今回は『病院船』第11話。いやー、今回はヒョン先生の優しさと、彼が背負うものの重さに胸が締め付けられる回でしたね…。ウンジェ先生との関係も、一筋縄ではいかないもどかしさがたまりません!早速、あらすじと感想をお届けします!

恩師の命と、すれ違う二人の信念

ヒョンの恩師であるソル先生の治療方針を巡って、ウンジェとヒョンは真っ向から対立します。ウンジェは、自分が研究してきた高難度の手術こそが唯一の道だと信じて疑いません。一方のヒョンは、成功率の低い実験的な手術で恩師を苦しませたくないと、断固として反対します。

しびれを切らしたウンジェは、なんと直接ソル先生に手術を受ける意思があるかを確認しに行きます。でも、先生の答えは「NO」。治療は時間の無駄だと、あっさりと退院を選んでしまうんです。

納得できないヒョンが後を追うと、先生は10年前にがんで亡くした奥さんの話を始めました。辛い治療の末に苦しんで亡くなった奥さんへの後悔が、先生に治療を諦めさせていたんですね。残された時間を、教え子である子供たちと過ごしたい…その言葉に、ヒョンは何も言えなくなってしまいます。

その夜、ヒョンは先生の家で手料理をふるまい、一晩を共に過ごします。奥さんが亡くなってから、誰かにご飯を作ってもらうなんて久しぶりだと、先生は心から感動していました。

気まずさMAX!二人の買い出しデート?

翌朝、病院船に戻ったヒョンを待っていたのは、ウンジェでした。自分の論文や手術の映像を見せて必死に説得しようとするウンジェですが、ヒョンは目もくれずに拒否。二人の間の溝は、ますます深まるばかり…。

そんな気まずい雰囲気の中、二人は病院船の当番で一緒に買い出しに行くことに!スーパーでは必要なものを次々とカートに放り込み、わずか10分で買い物を終えるウンジェの仕事人っぷりにヒョンはびっくり。かと思えば、市場ではヒョンがのんびり品定めを始めるものだから、今度はウンジェがイライラ(笑)。市場のおばさんに「新婚さんの夫婦喧嘩?」なんてからかわれて、まんざらでもないヒョンの顔が可愛かったですね!

ヒョンを襲う新たな試練、そして…

楽しい(?)買い物の途中、ヒョンの携帯が鳴ります。それは、父親が入所している療養院からの緊急連絡でした。

「お父様がいなくなりました。麻薬と鎮痛剤も一緒に…」

以前、父親が自殺をほのめかしていたことを思い出したヒョンは、血相を変えて車を飛ばします。ウンジェを乗せていることも忘れるくらい、彼の心は焦りでいっぱいでした。

療養院の裏山でヒョンが見たのは、信じられない光景でした。懐中電灯を口にくわえ、折れた木の枝を必死に「縫合」している父親の姿…。アルツハイマー病は進行し、父親はもう息子の顔も分からなくなっていたのです。ヒョンは自分が「手伝いに来た医者」だと嘘をつき、なんとか父親を落ち着かせます。

夜になり、雨が降りしきる中、ヒョンは父親が持っていた鎮静剤を握りしめ、木の下で泣き崩れていました。その背中に、そっと傘が差し出されます。

振り返ると、そこにはウンジェが立っていました。

言葉はいらない、ただ隣で雨を防ぐ。不器用なウンジェが見せた最大の優しさに、思わず涙腺が緩んでしまいました。

『病院船〜ずっと君のそばに〜』第11話の感想

今回は、いつも穏やかで優しいヒョン先生が抱える、深くて重い苦悩が描かれた回でした。恩師への想いと、進行していく父親の病状。その二つの間で、彼の心がどれほど引き裂かれていたかを思うと、本当に胸が痛みます。特に、息子だと気づいてもらえない父親を前に、医者として冷静に振る舞おうとする姿は涙なしには見られませんでした。

一方で、そんなヒョンに寄り添おうとするウンジェの不器用な優しさにも心打たれました。いつもはクールで合理的な彼女が、ただ黙って傘を差し出すシーンは、二人の関係が新たなステージに進んだことを感じさせます。これまでの対立があったからこそ、この静かなシーンがより一層際立って見えました。二人の心の距離が、この雨をきっかけにどう変わっていくのか、目が離せません。

つづく