今回は『病院船〜ずっと君のそばに〜』の第12話について、熱く語っていきたいと思います!この回は、ヒョン先生の過去とウンジェ先生の人間的な魅力が深く描かれていて、見どころ満載でしたね。
前回、父親の療養院から離れたヒョンとウンジェ。二人は屋台でグラスを傾けながら、ヒョンがこれまで誰にも話さなかった重い過去を語り始めます。ヒョンの父親は、かつてシリアで国境なき医師団として活動していましたが、その頃からアルツハイマー病を患っていました。病状は悪化し、記憶障害で道に迷った末に空爆の捕虜になってしまったという、壮絶な過去があったのです。
なんとか韓国に帰国できたものの、父親の記憶は空爆の日のままで止まっていました。療養院に入ってからも脱走を繰り返し、そのたびにヒョンは必死で探し回る日々。そして、ある徹夜の捜索の後、まだインターンだったヒョンは病院で重大な医療ミスを犯してしまいます。その時から、彼は緊急治療の際に手が震えるトラウマを抱えることになったのです。時折意識がはっきりする父から「いっそ殺してくれ」と懇願されるというヒョンの告白は、あまりにもつらく、聞いているウンジェと同じように胸が締め付けられました。
一方、ウンジェは尊敬する詩人、ソル先生の手術を諦めきれません。それは、ソウルへの復帰をかけた論文のためだけでなく、亡き母を救えなかった後悔を二度と繰り返したくないという強い思いからでした。 彼女は元同僚に連絡を取り、自分の論文と引き換えに先生を説得してほしいとまで頼み込みます。
そんな中、ヒョンが自宅で倒れているソル先生を発見。病院に運びますが、先生は「手術台の上で死にたくない」と頑なに手術を拒否します。ウンジェは先生の詩集を読み込み、彼の心を理解しようと必死に寄り添います。その姿を見て、初めは論文のためだと誤解していたヒョンも、ウンジェが母親の死をきっかけに「患者を目の前で失いたくない」という強い信念を持っていることを知ります。ウンジェの瞳に浮かぶ涙を見たヒョンは、彼女をそっと抱きしめ、慰めるのでした。
そしてヒョンは、先生からの「遺体寄贈同意書」をウンジェに渡します。先生は、手術を受けない代わりに、自分の体をウンジェの研究に役立ててほしいと願っていたのです。この展開には、本当に心を打たれました。
翌日、島への往診に向かったウンジェは、偶然にも遠足へ向かうソル先生と子供たちが乗ったバスに乗り合わせます。しかし、そのバスが坂道から転落するというまさかの大惨事が発生。ウンジェは腕を脱臼する大怪我を負いながらも、窓ガラスを割り、先生と協力して子供たちを次々と救出します。
病院船のクルーも駆けつけ、子供たちは幸いにも重傷者はいない様子。しかし、ほっとしたのも束の間、バスの中にまだ一人の子供が取り残されていることが判明します。煙が上がる車内へ、今度はヒョンが迷わず飛び込んでいきました。しかし、彼が車内に入った瞬間、不安定だったバスが大きく傾き、崖下へ落ちそうになるという絶体絶命の状況に…!果たしてヒョンと子供の運命は!?という、息をのむ展開で幕を閉じました。
『病院船〜ずっと君のそばに〜』第12話の感想
今回は、登場人物たちの過去の傷と現在の葛藤が深く交差する、非常に見ごたえのあるエピソードでした。特に、いつも穏やかなヒョンが抱える壮絶な過去の告白は、彼のキャラクターに一層の深みを与えました。父親の介護と自身のトラウマという二重の苦しみを背負いながら、それでも医師として人々に向き合う姿に胸を打たれます。また、これまでクールで完璧主義に見えたウンジェが、母親への後悔という人間的な弱さを見せ、患者に必死で寄り添おうとする姿は、彼女への見方を変える大きなポイントでした。二人の心の距離がぐっと縮まった瞬間でもあり、今後の関係性の変化を予感させます。ラストのバス事故は緊迫感に満ちており、医師としての使命感が試される過酷な状況で、彼らがどう立ち向かうのか、目が離せない展開でした。
つづく