いやはや、今回の『病院船』は人間ドラマがぎゅっと詰まった、見ごたえのある回でしたね!さっそく第7話の展開を振り返っていきましょう。

物語は、巫女のパク・オルリムがウンジェの髪をわしづかみにするという、とんでもない修羅場で幕を開けます。騒然とする船内。そこに駆けつけた我らがヒョン先生、なんとオルリムに「倍の料金を払うから俺を占ってくれ」と耳打ちして、スマートにその場を収めるんです。さすがですね!

診察室で、ヒョンは医師としてオルリムを、オルリムは巫女としてヒョンを「診察」します。ヒョンはオルリムの深刻な病状を見抜き、オルリムはヒョンの心の苦しみを見抜く…このシーン、なんだか不思議な絆が芽生えたようで印象的でした。

しかし、オルリムは精密検査を拒否した直後に吐血して倒れてしまいます。救急処置をしようとするヒョンですが、過去のトラウマで手が震えて動けません。そこにアリムに呼ばれたウンジェが登場。ヒョンの手から器具をさっと取り、冷静沈着に処置を進める姿は、対照的でありながら、二人の抱える痛みが垣間見えて切なかったです。

緊急搬送された病院で、オルリムは深刻な肝硬変で肝移植が必要と診断されますが、治療も家族への連絡も拒んで姿を消してしまいます。

一方、ヒョンにもつらい現実が。妹の結婚を前に、精神疾患を患う父親が発作を起こしてしまいます。妹は父親の病気を婚家に隠すため「両親は亡くなった」と嘘をつくと言い出し、母親と大喧嘩に。家族の板挟みになり、一人で父親に付き添うヒョンの背中が、あまりにも寂しげでした。

その頃、病院を抜け出したオルリムは、陸で暮らす娘のソナを訪ねていました。巫女である母を疎ましく思うソナは、母を冷たく突き放します。しかし、母が黙って差し出した通帳を手に、ソナは道端で泣き崩れるのでした…。親子の愛の形に、思わず胸が熱くなります。

物語のラストは、明け方近くに宿舎へ戻ったウンジェを待ち受けていた衝撃の展開でした。そこにいたのは、ウンジェの叔母。叔母は、ウンジェが男(ヒョン)と朝帰りしたこと、そして何より、母親の死の際に涙一つ見せなかったことを激しく責め立てます。「あんたのせいで姉さんは死んだ」という言葉は、あまりにも重い…。

これまでクールな仮面で本心を隠してきたウンジェの、最も触れられたくないであろう心の傷が、むき出しにされた瞬間でした。そして、その一部始終をヒョンが見ていたのです。お互いの深い苦悩を知ってしまった二人、これからどうなっていくのでしょうか。

『病院船〜ずっと君のそばに〜』第7話の感想

今回は、これまで断片的に描かれてきたソン・ウンジェとクァク・ヒョンの内面が、深く掘り下げられた回でした。ヒョンが見せる底なしの優しさの源泉にある、家族という名の重荷と医師としてのトラウマ。そして、ウンジェが纏う氷のような冷静さの裏に隠された、母親の死にまつわる深い悲しみと罪悪感。二人の抱える痛みが、それぞれのエピソードを通して鮮明に浮かび上がりました。特に、愛する家族のために心をすり減らすヒョンの姿と、過去に縛られて苦しむウンジェの姿は、見ていて胸が締め付けられるようでした。また、巫女の親子が織りなす物語も、本作のテーマである「家族の愛」を力強く描き出しており、物語全体に厚みを与えていたと感じます。登場人物たちの人間らしい弱さや葛藤が丁寧に描かれ、より一層、彼らに感情移入してしまいました。

つづく