太宗(テジョン)イ・バンウォン~龍の国~ 第17話ネタバレ
悪夢の始まり…バンウォンの非情な決断と父の慟哭
前回、ついに弟たちを世子に据えようとしたチョン・ドジョンを、「嫡男たちを謀殺しようとした」という罪で処刑した我らがイ・バンウォン(演:チュ・サンウク)。いやぁ、あの冷徹な眼差し、ゾクゾクしましたね…。でも、この行動が父である太祖・イ・ソンゲ(演:キム・ヨンチョル)の逆鱗に触れちまったんです!
「息子が息子を殺そうとしている!」と激怒したイ・ソンゲは、バンウォンを斬り捨てようとしますが、時すでに遅し。バンウォンの勢力はあまりにも強大で、逆に宮中に囚われの身となってしまいます。王でありながら、息子に幽閉されるなんて…イ・ソンゲの胸中、察するに余りあります。
一方のバンウォンは、まるで何事もなかったかのように冷静沈着。官僚たちに政務を処理させ、朝廷の機能を維持しようとします。この男、肝が据わりすぎてる!でも、その裏では、父や多くの臣下から恨みを買っていることを痛いほど感じていたはず。
板挟みの忠臣、そして母の愛
この異常事態に、かつての盟友・イ・ジラン(演:ソン・ドンヒョク)もビックリ仰天!「バンウォンめ、王様を脅しているのか!」と衝撃を受けます。そんな中、バンウォンの妻であるミン氏が、イ・ジランのもとを訪れます。「どうか王様を説得し、新たな世子を立ててこの混乱を収めてください」と。
最初は渋っていたイ・ジランですが、なんと自分の息子である李和(イ・ファサン、演:イ・ウォンバル)と尚(サン、演:テ・ハンホ)までもが、このクーデターに加担していたことを知るんです!息子たちの命がかかっているとなれば、もう断れませんよね…。苦渋の決断で、調整役を引き受けることになります。
そして、バンウォンを陰で支えるミン氏。彼女は、夫が父を脅し、多くの非難を浴びていること、そしてその心の痛みを誰よりも理解していました。「あなたのお腹には、世継ぎとなる子がいるのです。その子のためにも、どうか耐え抜いてください」と励ます姿には、グッときましたね…。
苦肉の策と、悲劇の連鎖
バンウォン自身も、父との決定的な対立は避けたいところ。そこで彼は、次兄のイ・バングァ(イ・バングァ、演:キム・ミョンス)に「まずは兄上が世子になってください。時期を見て、私にその座を譲っていただければ」と提案します。自分が直接父から王位を奪う形を避けるための、苦肉の策だったんでしょう。
しかし、悲劇はまだ終わりません。廃位された世子・イ・バンソク(演:キム・ジンソン)は庶人に落とされ、異母兄のイ・バンボンと共に流刑に処されることに。イ・ソンゲは「バンウォンが芳碩を生かしておくはずがない」と抵抗しますが、芳碩自身は運命を悟り、父のもとを去ります。そして案の定、流刑の道中でバンウォンの手下に殺されてしまうのです…。死の間際、芳碩は「お前こそが朝鮮を滅ぼす罪人だ!」とバンウォンを呪うのでした。うぅ…切ない。
止まらない粛清、そして兄との亀裂
さらに、バンウォンの異母妹である慶順公主(キョンスンこうしゅ)が、夫・イ・ジェの助命を嘆願しに来ます。バンウォンは「夫に公の場で謝罪させれば許そう」と条件を出しますが、なんとここで思わぬ横槍が!
バンウォンの兄であるイ・バンガン(演:チョ・スンチャン)が、バンウォンに何の相談もなく、イ・バンボンを殺害してしまうんです!これにはバンウォンも激怒。「なぜ勝手なことを!」と芳幹に詰め寄り、兄弟同士で一触即発の事態に。なんとか三兄のイ・バンイ(演:ホン・ギョンイン)が間に入って収めますが、兄弟の絆にも亀裂が…。
そして、チョン・ドジョン派の残党狩りは続きます。最後まで謝罪を拒んだイ・ジェは、結局バンウォンによって処刑されてしまいました。夫を失った慶順公主の悲しみは、計り知れません。
イ・ソンゲは、かつて愛したカン氏の血を引く者が、慶順公主ただ一人になってしまったことを知り、深い悲しみにくれるのでした…。
『太宗(テジョン)イ・バンウォン~龍の国~』第17話 感想
第17話は、権力を巡る争いが一層激しさを増し、登場人物たちの苦悩が深く描かれた回でした。イ・バンウォンの冷徹な判断と行動は、目的のためには手段を選ばないという彼の強い意志を感じさせましたが、同時に父や兄弟との絆が断ち切られていく様は、観ていて胸が締め付けられる思いでした。
特に、父であるイ・ソンゲが息子によって幽閉され、愛する者たちを次々と失っていく無念さは計り知れません。また、イ・ジランのように板挟みになる忠臣や、夫を支えながらも心を痛めるミン氏の姿も印象的でした。
血縁や忠誠といった人間関係が、権力という大きな力の前にもろくも崩れ去っていく様は、非常に重く、考えさせられるものがあります。それぞれの正義がぶつかり合い、悲劇が連鎖していく展開は、物語の深さを感じさせました。登場人物たちの感情の機微が巧みに描かれており、見応えのあるエピソードだったと感じます。
つづく