼らの作戦は早速効果を現し、チャ判事の指示でアン・オジュが会社の債権を信託していたソン行長に捜査のメスが入ります。新市長室でご満悦だったアン・オジュの顔に、初めて焦りの色が見えました。

サンピルはその弁舌でチョン検事を綺城に呼び寄せることに成功。そして、正義感の強いコン刑事が、彼の右腕となる捜査官に就任します。

しかし、事態は急変します。サンピルは、アン・オジュの部下がヒョンマンを拷問し、資料のありかを聞き出そうとしていることに気づきます。サンピルはアン・オジュを尾行し、監禁場所を突き止め、死闘の末にヒョンマンを救出。しかし、脱出するまさにその瞬間、ヒョンマンは後頭部を強打されてしまいます。薄れゆく意識の中、彼はサンピルに「すまなかった…」と謝罪の言葉を遺し、息を引き取りました。

身寄りのないヒョンマンのために、サンピルは葬儀を執り行います。そこへ、白々しくも弔問に訪れたアン・オジュ。ジェイは怒りを抑えきれず、「あなたが殺したのよ!」と彼を糾弾します。サンピルもまた、「お前を必ず法廷に立たせる」と静かに、しかし強く宣言するのでした。

葬儀場の外で、ジェイは一人の黒い服の女性が中の様子をうかがっていることに気づきます。ジェイが声をかけると、女性は驚いてサングラスを落としてしまいました。ジェイがそれを拾い上げた時、二人の間に不思議な空気が流れるのでした…。

『無法弁護士~最高のパートナー』第7話の感想

今回のエピソードは、ウ・ヒョンマンという一人の男の生き様が胸に突き刺さる回でした。彼は決して完璧な人間ではなく、過ちも犯しましたが、最後の最後で自分なりの正義を貫こうとしました。アン・オジュへの復讐は無謀だったかもしれませんが、サンピルとジェイに未来を託した彼の行動は、物語に大きな転換点をもたらしたと感じます。彼の死は決して無駄ではなく、残された者たちの怒りと悲しみが、巨悪を討つためのより強固な原動力となるでしょう。一方で、ジェイに対して母親のように振る舞いながら、裏では冷徹に人を駒として動かすチャ・ムンスクの存在感が一層際立ち、彼女の底知れない恐ろしさに改めて気づかされました。

つづく