いやあ、今回の『病院船』は手に汗握る展開でしたね!医師としての信念、仲間との絆、そして巨大な権力との対立が、これでもかと詰め込まれた神回だったんじゃないでしょうか。
物語は、ソン・ウンジェがキム院長に事務長の妻の手術をさせてほしいと懇願するシーンから始まります。しかし、そこへ乗り込んできたのが、病院の有力な投資者であるトゥソングループのチャン会長。会長は投資を盾に、患者を転院させるよう圧力をかけてきます。板挟みになった院長は苦悩の表情で部屋を出て行ってしまうんです。
残されたウンジェとチャン会長。会長は「病院船の無料診療は問題だらけだったとメディアの前で認めろ。そうすれば手術を許可してやる」と、とんでもない取引を持ちかけます。もちろん、我らがウンジェがそんな条件を飲むはずがありません。交渉は決裂し、事務長の妻の命は風前の灯火に…。
その頃、往診を終えたクァク・ヒョンたちは、急変した患者を巨済第一病院へ搬送します。そこでヒョンが見たのは、廊下で力なく座り込む事務長の姿でした。ウンジェが病院を解雇され、手術ができないという絶望的な状況を知らされるのです。
病室では、ウンジェが事務長に「奥様に最後のお別れを…」と、非情とも思える現実を告げていました。誰もが諦めかけたその時、現れたのはキム院長!散々悩んだ末、彼は医師としてのプライドと患者の命を選び、ウンジェに手術の許可を出したのです!この院長の決断には、思わず「よく言った!」と声を上げたくなりましたね。
手術の準備が急ピッチで進む中、さらに驚きの展開が。なんと、事務長の妻と血中適合した肝臓のドナーは、病院船の看護師長だったのです。仲間のために自らの身を捧げるその姿に、胸が熱くなります。
一方、会長の別荘では、手術決行の知らせを聞いたチャン会長が激怒。駆けつけたキム院長は、目の前で投資契約書を破り捨て、決別の意思を表明します。怒り狂った会長は、ウンジェと病院を完全に潰すよう、秘書に命じるのでした。
病院では、新たな問題が。以前、病院船を医療紛争に巻き込んだ産婦が、廊下で倒れてしまいます。彼女の赤ん坊(ハンスル)もまた、危険な状態が続いていました。手術室の外で、ヒョンとキム・ジェゴルは、トゥソングループとの本当の戦いはこれからだと覚悟を決めます。
ヒョンが新生児室へ向かう途中、事態はさらに悪化。ハンスルの容態が急変し、生命維持のサインがみるみる低下していきます。主治医が万策尽きたと判断する中、ヒョンは「まだやれることがあるはずだ」と諦めません。彼の瞳には、どんな状況でも命を救おうとする強い光が宿っていました。果たして、この小さな命を救うことはできるのでしょうか。
『病院船〜ずっと君のそばに〜』第37話の感想
今回は、登場人物それぞれの「覚悟」が胸を打つ回でした。院長のキム・スグォンは、病院の経営という現実と、目の前の命を救うという医師本来の使命との間で激しく葛藤し、最終的に後者を選びました。その決断は、チャン会長との決別という大きな代償を伴うものでしたが、彼の医師としての誇りを感じさせ、非常に感動的でした。また、ソン・ウンジェの、どんな圧力にも屈せず患者のために最善を尽くすという揺るぎない信念は、物語の太い背骨となっています。そして、最後のシーンで見せたクァク・ヒョンの諦めない姿勢。科学的に打つ手がなくなったとしても、人としてできることがあると信じる姿は、医療とは何かを改めて問いかけているようでした。仲間を救うために自らを犠牲にする看護師長の姿も含め、人と人との繋がりや、職業倫理について深く考えさせられる、重厚なエピソードだったと感じます。
つづく