今回は『病院船』第22話の展開を、皆さんと一緒に追いかけていきたいと思います!ウンジェのプライドと愛情が試される、胸が締め付けられるような回でしたね。

ヨンウンの宣戦布告と、ウンジェの反撃

ヒョンがそばにいてくれると約束してくれた――。ヨンウンは勝ち誇ったようにウンジェの診察室へやって来て、そう告げます。しかし、私たちのウンジェはそんな挑発には乗りません。カルテから目を離すことなく、冷静に「電話をするときは周りに人がいないか気をつけた方がいい」と一言。そう、ウンジェはヨンウンが仮病を使っていること、そのための電話を聞いてしまっていたのです。

図星を突かれたヨンウンは逆上!「あなたが私とヒョンの仲を壊した!」とウンジェを責め立てますが、時すでに遅し。ウンジェの静かな反撃は、ヨンウンの嘘を鮮やかに暴いてみせました。

ジェゴルの男気と、ウンジェの優しさ

この緊迫した会話を、なんと手術室で備品を修理していたジェゴルが聞いていました。ジェゴルは、ヒョンに真実を話して正々堂々とウンジェを巡って勝負したい、と考えます。しかし、ウンジェはそれを制止。「ヒョンにとっては恥ずかしいことだから」と、彼のプライドを傷つけたくないという思いからでした。このウンジェの一言、グッときますよね。自分の恋敵(?)であるはずのヒョンのことまで気遣うなんて…。そんなウンジェの優しさに触れ、ジェゴルもまた複雑な三角関係に頭を悩ませるのでした。

父子の涙と、ウンジェの決意

病院船が島へ向かう途中、蜂に刺された父子が意識不明だという緊急連絡が入ります。現場に駆けつけたウンジェとヒョンの懸命な救命処置により、二人は病院船へ。先に意識を取り戻した父親は、自分をかばって未だ昏睡状態の息子の前で泣き崩れます。その父親の涙が届いたのか、息子も奇跡的に目を覚まし、父子は抱き合って涙を流しました。

その光景を静かに見つめるウンジェ。彼女の脳裏には、父を助けてくれと泣いて頼んできた弟の姿が浮かびます。様々な感情が胸にこみ上げ、ウンジェは静かにその場を去るのでした。

仕事の後、ウンジェは弟から「父さんが病院から無理やり出ようとしている」と電話を受け、ジェゴルの車で病院へ急ぎます。病室では、父が本当に荷物をまとめていました。治療を諦めたという父に、ウンジェは「私がなんとかする。どんな手を使っても助けるから」と力強く約束。弟には自分の銀行カードを渡し、父のことを託します。

最後の切り札と、魂の土下座

ウンジェは院長に休暇を願い出ます。父の手術を、かつての同僚であり、因縁の相手でもあるソウルの名医キム・ドフンに頼むために。

ソウルの大韓病院で再会したドフンは、ウンジェの来訪を予期していたかのように冷静でした。彼は過去の確執は水に流し、手術をすると約束してくれます。しかし、「スケジュールが詰まっているから、すぐには無理だ」と冷たく言い放ち、背を向けるドフン。

その瞬間、これまで決して誰にも頭を下げなかったあのソン・ウンジェが、プライドをかなぐり捨てて床に膝をつきました。彼女はドフンに土下座し、父を助けてほしいと懇願するのでした。

『病院船〜ずっと君のそばに〜』第22話の感想

今回のエピソードは、ソン・ウンジェという人物の核に深く触れる回でした。常に冷静で、自らの腕だけを信じてきた彼女が、父の命を前にして見せた脆さと強さには心を揺さぶられました。特に、蜂に刺された父子の姿に、自身の家族を重ねて静かに涙するシーンは、彼女の内に秘めた深い愛情を感じさせます。

そして、最大の見どころはラストシーンでしょう。あれほどプライドの高かったウンジェが、因縁の相手であるキム・ドフンの前で土下座をする姿は衝撃的でした。それは、外科医としての自信を一度捨て、ただの娘として父の命を乞う、痛切な愛情の表れです。この行動が、彼女自身や周囲の人間関係にどのような変化をもたらすのか。物語が大きく動く予感をさせる、非常に密度の濃いエピソードだったと感じます。ウンジェの選択が、良い方向へ進むことを願わずにはいられません。

つづく